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「隔世の感」

2022年 3月15日のブログ

 CMS Records web site  http://cms-records.biz


このブログはCMSレコード HP のブログ http://soboro.sblo.jp/ 「そぼろ」by CMSレコードエンジニア 小宮山英一郎 から、転載しています。


 今日は夕方から外へ出て、アルバムのミックスを確認しながらの散歩兼、買い物に出かけました。昼間の最高気温は24℃、湿度も割と高めでしたので、少し汗ばむ陽気でしたが、ミックスを確認するヘッドフォンは、いつも使っているものではなく、大型の録音の時のモニターに使っていたものをして、外出しました。

 汗ばむほどの陽気ですから、耳をスッポリ覆うヘッドフォンは、少し暑かったのですが、マスタリングのスケジュールがなかなか入らなくて、音源完成の目処が立たない時間を利用して、音源の最後のチェックをしようと言うことで、大きなヘッドフォンを頭に乗せて、かなりの距離歩きました。

 しかしそれにしても、ああやって長距離を周りの音を遮断する密閉型のヘッドフォンをして歩いていると、大昔の真冬に当時の最新機種であったカセットのウオークマンをして、都心の街を歩きながら音楽を聴いていたことを思い出します。

 当時私が使っていたのは、ドルビー対応、オートリバースで、ロジックコントロールの操作ボタンを装備した、当時としてはかなり重装備のものでした。

 CD嫌いの私が、カセットのハイポジションのテープに質の高いカートリッジと性能の良いダイレクトドライブで再生した、お気に入りのLPレコードを、カセットデッキで録音して、そのウオークマンに入れて通学時に聴いていました。

 その再生音は当時としては先進的で、ノイズもかなり少なく、そして回転ムラも他の安価な機器に比べると、ずいぶん少なかったと記憶しています。

 しかし、それを聴いていたヘッドフォンはウオークマン付属のものでしたし、周りの音もずいぶん漏れてくる貧弱なものでした。

 時代は移り変わって、現代はデジタルの時代。スマートフォンには多くの人は音楽をmp.3など圧縮したフォーマットで入れて聴いていますが、実はスマートフォンの性能は素晴らしく、圧縮していない音声ファイルを入れて、イヤホンなどではなく、質の良いヘッドフォンで聴けば、大方のオーディオより質の良い音質で音楽を再生することができます。


 あの一見貧弱に見えるスマートフォンの薄っぺらい筐体にはパソコンやビデオ、音楽再生プレーヤーとしての役割を果たす緻密な機器が内包されており、「ポータブル=簡易的=性能が中途半端」と言う固定概念を打ち破る、驚異的な性能を持っています。


 時代は確実におかしな方向に向かっており、憂慮すべき状況ではありますが、オーディオ再生の上では、一昔前とは全く違う高音質、超小型機器が、私たちの身近な生活の中に普通に入り込んできています。

 スマートフォンは決して安い代物ではありませんが、型落ちを中古で購入すれば、CDプレーヤーで言えば、100万円以上の機器と変わらないか、それ以上の再生音を、高音質のヘッドフォンを使うことでことで安価(数万円)に聞くことが出来ます。


 ポータブルで音楽を屋外である程度良い音で聞くことが、ありがたかった、ウオークマンの時代とは全く違う、スタジオレベルの再生音を、どこでも聴けて、しかもその機器は大昔のウオークマンとは比べ物にならないほどの小ささと、高機能であると言うことは、もうすっかりそのことに慣れてしまっている人たちはそうは思っていないでしょうが、私にとっては、その事実を改めて考えると、隔世の感があります。自分で入れ込んだCDなどの音源だけでなく、配信のアプリを使えば、膨大な数の音源に、いつでもどこでもアクセスできます。

 ショルダーバックにカセットを何個か入れて、持ち歩いていた時代が嘘のような、夢のような環境が現代では揃っているのです。

 先日スマートフォンのライトニング端子から、デジタル信号を映像用の規格であるHDMIに変換した後、光デジタル変換ボックスを経由して安価なUSB-DACに接続して音を聞いてみましたが、驚くべきことに、据え置き型のパソコンのヘッドフォン端子兼、光デジタル出力から信号を取り出すより、はるかに高音質であると言うことがわかりました。

 スマートフォンもパソコンも、同じA社のものなのですが、スマートフォンの方が音質が良いと言うのは、若干予想をしていたものの、やはりかなり驚きました。変換コードや変換ボックスの経費は純正品なら7〜8000円かかりますが、音質の良さを考えれば、少しも高いとは思わないほど、音質は良かったのです。

 現代においては、よほどの変わり者で、お金が沢山余っている物好きな人でもない限り、従来の大きくて、低性能のオーディオセットは全く必要ない時代になっていると言うことは間違いなく言えると思います。

 そんなことを考えながら、夕方の沖縄の街を、自分で録音、そしてミキシングした音源を聴きながら考えていました。そして現代の環境に追随して良い音の音源を仕上げることが、エンジニアの大切な使命であると、改めて自認しました。


CMS レコード主宰 細川正彦の演奏情報 

2022年 3月12日土曜日

小島のり子 fl 細川正彦 p Duo (終了)Blanc de Blanc
〒900-0033 沖縄県那覇市久米2丁目19−1 tel 098 943 9955


トリオHTK 9thライヴ 

2022年 3月31日木曜日 at AZAT FANFARE 21:00~ 

那覇市 安里1-1-60 太永ビル3F https://fanfarefanfare.tumblr.com/

メンバー 細川正彦 p 高尾英樹 b 川原大輔 ds

九州ショートツアー

2022年 4月22日金曜日

熊本 おくら

細川正彦トリオ 田川遊人 b 木村良来 ds

〒860-0848 熊本県熊本市中央区南坪井町1−12 ‭096-325-9209‬


2022年 4月23日土曜日

佐賀 シネマテーク

辻 元重 gトリオ 田川遊人 b 細川正彦 p

〒840-0811 佐賀県佐賀市大財1丁目5−60 0952-28-6708

2022年 4月24日日曜日

福岡 New Combo

細川正彦トリオ 森しのぶ b 上村計一郎 ds

〒810-0004 福岡県福岡市中央区渡辺通5丁目1−22  092-712-7809



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