2023/11/12 インスタント・ハッピー(ドーパミン・ビジネス)にご用心

幸福の感受性は人によって異なるし、幸福になる方法などを一般化するのは無理だけど、不幸の定義は人類共通で普遍的だ。
以前にも書いた通り、健康、カネ、人間関係のトラブルが人類の三大不幸だと言える。これらに比べたら、他の不幸なんて大したことはない。

科学的には脳内物質のセロトニン、オキシトシンなどが適度に満ちた状態であることが幸福だと言えるのかもしれないけど、どのようにすればそれらの脳内物質を満たすことができるのかは、人(遺伝子)によって異なるから、一般化できるわけがない。

いつの時代も、手っ取り早く、カネで幸福を手にできるビジネスが絶えないけど、そういう短期的、刹那的な幸福は長続きせず、ひとびとを渇望の沼に陥れる。カネでインスタント・ハッピーを売るドーパミン・ビジネスだ。

人間は本質的に怠け者だ。
みんな努力なんて大嫌いだし、楽をしてハッピーになりたいから、カネを使ってハッピーになろうとするのは人間の業だろう。

でも、たいてい、そこには悪い人間たちの罠が潜んでいる。
カネで買ったインスタント・ハッピーは、超短期で終わり、強烈な渇望感が残り、脳は中毒に陥る。この罠は覚えておいた方がいい。

カネで手にできる最悪のインスタント・ハッピーはご存知のドラッグ(文字通りの薬物、酒、タバコ、砂糖、悪質な油)だし、ギャンブル、ゲーム、セックスの中毒も最悪だ。美容整形やブランド買いなどの消費沼もそれに続く。最近発明されたSNSもかなり危険だ。

まあ、不幸も幸福のスパイスというか、不幸という状態の辛さを知ることで、幸福の大切さがわかるというものだろうけど。
多くの人は何らかの依存症を抱えるし、少なくとも経験はしているだろう。
なんの依存症もないという超人もいるかもしれないけど、それはそれで深みがない(経験値が少ない)気がする。