~認知症の利用者~
介護の仕事をしていない人でも認知症に対する理解は深まってきていると思います。ただ介護職員や家族のコミュニケーションを見ても、「また同じこと言って・・・」「だから明日だって何回も言ってるでしょ!」とかイライラしたり、呆れたり、負の連鎖に入っている状況をよく目にします。
人手不足で忙しい中での介護職員の不適切な対応。日々仕事、家庭で疲れ介護もしているご家族の苦労や苛立ち。
それを分かった上で非常に不謹慎かもしれませんが、認知症を楽しんでください。イライラしてると対応やコミュニケーションは悪い方向に行くので、どうせなら楽しんでください。
●認知症の方は思いもしない事を言ったりします。
今日で19歳になった。東京に行って仕入しないと。明日友達の結婚式だから着物取りに行かないと。など様々あります。
80歳のおばあちゃんが19歳だなんて言うから大抵の人は「何言ってるの今80歳でしょ!」とか言うので、それで終わっちゃうんですよね。
認知症の人が19歳って言っている時は、その人にとっては今19歳。なので思いっきり乗っかりましょう。「え~見えないね。来年成人式じゃん。」「20歳になったらどんな事したい?」19歳と接する気持ちで会話すると、その人の19歳の頃の思い出が聞けたりしますし、恋をされる時もあります。笑
ただずっと19歳のままの訳ではありません。ふと元のおばあちゃんに戻ります。ただこの人は私を受け入れて会話してくれたって言う記憶は残ってたりするんですよね。
東京に行って仕入しないと。も同じで「今仕事してないでしょ。」とか言うと終わっちゃうんですよ。会話が。
どうやって東京に行き何を仕入るのか聞くと面白いですよ。Amazonがない時代超大変じゃん!って思いますよ。だから高齢者は物を大切にする人が多いのかも。
●何回も同じ質問されてイライラする!
何回も同じことを言ってイライラする。これが認知症オリコンチャート第1位じゃないでしょうか。
その人やその時の状況や内容によって、これが正解とは言えませんが試してほしい事があります。
例えば、「今日は何曜日だい?」と何度も聞く認知症の方であれば
まずは聞かれたとおりに聞かれた曜日を答えますよね?そしたら1分おきに曜日を聞いてきたりするんですよ。
そしたらね。「今日は水曜日だから日課の運動しましょうか。」とか言って勝手に日課作って運動一緒にすればいいんですよ。
それが定着して曜日聞くたびに運動、散歩とかするように習慣化されちゃえば健康にもいいし運動に志向がシフトされて曜日が気にならなくなったりします。上手くいけば。
とにかく楽しんで試してみてください。
運動ではなくても調理でもいいし、編み物でも、認知症の方が持っている出来る能力をフル活用できる方向にシフトすればいいんです。
もちろん上手くいかないこともあるので、どうして曜日を毎回聞くんだろう?という背景は考えて、実践してダメだったらコレならいけるんじゃないか!って次の手を楽しんで考えてください。
●最後に裏側のお話
通所介護や訪問介護、またはグループホームなどの施設に入居している様々な認知症利用者の方々がいます。
介護職員は介護のプロである自覚を持ち認知症に適した対人援助やコミュニケーション対応しなければいけないと思いますが、実際の介護現場では毎回100%の対人援助が出来ているとは言えないでしょう。私もそうです。
その背景には人員不足、ライフワークバランス、介護職員の知識不足、教育不足、色々なことが要因となっています。介護職員も人間なのでいい日もあればダメな日もあります。女性は生理もあるので生理痛が強い人もセルフコントロール大変だと思います。家族も同じですよね。色々な事と闘ってみんな日々生きてます。
何を言いたいかというと家族も介護職員も人間だということです。
その人間の中でも認知症利用者が苦手な職員・家族もいます。教育不足に含まれるかもしれませんが、認知症が苦手な人が実際いるんです。性格的なのか環境なのか分かりませんが、ダメなら離れてください。職員なら部署移動。移動できる部署がないのであれば別の介護事業所への転職もありだと思います。家族ならもう施設に入居。そうしないとお互い辛いだけですから。
施設入居を周りの目を気にしてためらう方もいますが、周りの目は気にしないで苦手なことは苦手!出来ない事は出来ない!はっきり言わないと自分の首が締まります。これは職員も一緒ですね。
実際に家族が認知症になると受け入れるのが時間がかかったりします。
こんな母じゃなかった。。。威厳のある父だった。。。
受け入れるまで離れればいいと思います。
実際、認知症に関わらず、介護を利用している全ての利用者に対して家族の力って物凄いんですよね。家族の協力も介護職員の援助もどっちも大切。
なので、まずは楽しむ。やってみてダメだったら離れる。これでいいと思います。
最後に
認知症の利用者で90%の確率で社会の窓、そう金チャックが開いている方がいました。
「〇〇さん金チャック空いてるよ。」って言ったら「おまえもな。」
ってマホカンタされたことがあります。
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