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何役かすぐ聞きたがる女とは。

自分はカミングアウトするときは、一応は相手を選んでしかるべきタイミングでしている。
しかし、相手が女性でオープンな雰囲気の場合だったら、まだ知り合って日が浅くても「この人なら多分、ま、いいか」な軽いノリで言ってしまうことがたまにある。
そうするとかなりの確率で受ける定番の質問がある。しかも毎回同じ表現で。

その質問とは、
「ねえねえ、きいていい?男役?女役?どっち」である。

しかしこの「役」ってなんなんだろ。
その前に、これをきいてどうしたいのだろう。
で、とりあえず
「役とか何もないよ。男役でも女役でもないし。ただの男。ゲイは別に性転換したくないし。逆に、ヒゲの植毛してラウンド髭にしたり、もっと男らしく筋肉肥大したい願望があったりはするけど。てか役って、セックスの事言ってるの?それも人それぞれで特に役とかない。ちなみに女装も興味ないし、男が好きイコール全員性転換するとおもってるのであれば、それは誤解。それはゲイとは別の方々。」
などと、仕方なくやや長めに回答すると、大概
「ごめん」という。
別に謝ってほしいわけではなく、回避策としてやや長めに回答してるだけ。
ほんとにこの質問は多い。
この質問がいやで、カミングアウトしたくないってすら感じる。
だだ単にめんどくさい。

先日ゲイの集まりで野外のイベントに行ったとき、そのイベンターの方々がヘテロセクシャルの男女で。
その夫婦らしきイベンター二人が、そのイベントに来ていたゲイカップルにすかさず
「二人はどっちが彼女でどっちが彼氏なの?」
と質問してた。
それを見てザワザワっとしつつ、このゲイカップルがどのように回答するのかなと見ていたら
「どっちも彼氏ですよ〜。彼の彼氏が僕で、僕の彼氏が彼。彼女とかないですよ。二人とも男ですからね。男として男が好きなんですよ〜。」
と丁寧にソツなく笑顔でこたえていた。

どんな状況であってもこの

「男役?女役?」

もしくは

「どっちが彼氏でどっちが彼女?」

という質問の洗礼への心構え。

そのような同じ質問をまた受けることのないように、可能なかぎりその手の人を事前に察知し、回避しながら、何役かわからないけど日々演じていかなくては。

本日の映画:「Wの悲劇」1984年 
疲れた時は、三田佳子の劇中のこのセリフをいまいちど噛み締めて。

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