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プラントベースミート製品、232種類を調べて分かったこと

こんにちは、プラントベースフード研究家のMasaeです。今回は、プラントベースフードの中でも、”プラントベースミート製品”に特化して調べた内容をご紹介していきたいと思います。

プラントベースミート製品の特徴とは

プラントベースミート製品を調査し始めたのは、2021年はじめ。当初、困ったのは、まとまった情報リソースが少ないわりに情報がカオスな状態だったことです。そう思うのは、様々な製品が多種多様な形で世の中に出回っているから。まず、プラントベースフードというのは、乳製品や肉など動物性原料の代替として食されているものを示しており、ヴィーガンやベジタリアン向けの食事も含まれ、できるだけ植物性の原料を使った食事という曖昧なところがあります。いうなれば、野菜炒めだって野菜がメインであればその対象になるんです。ですが一つ、分かりやすいところでいうと、肉の代わりに大豆ミートが主な原材料として使用されている市販品が多いことです。そのため、これを起点とし、大豆ミート・大豆のお肉・ソイミート・お肉の代わりに〇〇をつかったというキーワードを元に製品を調査してみました。

前述したキーワードをWeb検索しては、近くのスーパー、自然派食品店、ヴィーガン専門店などをぐるりと回り、都内から網羅していきます。探したり食べたりと積み重ね、様々なジャンルで見つけた商品が集まってきたところで、ある程度の分類ができることが分かってきました。まず、温めてすぐ食べることができる大豆ミートを使った惣菜系、次に調理用の乾燥大豆ミート、続いて半調理された大豆ミートに材料を入れて調理する加熱用食材、そして、バーガーなどで使用される肉が大豆に置き換わった外食製品と、大きく4つの特徴があります。

なぜ、ファストフード、スパイス系、味のはっきりした製品が多いのか

プラントベースミートは、様々な呼び方があります。アメリカではビヨンドミート、インポッシブルフーズ、日本でもネクストミートというメーカーが存在します。フェイクミートという呼び名もありますが、ネガティブな“フェイク”(ニセモノ)というより次世代の呼び名に進化しています。そして、呼び名だけでなく、テクノロジーの進歩により味や食感も良くなってきています。良くなるというのが肉に近づいているという意味で使っているのですが、プラントベースで作るミートには、豆臭が課題としてあります。
肉好きであっても肉の満足感が得られるような製品がメーカーで開発され続けています。しかし、旨味、食感、風味がちょっと足りないなあと感じることも。特に豆臭という少し嫌悪感のある香りを感じると、正直言って食欲が進まなかったりもします。多くのプラントベースミートの製品が発売されててきているんですが、この臭いをマスキングするかのように、素材の味を活かす料理よりは、味がはっきりしたものや、スパイスを使うものが多い傾向にあるようです。

実際、どんなプラントベースミート製品があるの?*  

半年ほど調べて分析してみたところ、惣菜系の種類は、ハンバーグ風・カレーは15種、次いでミートボール風・ソーセージ・トマトソース系が約10種、ナゲット・ハム・焼肉風が数種類程度、その他、メンチカツ、中華まん、など、主に肉や豆腐メーカーから販売されています。食肉加工メーカーから発売された製品は、原材料に”卵白””チキンエキス“などが記され、動物性原料が使用されていることがほとんどです。食材として使用する乾燥品は、ミンチ系、スライス系、ブロック系が多く出回っており、それぞれ、形や食感が異なり、色も工夫した(肉に寄せた)製品もあります。半調理系の加熱用食材は、からあげ・麻婆豆腐の素・ガパオなど味付けされた製品や、醤油などで薄く味付けされた製品があります。外食製品では、バーガーが圧倒的に多く、次いでキーマカレー、サンド(タコス)が大手メーカーから製品化されています。ヴィーガン志向ではなくプラントベースの視点で探していくと、専門店以外にも数々の種類が身近に少しずつ発売されてきていることが分かってきました。             

おいしかったのはコレ!まだまだ進化し続けている

232種類調べて、私がおいしい・使いやすいと思った製品を各部門1つずつ紹介していきたいと思います。

●惣菜部門:大豆ミートのハンバーグ デミグラスソース
(販売:ニチレイ、製造:伊勢丸食品)                植物肉開発ベンチャー、DAIZ(熊本)が生み出した発芽大豆を使用した原料”ミラクルミート”が使用されているというのが大きな特徴である。バーグには卵白なども含まれるのでヴィーガン仕様でない。食品添加物が気になるところではあるが、大豆のおいしさが引き出されている。

惣菜部門

●乾燥品部門:国産大豆ミート
(オーサワ)
いくつか試作をしている中で、豆臭の下処理によって料理の味に影響する。オーサワの製品は、粒が大きく、下処理回数も少なくてよいため、調理の手間が少なくて済むのが良いところ。

乾燥品


●加熱用食材部門:揚げるだけ大豆ミートのから揚げ
(販売:グリーンカルチャー、製造:海王星)
からあげは、家でも作ったことがあったので(プラントベースで)だいたいの味が想像できいたつもりだったが、食べたときのジューシー感と味の染み具合が想像を超えてきた。しかも、無添加。この日は、久しぶりに鶏肉のから揚げ食べようと思ったが、コレだったらリアル肉でなくても満足。

加熱用食材部門

●外食部門:アボ照りバーガー
(KOMEDA is 東銀座店)
1200円(ポテト付き)もするバーガーとはどれ程のものかと思ったが、13㎝の大きさで手に乗りきらないバーガー、豆感は全く感じさせないパティは肉ではないのになんかおいしい。後味もしつこくない。この立地でこの値段、この満足感。食べる価値あり。

外食

プラントベースミート製品 232種類を調べて分かったこと

今回、プラントベースフードの中でも”ミート”に注目して、調べた内容をまとめてみました。多くの製品を試食・評価・分析して言えることは、市販品は味付けが濃い、販売場所が限られる、価格がやや高め、ということです。おいしい製品もご紹介しましたが、味のバリエーション、割高な通販や都内での限られた場所での購入を考えると、プラントベースを始める人、プラントベースを楽しんでいる人、多くの人にとって、生活の一部に取り入れるにはまだハードルが高いと感じます。
 
プラントベースミートを使った製品は、日々進化しており、まだ見つけられていない製品も多いです。そして、”ミート”だけではない代替品も続々と出てきています。これからも、幅広いプラントベースフードの世界を探求しつつ、独自の視点でご紹介していくのでご期待頂ければと思います!

*詳細な調査内容については、下記「クリエーターへのお問い合わせ」まで

By Masae Suzuki
1982年生まれ、愛媛県出身、管理栄養士・プラントベースフード研究家。小学校・病院・食品メーカー勤務・ガーナでの食育啓発活動を経て、現在はミャンマー給食事業など様々なフィールドで活動、週一農業生活、好きな食べ物は、枝豆。

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