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一年働いてみて、製薬企業の良い点と改善点を3つずつ挙げてみた

私は、新卒就活で工学の分野から製薬企業の開発部門(治験を実施している部署)という少し変わった就職をした。薬学などのバックグランドがない中で働いてみて、面白いと感じた点と改善できるのではないかと感じた点をそれぞれ挙げてみた。

①革新的な薬剤や試験に携わることができる

まず、製薬企業は扱っている製品、具体的には開発している製品がとても重要である。開発中の製品は、成功すれば将来的に10-20年間の売り上げになるからだ。今、自分が携わっているのはオンコロジー(がん)の分野の医薬品だが、今まで新しい治療を確立するのが難しい領域でのプロジェクトに携わることができている。今後の最先端の治療となる可能性のある医薬品、治療に関われるのはとてもいい経験だと感じる。

②働き方が柔軟

医薬品の開発部門においては、転勤などがなく、基本的に本社(あるいは開発部門のあるオフィス)をベースとして働くことが多く、また書類作業の多いため、自分のペースに合わせて働けることが多い。また出張などもあるが、日帰り、都内がメインであり、体への負担のある働き方ではないと感じている。

③健康について真摯に向き合える

このポイントは実はとても重要だと思うのだが、日々、病気や医療に関するデータ、書類を扱っているため、いかに健康な生活を送ることが重要であるかを身に沁みて感じている。特に、がんの領域においては早期発見・治療ができるかどうかで、治癒する確率も大きく変わる。20代のうちに人生を長く健康に生きていくために気を付ける意識を持てたことは今後においてもとても役に立つ。

一方で、実際に働いている中で、ここは改善できるのではないかと感じている点もある。こちらについても3点ほど挙げてみたい。

①バックグランドが似ている人が多く、人材的な多様性が欠けている

製薬企業の開発部門に入社する方は、基本的には前職で経験がある人、または新卒入社員となっているため、仕事のバックグランドが似ている社員があつまりやすい。また医薬品の開発はかなり専門的な仕事という側面もあり、他部署の社員との接点も増やしにくい。異分野を交えた人材の交流はあまり多くないと感じている。

②旧態依然とした働き方が続いていることがある

製薬企業の開発部門のクライアントは、医療業界であり、医療業界の働き方は古いと言われることが多く、また実際に見聞きする中でそのように感じることが多い。例えば、紙の書類が原本として必要であり、電話でのやり取りがメインとなることも多い。また、ミスが許されない、コンプライアンスも厳しい医療業界ということもあり、新しいテクノロジーやソフト面でのサービスの普及が遅いということもある。今後、少しずつでも進化していくことを願いたい。

③患者さんと直接会えないため、喜ぶ姿を見たり、達成感を味わったりする機会が少ない。

こちらは1年間働いてみて感じたことだが、医薬品開発のプロジェクトは、10~20年と長い時間がかかるため、実際に自分が携わるプロジェクトが成功する場面を目にすることがなかなか出来ない。特に新人として働いている中で自分の仕事の成果を実感しにくいのは少し寂しい気持ちがある(逆に社内プロジェクトはすぐにフィードバックが得られるため、相対的にやりがいを感じやすい)。大きな使命感を持って働いている社員も多いため、患者さんのコミュニティなどと交流する機会があるとより嬉しいと感じる。

以上が1年間働いてみて簡単な感想だが、製薬企業においてはやりがいのある仕事も任せられているため、日々楽しく働いている。もう少し深いところも含めた記事も今度書いてみたい。


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