陸上部顧問さん

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最近の記事

ウォーミングアップとクールダウン―目的・目標を頭に入れる

 どの運動部でもウォーミングアップとクールダウンはあります。ウォーミングアップのことを「アップ」、クールダウンのことを「ダウン」と縮めて言うことが多いです。  ウォーミングアップの目的は「毎日の練習や競技会において、心を整え、身体をより動かすための準備をするため」です。  具体的な目標は… ① 筋肉を温めて、スピードやパワーの出力や持久性を高める ② 脳などの中枢神経を刺激して、反応を早くする ③ 心肺機能の働きを高めて、負荷の高い運動に備える ④ 筋肉を柔らか

    • 1日の中の練習メニューの組み立て方―時間との戦い

       部活動は時間との戦いです。放課後の練習は特に時間が限られています。早く準備して練習を始める。この意識をもたせることが大事です。しかも掃除などで部員が来る時間がバラバラになると思います。陸上部の部員はみんな優しいので、来るのが遅い部員に練習の開始を合わせようとします。ただし、それでは早く来る意味がなくなってしまいますよね。  じゃあ来た部員からどんどん練習を始めたらいいじゃないか、と思われるかもしれません。ところがどっこい、それも簡単にはいきません。さっと思いつくだけでも理

      • 1週間の練習メニューの組み立て方―月曜日と土曜日から考える

         陸上は野球やサッカーと違って、練習のバリエーションが多いように思います。僕は野球部でしたが、ウォーミングアップ→体操→動的ストレッチ→キャッチボール→ノック→バッティング→補強→クールダウンという順序がルーティン化していたように思います。いま思えば、そのルーティンの中で、意識するところを監督なりキャプテンが伝えていれば、もっと効果的な練習になったのかもしれません。  陸上部は毎日全く同じ練習をすることはほとんどないと思います。「特異性の原理」、「全面性の原則」に反している

        • 期分け「冬」(12-2月)―ケガをするな!練習を抜けるな!

           タイトルがネガティブですが冬期練習は「ケガをするな!練習を抜けるな!」―これに尽きるんです。マジで。    原理原則に従って毎日練習するじゃないですか。伸びますよ。強くなりますよ。普通。冬期を越えても強くならない、記録が伸びないのは、練習をしていないだけです。厳しいですが、これが事実です。  冬、寒いですよね。ウォーミングアップを入念にしてください。ストレッチ、特に動的ストレッチ(いわゆるドリル)を丁寧に時間をかけてやってください。冬は寒いから、夏より多くの本数を走り込め

        ウォーミングアップとクールダウン―目的・目標を頭に入れる

          期分け「秋」(9-11月)―試せる時期、そして駅伝

           9月10月も陸上部は大忙し。記録会、そして駅伝シーズンの開幕です!  4月同様、9月10月は記録会が毎週のようにあります。この時期の記録会はシーズンの総仕上げといったところでしょうか。なんせいろいろ試せます! 春夏とシーズンを戦ってきた種目で更にベストを狙うのもよし、思い切って新しい種目にチャレンジしてみる、そんな時期にしてもいいかもしれません。いずれにせよ、陸上が楽しい時期です。僕はこの時期が一番好きです。花粉もないし、暑すぎないし。選手ものびのびと記録会に臨んでいるよ

          期分け「秋」(9-11月)―試せる時期、そして駅伝

          期分け「夏」(7-8月)―新人大会!暑い夏に耐えろ!

           7月末からは新人大会(ユース)シーズンの開幕です。ブロック大会の9月まで続きます。新人大会は、総体に次いで大きな大会です。しかも総体と違って学年ごとに競うので、選手のモチベーションも高いです。顧問としては、自己ベストを出してほしい試合です。      7月は試合前なので、技術練習を中心に組んでいきましょう。新人大会で本人が納得できるパフォーマンスができるように、応援しましょう!  同時に7月に大事なのは、暑さに慣れさせるということ。土曜日はあえてお昼から練習にしたり、冬に

          期分け「夏」(7-8月)―新人大会!暑い夏に耐えろ!

          期分け「春」(4-6月)―総体で結果を出せ

           4月は記録会ばっかりです。この時期の練習は、記録会の目標や身体の動きを定めて練習、記録会を終えたら反省練習になる。かといって、各部員がバラバラにするわけじゃないよ? 個々の部員の「意識」がそこに向く時期ってこと。  記録会を大事にしてよ!4月はほぼ毎週あるけど!顧問も生徒も新年度で忙しいから、毎日を疎かにしがちな4月。けど、5月から始まる総体で結果を出すには、4月の記録会が命!マジで!   4月記録会の最後のゴールは、総体での、自分の目標をガッチリ設定すること。ライバル

          期分け「春」(4-6月)―総体で結果を出せ

          期分け「春」(3月)―寒いけど試合も近いよ

           4月を迎え、かわいい新入生が入ってくる。さあ、気持ちを新たに新年度をがんばろう!…なんて言っている時間はないです! 4月は記録会の目白押し、早いものは3月下旬におこなわれます。  4月の話をする前に3月の話をしとこうか。3月も春だしね。  高校の場合、3月は入試があって練習に穴があく時期。ただ、学校によっては期末考査も終わって、午前中だけの時間割になっているところもある。ってことは、午後からは部活動にフルで使える。ゴールデンタイムなんよね。  よっしゃ!期末考査も終わ

          期分け「春」(3月)―寒いけど試合も近いよ

          反復性の原則―繰り返しは大事。勉強と同じです

           練習はすぐに効果が出るもんじゃないです。一説によると、3か月以上は続けんと、効果が目に見えて表れてこんって。すごいよね。これは顧問というのもそうじゃけど、教員として身にしみるわー。授業でいろんな活動を取り入れて、生徒も俺も新しいことじゃけん何となく楽しいけど、力がついたか?って言われたらクエスチョンマーク、みたいな。  同じ練習ばっかりだと部員は飽きてくるけん、いろんな練習メニューを取り入れたい気持ちはわかるよ。いまの時代なんかインスタとかYoutubeとかに練習メニュー

          反復性の原則―繰り返しは大事。勉強と同じです

          個別性の原則―みんな違ってみんないい

           まったく同じ練習をしても、人によって表れる効果は違う。これを「個別性の原則」といいます。  そりゃそうよねー。速くなる人はどんどん速くなるし、いくら練習してもなかなか速くならん人もおる。俺も中学校で陸上しとったときは、全然足が速くならんかった。他の人はグングン伸びてくるのに。ただ俺はバネが伸びたけん。やっぱり人によって違うよ。伸びる伸びんわね。  ただ、伸びんけんこの練習はやめろっていうのは違うと思う。俺らは部活動としてやっとるわけであって、プロスポーツ集団じゃないけん

          個別性の原則―みんな違ってみんないい

          意識性の原則―なんでこの練習をしとるんかを知っとこう

           練習の効果を意識するのがめっちゃ大事。これを「意識性の原則」っていいます。  この練習でどこを鍛えとるんか、自分のパフォーマンスのどこにつながっとるんか。意識せにゃいけん。これは絶対! 俺も口酸っぱく言っとる。超強い学校だったら、顧問が言うことを部員が信じとるし、部員も精鋭部隊じゃけん練習の意味をわかっとる。顧問の言われるがままに練習しても強くなるわ。  けど、ほとんどの学校は陸上で進学したわけじゃないし、この春から初めて陸上を始める生徒もおるじゃろう。そんな場合は、顧

          意識性の原則―なんでこの練習をしとるんかを知っとこう

          全面性(ぜんめんせい)の原則―好きな練習だけじゃダメよ

          「特異性の原理」は、負荷のかかった部位だけが強くなることだったよね。  今回の「全面性の原則」は、「特異性の原理」があるんじゃけん、いろんな練習をやろうぜってこと。好きな練習ばっかりやっても、なかなか強くならんってこと。野球でバッティングばっかり練習しとって、試合で勝てるか?勝てんじゃろ?それと似たようなもんよ。  陸上でいえば、基礎的な筋トレやスタミナをつける走り込みをサボって、専門的な技術練習ばっかりする人が多いよね。これはなかなか強くならん。筋肉やスタミナがあってこ

          全面性(ぜんめんせい)の原則―好きな練習だけじゃダメよ

          漸進性(ぜんしんせい)の原則ー耐えて勝つ

           漸進(ぜんしん)とは、少しずつ進むってこと。  希望がもてるよね。最初は「こんなん無理!」って思っとっても、ビビらずにやっていくうちにラクになってくるんじゃけん。  練習メニューを見て、今日はこれがキツいけん抜けようって思っとったら、絶対そのメニューをやり切れるようにはならんってことなんよ。残酷やけどほんまの話。  「過負荷の原理」のところでも書いたけど、キツい練習せんと強くならんのんよ。落ちるか、よくても現状維持よ。  じゃけん、ぱっと見キツくても、まずはやってみ

          漸進性(ぜんしんせい)の原則ー耐えて勝つ

          特異性(とくいせい)の原理ー同じ練習ばっかではダメです

           負荷のかかった部位だけが強くなる。これを特異性(とくいせい)の原理っていいます。  毎日腕立て伏せばっかりしとったら、脚が速くなるか?ならんじゃろ?じゃけん、同じ練習ばっかしとったら、その練習で負荷がかかる部分しか強くならんってこと。じゃけん陸上部は毎日練習メニューが違うことがほとんどなんよね。  そりゃそうじゃん。毎日違うメニューしたほうが気分も少しはリフレッシュされるし、「超回復」の考え方からも合理的じゃしね。いろんな練習をやると、いろんなところが鍛えられるけん、バ

          特異性(とくいせい)の原理ー同じ練習ばっかではダメです

          可逆性(かぎゃくせい)の原理ー身体は正直なんです

           いくら練習しても、練習せんくなったら、体力はもとに戻るんよ。ってことは弱くなるんよ。これを可逆性(かぎゃくせい)の原理っていう。特に高1なりたての女の子によく見られるかな。発達段階的にもそうじゃし、高校受験の勉強をしよって全然練習せんかったら、本人もビビるぐらい実力が落ちる。  残酷じゃけど、事実なんよね。今なんかは、誰もが部活もまともにできん状況じゃけん、練習やってない人はガチで体力が落ちる。そうなったら、ビックリするぐらい記録が出ない。しかも、取り戻すにはかなり時間が

          可逆性(かぎゃくせい)の原理ー身体は正直なんです

          過負荷(かふか)の原理―キツいけどケガしない練習をしんさいよ!

           「練習ってなんのためにしとるん?」って思うことあるよね。超簡単にいうと、練習は身体を疲れさせるためにやっとるんよ。  練習して身体を休めると、「次は前の練習と同じぐらいやってもバテねえ!」ってなって、身体が強くなる。これを「超回復」っていう。超重要じゃけん覚えてね。  強くなろうと思ったら、ガチで練習する→休む→ガチで練習する。これを繰り返せばいいんよ。休めるのは、48-72時間ぐらいがいいらしいよ。    じゃあ、なんで毎日部活しとるん?って思うよね。48-72時間ぐ

          過負荷(かふか)の原理―キツいけどケガしない練習をしんさいよ!