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【#78】命短し、"簿記"せよ乙女

簿記は顕微鏡

 先日、2月末からダラダラと勉強してきた簿記二級に合格した。入社条件だった。とはいえ、簿記は、なんだかよくわからない会社の仕組みへの分解能をぶち上げた。顕微鏡と同じだ。顕微鏡はどうしても細部を見たくて仕方ないオタクたちが生み出した技術の結晶だ。僕は今まで、TEMやAFMといった電顕、5色も見えるスピニングディスク共焦点顕微鏡といったものすごい顕微鏡を触らせてもらってきた。時にはナノスケールのDNAロボットを、時にはハエの変態期の細胞移動を、時には細胞分裂中の細胞内のダイナミクスを。いずれも、見たいものが見えた前後で、世界が変わった

とっても退屈で苦しい夜明け前

  顕微鏡観察では、まず観察に適したサンプル調製や、薬剤の濃度、撮影のタイムスケールといった観察条件の検討、きれいなデータが取れるようになるまでの練習など、とっても退屈でめんどくさいことが目白押しだ。簿記も同じだった。分厚い教科書を読み切って、演習を重ねて、模試を解いて。幾度となく打ちひしがれた。そして一度簿記の試験を受けて落ちたわけだが、そこで気づいた。企業は利益を上げることを目的とし、そのためには会社にある資産や負債の状況はもちろん、損益がどのような活動で生じたか厳密に記録しないと、会社の信用に関わり、会社は存続できないのだということに。試験に失敗して本質に気付いたわけだ。

 以上より、まだ簿記を学んでいないあなたへ、会社という実存の世知辛さを掴むために、簿記を学んでみてほしい。

【1分】大事だと思う簿記の概念

 次に、僕が特に勉強になった簿記の概念を紹介する。

1.減価償却。建物や備品、ソフトウェアなど、年月とともに古びていくようなものは、減価償却費を計上することで、その資産価値を減少させる。

2.連結会計。大企業は子会社という持ち株率が50%を超える会社を持つが、各々財務諸表があってはグループ全体の状況を正しく反映していないため、連結財務諸表を別途作成する。

3.準備金の積立。剰余金を財源にした配当や増資時に、準備金を積み立てることが義務付けられている。これらは万が一に備えるためのお金だ。

4.財務諸表。決算日において、決算前整理事項に記載された事項について仕訳を行い、当期の正確な会社の状況・損益を計算する。株主資本等変動計算書という、株主に向けた、会社の純資産の増減と現状をまとめた書類も加えた3つが、会社のありのままの姿なのだ。

5.標準原価計算。工業において、予め設定した製品の製造原価に対して実際に発生した原価との差異が、どこで生じたのか分析する。

参考

簿記入門書 「財務諸表一体理解表」https://www.amazon.co.jp/dp/product/B01LXGPLE4/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=B01LXGPLE4&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_pc_login-22

商業簿記の教科書 「みんなが欲しかった!シリーズ」https://www.amazon.co.jp/dp/product/4813296076/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4813296076&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_pc_login-22

工業簿記の教科書 「みんなが欲しかった!シリーズ」https://www.amazon.co.jp/dp/product/4813274862/ref=as_li_tf_tl?camp=247&creative=1211&creativeASIN=4813274862&ie=UTF8&linkCode=as2&tag=bookmeter_book_middle_detail_pc_login-22

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