南天

2019年11月の歌

年上の同級生が体育を休んで見ているプールのうねり

飛び方を知らぬかのよにゆっくりと鳩は歩めり影も歩めり

一緒だと何の罰にもならないしあなたはたぶん天国に行く

待つことが上手になった暦にはもう南天が描かれている

爪を噛むあなたの好きなものばかり作った夜にまで爪を噛む

雨を聞くほどの沈黙 触れあって体温ばかり能弁になる

ここまでがたぶん夜です「おはよう」と君がつぶやく場所からひかり

※「NHK短歌」12月号掲載
 結社誌「塔」11月号掲載
 角川「短歌」12月号掲載
 うたの日

※自選…というタイトルを単に「歌」と変えました。
 自選と言えるほど量産できていませんでした…。
 

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