うんちからの手紙。
目が覚めた瞬間、すべてを悟った。
なぜ私が目覚めたのか。
私は今、何をしなければならないのか。
視線の先には
こちらに後ろ姿を見せて横たわっている息子の姿があった。
そっと手を伸ばし、おしりをさわる。
うん、やっぱり。濡れている。
穏やかに眠っている息子を見て
このまま、知らぬふりしてもう一度寝てしまおうか。
寝不足の頭には、母性本能も勝てないようだ。
いや、だめだ、そんなことをしたら
おしりがかぶれてしまう。
それに、このにおいもなんとかしなくては。
6畳程度の和室でにおいが充満するのに
どのくらいの時間がかかるのだろう。
5分、10分、30分…
あまりにも時間が経っているとおしりがかぶれてしまう。やはり早く確認しなくては。
濡れている下着と服を脱がせ
おむつを取っている間に息子は起きた。
もうすでに用を足し終えているからなのか
すっきりとした目覚めで、私に笑顔を向けている。
「あぅー。あうう。」
にこにこしている息子の両足をぐいっとあげて、確認する。
うん、赤い。
やはり、それなりに時間は経っていたようだ。
はぁー。
とため息が漏れる。
Mってもうちっちゃかったか?
19:00くらいにおむつ変えたけど、あかんかったか?
息子の服を整えてながら考えていたら
あとの二人も起きてきた。
今日は溜まりに溜まった洗濯物をしまう日なので子供らの朝食もそこそこにしてせっせと片付けていたら
となりの部屋で楽しく遊んでいた2歳の次女が目の前にやって来た。
今年の夏になり、ようやく人と会話できるくらいまで話せるようになった次女。
しかしまだ肝心なことはなかなか言わない。
このときも、なぜ来たのか言わなかったがすぐにわかった。
「うんちしたひとだーれだ」
「はーい、わたちでーちゅ」
私たちの会話を聞き付けて
息子もよちよち歩きで駆けてきた。
あぁ、はい、あなたもなのね…
2歳と1歳と一緒にいると
ときどき「うんちリレー」がやってくる。
それでも、うんちは健康のバロメーター。
やわらかいうんち
かたいうんち
茶色いうんち
黄色いうんち
まだ言葉で体調の変化を伝えられない子供らの様子を、うんちが代わりに教えてくれる。
ありがとう。
おむつを卒業するそのときまで
どうか頼むよ、うんちくん。