キャリアブレイク日記 #0 - 2024/5/16

9年ちょっと勤めた会社を卒業する。

有休消化の関係で今日を最終出社日にしたけれど、引き継ぎや所属グループでの送り出しなどは昨日で完結した感。何をしようかなぁと思いながら過ごす時間はなんだか間抜けだった。

昼休み、隣に座る後輩の女の子とおしゃべり。
「こうやってお昼に塩冶さんと話すのが当たり前だったので、寂しいです」と言ってくれた。

午後一番で人事との面談。退職者に対して必ず実施しているものらしい。

その人はずっと私のことを「えんやさん」と呼んでいた。ここで名前を間違えられるのおもろいなーと思いながら、最後まで「えんやさん」として振る舞った。

数人から「今日で最後ですよね」とメッセージが届く。寂しい気持ちと、「でもまた会える」という気持ちでやり取り。会社を離れてもつながるご縁は必ずあると思う。会いたい人には会いたいって言えばいいしね。

14時。最後の1on1。お互い社歴が長いこともあり、理念やマネジメントの話で結構深いところまで。このまま飲み会に突入できたらいいのにと思いつつ、1時間ほどで切り上げる。

「正論は言わないようにしている」という彼の言葉が印象的だった。

16時。目の前に座る同僚と「ちょっと散歩しようぜ」ということに。スタバで飲み物を買い、公園の中を歩く。

風に緑がわさわさ揺れる中を歩くのは気持ちいい。「年を重ねるとだんだん自然に触れたくなるよね」なんて話をした。オフィスに戻ると、身体がきゅっとかたくなった。

17時。後輩たちが声をかけにきてくれて、みんなで輪になっておしゃべり。この部署にいたのはたった1年だったけど、若い子たちと仲良くなれたのは嬉しかったなあ。

おしゃべり中に届いていた先輩からのメッセージには「キャリアブレイクも大事だよね」と書かれていて、そのワードが出てくる先輩はさすがだなーと思った。慌てて返事を書き、PCを閉じる。18時までにすべての備品を返却しなければならない。

オフィスを出るとき、後輩たちが見送ってくれた。明るいエントランスに並ぶ4人。私は「ばいばい」と手を振って、少し暗い廊下を歩いていく。

最後に振り返ると、まだ彼らはそこにいた。見えなくなるギリギリまで手を振り、エレベーターに乗り込む。私は今日のこの景色を忘れないだろう。


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