ステップを深掘りする#1【ズレるとは?】

ラグビーの試合を観ていると「ステップで抜けた!!」という場面を観る

僕はコーチングする時によく「物事には必ず理由がある」と言います

つまり

一言で「ステップで抜けた」と言っても

どんなステップを
どこに踏んで
どう走って
抜けたのか?

相手との距離は?
走るコースは?
抜く時の体の向きは?

など、抜けた理由が必ずある

そんな事を考えながら、SNSやYouTubeのステップ動画を何度も何度も観て分析しています

そんな日々の分析の結果を思いつくままに報告していくのが、この【ステップを深掘りする】シリーズ

「ステップ練習を考える」よりも、更に個人的主観が強くなるのでご了承くださいませ

最初のテーマは【ズラすとは?】

【ステップ練習を考える】シリーズの中でも考えた【ズラす】

要するに「体を大きく動かす事で相手を騙せるよね」という内容でしたが

そもそも、その【ズラす】っていうのは、相手がどんな状態になってる事なのか?というのをディフェンス側(ズラされた側)の目線から書いていきます

ズラされた
騙された
釣られた
置き去りにされた

色んな表現がありますね

この【ズラされた状態】というのは、大きく分けて二つあると考えてます

まず一つ目が【重心】がズラされる

「重心が崩れる」という表現が適切だとは思いますが、これは皆さんも思い浮かんだ答えだと思います

このプレーをご覧ください

完璧な【ズラし】と、完璧な【ズラされ】

「重心を崩された」のお手本のようなプレーをコマ送りで解説します

一目瞭然

①体の重さを両足で支えてるディフェンスは左右どちらに来られても対応出来ます

②ボールキャリアがステップを踏む

③ディフェンスはその大きなステップに騙されて右足に体重を思い切りかけてしまいました

人間は瞬間的に片足に体重をかけると逆への動きが遅くなり、更には一度重心が崩れた状態から逆へ動くと余計にバランスは悪くなります

実際にはディフェンスの左を抜けましたが、相手が③の後に右足でもう一度ステップを踏むとディフェンスは左に倒れて、右を抜かれていたでしょう

つまり、③の状態になった時点で勝負ありなのです

ボールキャリアからすると、このようにどちらかの足に体重をかけさせて【重心】をズラせば相手を抜く事が出来ます

これはまぁ、みんな何となくわかっていた事だと思います

それでは【ズラされた状態】の二つ目

まずは画像を見てください

あなたがボールキャリアだとして、自分の真正面にディフェンスが立っています

左右どちらかにステップで抜きたい場合、どちらに抜きに行きますか?

考えてみて、何となく答えが出たら

そのまま次の画像をご覧ください

同じく自分の真正面にディフェンスが立っていますが、見ての通り横を向いています

同じ質問をします

左右どちらかにステップで抜きたい場合、どちらに抜きに行きますか?

また考えて答えが出たら、引き続き解説を読んでください

①の画像で左右どちらかに抜くかという問いに対しては、ほとんどの人が「どちらか決められない」という答えだったと思います

しかし、②の画像だと、おそらくほぼ全員が背中側の「右」と答えるでしょう

では、その理由は何でしょうか?

②で左に行くとどうなるのでしょうか?

その答えに導く言葉

それが【ウィークショルダー】

この言葉を知っている人はもう理解出来たでしょう

【ウィークショルダー】とは、ざっくり言うと「タックルしにくい方の肩」と言う意味です

逆に「タックルしやすい肩」を【パワーショルダー】または【ヒットショルダー】と呼ぶ事にします

例えば先程の画像

ディフェンスの肩が自分と正対している(平行である)

この状態ではどちらもウィークショルダーでもパワーショルダーでも無い

自分が右に行けば相手の左肩でタックルにくるので左肩がパワーショルダーになり、その逆の右肩がウィークショルダーになる

だから、今の状態での力の割合で言えば、右肩5:5左肩

5:5だからどっちに抜こうかを決められないのです

では、次の画像をご覧ください

ボールキャリア右斜め前からディフェンスが向かってきている

これはラグビーでよく観るシーンです

ボールキャリアがライン際を抜けた後、フルバックなどが内側からのディフェンスがやってくるシーン

そこでボールキャリアが左にステップをして、相手の右側(内側)を抜いていく事が多い

本当によく観る

よく観るケースだけど「何故抜けるか」を考えている人は少ない

その理由が【肩】なのだと僕は考えている

【肩】が正対していない

つまり、自分に対して「斜め」になっている

この時点でディフェンスは右肩でタックルする気になっている

「右肩で照準を合わしている」という感じ

これを【パワーショルダー】と言う

なので、ボールキャリアがAの方向に進めば右肩でばっちりタックルされる

右肩が【パワーショルダー】になると、必然的に逆の左肩が【ウィークショルダー】となる

力の割合で言うと、右肩8:2左肩

勝手な数値化だけど、8のパワーの肩と2のパワーの肩なら、当たり前に2の肩、つまりBの方に進むべきである

このように、一言で【ズラす】と言っても

【重心】と【肩】の二つに分かれる事がわかる(後にまた増えるかも、、)

じゃあ、どうやって【ズラす】のか?というのを知りたくなると思うが、それは追々解説していく

今回のテーマは

【ズラす】を知って【見る】事が大事

ステップの上手い選手は本当にギリギリまでディフェンスを見ている

皆さんもステップを踏む時は、相手の【重心】や【肩】がどう動いているのかしっかりと見るように心掛けてください


★★ステップレッスンやってます★★

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