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専門知の値段

 モノに値段をつけるというのは、結構難しい。

 大学生の頃、学園祭でうどん屋をやったことがある。近所のスーパーでうどんや材料を仕入れてきて、うどんを作って売る。値段は明快。原価プラスアルファ。原価を割ることはないけど、学園祭なので儲けは度外視。それでも薄利多売で6万円くらい儲かった。

 こういうのはいいのだけれど、難しいのは「専門知」の値段決めだ。

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このマガジンでは、“めずらし医“である病理医の中でもレア中のレアなフリーランスの病理医からみた病理診断、医学界の話、研究者になることに挫折し学士編入学を経て医師になった者から見たキャリアの話、そして「科学ジャーナリスト賞」受賞者の視点から見た科学技術政策の話の3つの内容を中心に綴っていきます。

フリーランスの病理医兼科学ジャーナリストである榎木英介が、病理、医療業界や博士号取得者のキャリアパス、科学技術と社会に関する「機微」な話題…

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