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手中の魔法

ライターを買ってよかったのは、すきなときにすきなだけ炎を眺められるようになったこと。
私の初煙草体験は散々だったけど(noteのリンクを貼るつもりが調べても分からなかったので割愛)、ライターを買う口実にはなった。別に今までだってライターだけ買ったって良かったのだが、こんなにいいものだとは知らなかったし、なんだか気が引けてついこの間まで手に取ることは無かった。

ぽっと火が灯って、手を離せばたちまち消える。
手品をしているみたいでわくわくする。

部屋に備え付けのIHヒーターといえば聞こえはいいが、ボロっちいコンロではこんなに心が踊らない。
日常生活の中で、炎を眺める機会がそうそうあるだろうか。
焼肉屋さんとか、そういうお仕事の人なら見飽きるほどなのだろうが、私はそうじゃない。
だから炎は非日常だ。
一歩間違えれば何もかも燃やしてしまうのに、どうしてこうも心惹かれるのだろう。

私は今日も、手持ち無沙汰にライターを弄ぶ。

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