生態系を守るんだ(笑)

エコとエゴ

人間の文明の発達に伴い、地球の資源は消費され、森林面積は減少を続け、有害物質が空気中や水中に拡散した。それらの影響はそれまでにそこに存在した生態系に多大なるダメージを与えた。度重なる環境破壊によって住処を追われる生き物、人の手によって持ち込まれた外来生物に淘汰される固有種、乱獲によって残り数頭にまで減少した大型の生物など、様々な生き物がこの世界から姿を消した。それに気づいた人間たちはそれを由々しき事態として捉え、自分たちの行動によってこれ以上他の生物を脅かすことがないように、といわゆる「エコ」とか「環境保全活動」といった活動をするようになった。
と、ここまで聞けば人間たちはいい人、とまでは行かずとも自分たちの過ちに気づけた者、としてそれなりに褒められたことをしているように思える。しかし本当にそれでいいのか。もっと考えてみようと思う。

そもそも人間が他の生物を守る理由はなんだろうか。
「地球は人間だけのものでは無い」「地球の豊かな自然環境の一部だから」などがあげられるだろうか。これはまあ正しいと言える。ただし、それは全て人間が主観で言っているだけでただのエゴでしかない。人間が活動をすればそれに適応した生物が生き残り、活動をやめればその後の環境に適応した生物が生き残るだけである。あくまでも簡単な例えだけど、家があれば軒下にツバメが、なければ地面にモグラが、暖かくなれば毛の短い生き物が、寒くなれば毛の長い生き物が増えていくだけで、人間がどうこうしたせいで生態系を「壊した」っていうのは違うと思われる。言うなれば「変えた」が正しい。いいことでも悪いことでもなく人間の活動によって環境が変わっただけ。

恐竜絶滅の原因はまだ定かではないが、それと同じだと思えばいい。文明も一種の自然現象のひとつでしかない。文明によって滅びる種も文明によって栄える種もどちらも存在する。人間と自然を分けて考えているから、人間が自然を壊しているという認識になっているけれど、人間も自然の一部であることを忘れてはならない。人の乱獲によって滅びた生き物は人間によって淘汰されただけ。人間もいつかは亡び、その後にまた何かが栄えているだろう。環境に適応できないものは亡びて、適応できたものや耐え忍んだものが生き残る。そこには自然の摂理が働いているだけで、変化した環境にはなんの罪もない。

未来のために環境を整えようとすることは悪いことではない。そうしないと自分たちが滅んでしまうから。でもそれは自分たちのためでしかなく、決して他の生き物たちのためではない。人間は偉くない。他の生き物に気を使うほど高スペックでもない。他の生き物も、気を使われるほど軟弱ではない。それでも助けるだとか言うのであれば、「それはただのエゴなんだよ」とだけ助言しておこうと思う。

※環境破壊や乱獲、密輸を推奨するものではありません

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