見出し画像

【取材後記】LIFULLさんに「100の子会社を生むSWITCH制度」について伺いました。

みなさま、こんにちは! ビジネスメディア SELECK編集部の榎本(@enomon_s)です。

雪国育ちの私には、いよいよ暑さがつらい季節になってきました💦 保育園の送り迎えでマスクの中が大変なことになるので、冷感マスクがほしいところ。おすすめグッズがあれば、ぜひ教えてください^^

さて、昨日は編集長の山本が「SELECKの取材基準」についてのnoteを公開しました!

日頃、いろいろな企業様が取材ネタを送ってくださるのですが、SELECKの取材基準をきちんと伝えられておらず、それに合致する事例はあまり多くないのが現状です。(せっかくのご提案も、ご期待に添えないこともあってすみません…!)

でも「読者の皆さまに価値ある情報を届けたい!」という一心で、こだわってメディアを作っているので、とても大切にしている基準だったりします。特に広報の方にご覧いただけると嬉しいです^^

------

では!今回も「取材の裏側」をお伝えしていきましょう。本日のSELECK新着記事は、LIFULLさんの新規事業提案制度「SWITCH」についてです👏👏

早速、取材の背景からお伝えしていきます!

1.取材の背景


LIFULLさんと言えば、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」が有名ですが、その他にも花の定期便サービス、子育てママの就労支援事業など、様々な事業を展開されています。

数々の新規事業をどのように創出されているのかな?と情報を集めていたところ、「LIFULL 100 PROJECT」という記事を拝見💡

そこには、下記のことが書いてありました。

・2025年までに子会社100社を生み出すことを目指した「LIFULL 100 PROJECT」を始動させたこと

・LIFULL 100 PROJECTでは、あえて事業化ではなく「子会化」しているのが重要なポイントであること

・子会社を立ち上げる際の資本金の出資のみ行うものの、子会社にすべての裁量権を与えて、事業だけでなく人事制度や採用・育成、税金やオフィス家賃の支払い等、すべての業務を子会社が行う環境にしていること(まさに、一般的な起業と同じ)

・子会社100社を生み出すために、新規事業提案制度「SWITCH」の活用が鍵になっていること

このSWITCH制度に着目して、取材させていただいたのが今回の記事です✨いわゆる、社内のビジネスコンテストですね。

私も前職では新規事業を提案するコンテストが年に1、2回開催されていましたが、審査員には著名人も来ていて「選ばれし者が出る特別なイベント」のような感じでした。(恥ずかしながら、ポスターを見て今年もやってるなと遠巻きに見るだけだった)

でも、LIFULLさんのSWITCH制度は、内定者時代から参加している人も多く、その制度に惹かれて入社する人も増えているとのこと。

いかに参加ハードルを下げて、「より多くの新しい事業の種を見つける」のか。そして種を見つけるだけではなく、「子会社化まで最短1年でどのように経営者を育成しているのか」が、読者の皆さまに参考になるのではないかと思い、取材させていただきました。

2.事例のポイント

LIFULLさんのSWITCH制度は、2006年からスタートして長い歴史がありました。ただ、2017年時点での応募者は全体の2割程度だったので、応募者の幅を広げてエントリー数を増やすことと、事業アイデアの質を高めることが課題だったそうです。

新規事業のビジネスコンテストをされている企業では、どちらも“あるある”ではないでしょうか。

この2つの課題をクリアするため、SWITCH委員会のメンバーが「数」にフォーカスし、子会社社長やマーケターなど、各分野のエキスパートであるアクセラレーターが「質」の課題にフォーカスされています。

具体的にどのような取り組みをされたのかや、「SWITCH」の制度内容については記事に詳しく記載しましたので、そちらをご覧いただければと思います。(記事はこちら

------

LIFULLさんの特徴は、最短1年〜1年半ほどで子会社化をしていることにあるので、今回の取材後記では「経営者をどのように育成しているのか」について、クローズアップしてお伝えしていきます🙌

まず前提として「70:20:10の法則」に則って、SWITCH受賞者の育成プログラムを組んでいるそうです。

これは、経験70%、薫陶20%、研修10%の割合で、経営者のスキルとマインドを育成するということです。
※薫陶(くんとう)=すぐれた人格で感化し、立派な人間を育て上げること

SWITCH制度や新規事業の責任者を担っているインタビュイーの今村さんは、このようにおっしゃっていました。
(※以下のコメントは、取材音源の書き起こしから、一部抜粋して編集しています)

事業責任者になってくると、実践・経験に紐付いて知識が適応できるかが重要になるので、全体としてその実践の部分を重視しています。

研修10%については、営業が得意なメンバーもいれば、マーケが得意なメンバーもいて、人によって経験やバックボーンが違うので、財務経理なども含めて座学やオンライン講座を幅広く用意しています。

また子会社化までは、各分野のプロフェッショナルである「アクセラレーター」が育成をサポートしますが、その事業フェーズによって注力ポイントが変わってくるので、その時々で適切なアクセラレーターをアサインしています。

例えば、後半になってくると、マーケに強いアクセラレーターをアサインするような形です。

この経験70%については、フィジビリ期間を設けて、顧客が本当に存在するかと事業の実現性、実際に何件受注できるかなどを検証されているそうです。

取材では、入社2年目にしてSWITCH制度で受賞されて、現在「Clean Smoothie」の事業責任者を務める原田さんにも経験談を伺いました。

※農家の生産ロスの解決を掲げる「Clean Smoothie」は、美味しくても廃棄せざるを得ない規格外野菜や果物を、新鮮なスムージーにしてオフィスに届けるという、法人向けの福利厚生サービスです🍅

私が実際に農家さんに足を運ぶと、色々と課題も見えてきました。

例えば、規格外野菜は作ろうと思って作っているものではないので、どのくらいの量が出るのかが事前には読めません。

農家さんがそれを買い取ってもらうには、出荷先に事前に「何トン卸します」というような契約をしないといけないんですが、もし規格外野菜が足りなくなった場合は、正規品も卸さないといけなかったりします。

当然、私がサービスを展開するにあたっても、どの種類の規格外野菜・果物がどのくらいの量で出るかが読めない部分があるので、毎月スムージーのメニューを変えることでクリアしています。

原田さんは、実際に現場に足を運ぶことで見えてきた課題をクリアしながら、子会社化に向けてステップを進めているフェーズとのことです✨

大変だったことも伺うと…

やっぱり事業を本気でできるのかどうかを検証するのに、本業との両立が大変だったなと思います。

本業として県をまたいだ営業活動をしながらも、農家さんのところに行ったり、購買者さんのルートを探さなきゃ、他にもあれもこれも…とやりたいことや、やらなければいけないことに溢れていて。

その点がすごく大変でしたが、「20%の時間を使って事業を推進できますよ」という枠組みになったことで、前より堂々とできて、動きやすくなりました。

とのことでした。
他社さんでも、受賞後に本業との両立に悩む方も多いのではと思いますが、20%の業務時間を新規事業に充てられる仕組みと、幅広いオンライン講座を用意してすきま時間でも学べるようにして、会社としてサポートしているそうです。

今回の取材では、

・SWITCH制度の仕組み
・「お祭り」ではなく、カジュアルな場にして応募を増やす工夫
・4つの評価基準
・全社施策と連携し、アイデアの埋没を防ぐ手法

なども伺いましたので、ぜひ記事にてご覧いただければと思います!

記事はこちら👉 最短1年で子会社化。100人の経営者を生み出す、LIFULLの事業提案制度とは

3.さいごに

LIFULLさんが掲げる「2025年までに子会社100社」の全社方針ですが、その根底にあるのは、より多くの社会課題を解決したいという思想です。

その実現に向けて、直近では社外向けの「OPEN SWITCH」を立ち上げられています。SDGsの目標に紐づくテーマなら誰でも応募ができるので、学生さんの応募や、大学・行政との取り組みも増えているとのこと。

すでに、グループ全体で子会社が40社以上、世界63ヵ国で事業を展開されているそうで、これからの発展がとっても楽しみになる取材でした!

私が印象的だったのは、「社内には事業化・子会社化フェーズで頑張っている仲間がたくさんいます。」という原田さんのお言葉。

SWITCHがいち制度ではなく、会社全体のカルチャーにもなっているんだろうなと感じました✨

はい!ということで、今回はこの辺で終わりにしようと思います!ぜひ、記事本編もご覧ください^^


SELECK編集部のnoteでは、引き続き様々なコンテンツを出していきますので、「SELECK編集部マガジン」をフォローいただけたら嬉しいです🤲

では、また次回の記事もお楽しみにー!

▼SELECK公式SNSもよろしければフォローお願いします🙏

Twitter   :https://twitter.com/SeleckOfficial
Facebook :https://www.facebook.com/seleck0525/
Instagram :https://www.instagram.com/seleck_official/
LINE     :https://line.me/R/ti/p/%40500jpnog

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?