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未来の医療その2 バラ色ばかりではない未来

 未来の医療についてあれこれ書いている。

 臓器再生ができる、ゲノム編集で病気が治る…。いろいろな可能性は、病気に苦しむ患者さんに朗報だと思う。

 思えば私も、研究を医学に役立てたいという思いもあって医学部に入り直した。挫折はしたが、新しい医療をどんどん取り入れ、より良い医療を提供したいという思いは変わらない。

 だから遠隔病理診断もAIも、取り入れられるならどんどん取り入れようと思っている。フリーランスになったのは、そうしたテクノロジーが使えるのなら、有無を言わさず飛びつかざるを得ない末端ユーザーの立場に身を置きたかったからでもある。

 とはいえ、バラ色の未来ばかりではないのが事実だ。だいたい医療者などの新技術、新治療の発表は、こんなに貢献できますよ、良くなりますよ、と話を盛っているのが常だ。

 フリーランスで何のしがらみもない私だから、忖度なく言えることがある。そこら辺を書いてみたい。

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1,714字
このマガジンでは、“めずらし医“である病理医の中でもレア中のレアなフリーランスの病理医からみた病理診断、医学界の話、研究者になることに挫折し学士編入学を経て医師になった者から見たキャリアの話、そして「科学ジャーナリスト賞」受賞者の視点から見た科学技術政策の話の3つの内容を中心に綴っていきます。

フリーランスの病理医兼科学ジャーナリストである榎木英介が、病理、医療業界や博士号取得者のキャリアパス、科学技術と社会に関する「機微」な話題…

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