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【取材後記】カオナビさんに「ISがミッドフィルダーを担う」マーケ戦略を伺いました。

みなさま、こんにちは! ビジネスメディア SELECK編集部の榎本(@enomon_s)です。

先日公開した、SELECK文章教室【No.1】テレワーク・マネジメント編。もうご覧いただけましたか?

SELECK編集長が「鬼」と書かれてますが(笑)人柄は優しさのかたまり♥

この記事は、SELECK編集部のメンバーが、編集長のはなさんにビシバシッ!と添削してもらった原稿(下書き)を、あるがままに公開しちゃおうという企画の第一弾です✨

実はこれ、SELECK編集部マガジンの運営についてアンケートを取った際に、読者の方から1番ニーズが高かったコンテンツでした。

なかなか記事執筆の「裏側」って、見る機会がないですもんね。よろしければ、ちらっと覗いてみてください^^

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さて!裏側繋がりということで、今回も「取材の裏側」をお伝えしてまいりましょう。本日のSELECK新着記事は、カオナビさんのマーケティング戦略についてです👏👏

では早速、取材の背景からお伝えしていきます!

1.取材の背景

カオナビさんが展開する「カオナビ」と言えば、クラウド上に社員の顔写真が並ぶデザインが印象的ですよね。CMなどでご覧になった方も多いと思います。

このようなクラウド人材マネジメントシステムは、2012年の事業スタート時にはそもそも市場すら存在しませんでした。そこから8年で、今や約1,800社に「カオナビ」が導入されています。

そんな注目の企業が、これまでどんな取り組みをされてきたんだろう?と、事前にいろいろな記事を拝見。その中で「過去には20回以上、価格を変えています」という一文が目に留まりました。…20回以上!?

それって、営業上の戦略で成約獲得のために価格調整をしたということではなく、SaaSの月額料金を頻繁に変えながらPDCAを回したってことですよね。(初期は週単位で変えていたそう…!)

その背景やこれまでのマーケティング戦略の変遷が、多くの方々に参考になるのではないかと思い、取材させていただきました。

本記事では、

「まだ市場がない状態から、どのように市場開拓をしたのか」
「PMFまでに、プライシングも含めてどのような試行錯誤をされたのか」
「PMF後のフェーズでは、どのようにマーケティング戦略を変えたのか」
「そして、現在の取り組みは?」

という「創業期から現在のマーケティング戦略の全容」を公開しています!

2.事例のポイントと、カオナビさんの現在地

事業初期フェーズでは、知名度の高い企業の事例をフックに受注を伸ばし、徐々に市場を形成。同時にプロダクトの徹底した磨き込みで、3年でPMFを達成されたとのお話しでした

その後、事業をグロースさせるフェーズで特にポイントとなったのは、MAツールを起点に、組織の司令塔として旗振りをする権限を「インサイドセールス(IS)」に与えたことだそう。

サッカーで言うミッドフィルダーに強い権限を持たせれば、営業には「これだけ案件数を渡しているので、もっと売ってください」と言えるし、マーケに対しても「案件数が足りないから、あと何件ホットなリードをください」と言えるじゃないですか。これで相互に連携できるようになったのは大きかったですね。(本文より)

MAツールはマーケ部門で扱うことも多いのではと思いますが、カオナビさんの場合は自動化するというよりは、マーケと営業の間のパイプラインを可視化するためのツールとして活用していたとのこと。

記事の中では、2015年以降はISを中核に置いてチームに横串を通すことで、事業成長に繋がり、その後のマスマーケティングや、ユーザーをファン化する取り組みへと展開していきます。

この「どのチームを司令塔(ミッドフィルダー)に置くか」については、実は後日談があります。

というのも、当日はオンライン取材だったため、後日インタビュイーの佐藤さん(取締役副社長 COO)の撮影へ。

せっかくなので、佐藤さんのお考えや、今現在の戦略についてプチ取材をさせていただきました💡
(※伺ったお話しを一部抜粋し、編集しています)

・全てのチームが大事だからこそ、全体最適のために経営陣である自分がフロントとして、どのチームを直接見るか。席や籍をどこに置くかがポイント。
なぜなら、全社に対して明確な戦略の意思表示になるし、そこに重要な情報が自然と集まるから。

・創業時は、プロダクトとマーケティングに力点があった。その双方がぐるぐると回る状態でないと、市場が求めるものに到達できないので。
その後、資金がない時はISが司令塔になって、市場規模と売上を拡大することに力を注いだ
そして、現在はカスタマーサクセス(CS)を事業の司令塔にしている。

・それは、営業活動にも制限がかかるコロナ以降は、どれだけ企業としてファン化できるかが、最大の鍵になってくるから。事業フェーズが変わるごとに、力点を変えていくのが重要。

とのお話しでした。

実際にカオナビさんでは、2年前からお客様同士が「ノウハウの共有」をする場を積極的に開催しています。司令塔自体も、ISからCSにバトンを移したということですね。

また、カオナビさんの事業成長フェーズで、もうひとつ重視していたこと。それは「ターゲティング」でした。

「記事に含められなかったものの、ぜひお伝えしたい!」という私の想いで、こちらもご紹介します。
(※ 以下のコメント部分は、取材音源の書き起こしから、一部抜粋して編集しています。)

2015年からの事業成長フェーズでは、ターゲットを100人〜3,000人規模の企業に定めていました。巨大なエンタープライズは受注スパンが長くなったり、自社の体制がそれに対応しきれないと考えたのと、小規模な企業は顔と名前を一致させたいというニーズが少ないだろうと判断したためです。

もし、売り上げインパクトを重視してエンタープライズにばかり売っていたとしたら、各社の要望ごとに機能開発をして、プロダクトとしてもガチャガチャになっていただろうなと思います。

僕は「そのとき売れれば何でも良い」というマーケティングやプロダクト戦略は、おそらく破綻すると思っていて。長期的にどういうステップで提供することが、自社にとってストラテジックであるかについては、信念を持って曲げないことが重要ですね。

その後はサービスの認知度が向上したことで、エンタープライズからも自然と問い合わせが入るようになりました。僕たちが対応できないような要望はなくなり、企業規模を問わずニーズとプロダクトの合致度合いが共通化してきたなと感じます。

こういう状態になれば、そこには確実に提供できる介在価値が存在しているので、エンタープライズにも一気に舵を切るという判断をしました。

いかがでしょうか? なるほどなぁ、売上重視で突き進むとプロダクトの形も変わっていくだろうなと、自社のSaaS事業についても思いを巡らせながら、伺っていました。

今回の取材後記では、お伺いした事例のすべてには触れられていないので、ぜひ記事にてご覧いただければと思います!
創業当時のお話も、とっても生っぽく語ってくださっています^^

記事はこちら👉 インサイドセールスが司令塔。8年で約1,800社が導入したカオナビのマーケティング戦略

3.さいごに

ここでは本来は編集者の所感を書くのですが、撮影時に「組織づくり」についても伺ったので、今回はこのスペースを使ってお伝えしちゃいます👍

・SaaSのサービス作りは組織づくりと一緒。「どういう価値観の人を集めると、どんなサービスになるか」は自ずと決まってくる。

会社のステージごとに、社員と会社の「握手の仕方」は変わる。会社としてどの方向性で進むのか、何に力を入れるのかを発信して、社員は自分の価値観やスキル・マインドがそれに合うのかを見極める。
経営側はちゃんと社員と握手するけれども、それは一方的なものではなくて、相互選択するというスタンスが大事。

会社や個々人のステージが変わったら、自分の居場所を立ち返るのが必要。僕としては、全員が個人事業主となっているのが理想で、会社としても兼業を推奨している。

とのことでした。印象的な表現で、私自身も参考になる言葉ばかり!たくさん気付きをいただきました。

はい!というわけで、ボリュームたっぷりになったので、今回はこの辺で終わりにします。ぜひ、記事本編もご覧ください^^

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