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【コラム】ビーコルがお金持ちになる方法ってあるの?~2019-20決算解析~

 とうとうビーコルブースターにとって辛いアナウンスがありましたね。アキが群馬へ。。昨シーズン終盤のチームの雰囲気が良かっただけに、もしかしたら残留してくれるかも?と淡い期待を抱いておりましたが、残念ながらかないませんでした。私はBリーグになってからのビーコルブースターですので、エースの退団はまだ川村が抜けた際以来2度目です。すぐに立ち直れるほどの免疫はありません。

 で、ショックのあまりブースターの方々の反応をネットで観ているところ、反応は2種類かな、、と。愕然としている人たち、そして、お金がないから仕方がないとあきらめている人たち。私もいわゆる「さとり世代」の人間なので、お金ないし来季は諦めて再来年に期待しようかなという気持ちの切り替え方をしかけました。が、気づいたんです。毎シーズン同じように諦めてないか??ということに。Bリーグが開幕して5年。いつまでたってもお金がない状態が続いていないか?と。5年もあれば凄まじい成長を遂げる企業なんていくらでもあります。もちろん、市場規模や外部環境の変化など。その企業のみの力ではどうにもならない場合もあります。でも、Bリーグっていくらでもチャンスがある環境だと思うんです。では、どうやったらお金持ち球団になれるのか。本当に大企業に後ろ盾してもらうしか方法はないのか。というところでいろいろ考えてみました。


〇決算解析

 私、原価についてはド素人です。メーカーの生産管理部門で2年働いた程度の経験しかないので、解析といっても大したことはできません。が、何かの参考になれば幸いです。よく、Twitterでグラフとかにしている人がいるのでお恥ずかしいですが。。。

下記、リーグが公開している2019-20シーズンの決算資料です。B1平均の値をもとに、ビーコルの成績を確認したいと思います。ちなみに、主催試合当たりというのは各項目をビーコルホームで催行された試合数で割ったものです。このシーズンはコロナによる短縮シーズンでしたので、主催試合は19試合でした。

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■優秀な項目
・ユース・スクール関連収入
 この点は有名ですね。人口が多い横浜市に本拠地を構えているということもありますが、リーグ平均より8,500万円ほど多い収入を得ています。売り上げ利益率もリーグ平均35%に対してビーコルは47%あるので、めちゃくちゃ優秀です。

■改善すべき項目
・入場料収入
 入場料収入が670万円/1試合に対して、試合関連経費が870万円/1試合となっております。入場料収入で試合会場代すら補えていないという事実。。きっついですね。
 試合関連経費=ランニングコスト。つまり、主催試合をするごとに200万円を他収入から補う必要が出てしまうのです。他チームと比較して試合関連経費が特別高いという訳ではないので、厳しいことを言うと、現在のビーコルが5,000人の観客を呼べるアリーナを使って集客できるほど魅力的なコンテンツになっていないということだと思います。
 新B1加入へ向けて、平均4,000人の観客動員が一つのハードルになる見込みです。
 試合関連経費だけでも何とかチケット収入で賄うためには、チケット単価を500円値上げしてかつ毎試合4,000人集客できるコンテンツになる必要があります。
・物販収入
 この項目に関しては、ビーコル特有の事情があるようですが、他チームと比較して4,000万円弱のキャッシュが得られていないという点は大きく不利だと思います。売利ベースでも他チームが平均して1.800万円の利益が出ているのに対して、ビーコルは400万円程度とかなり寂しい数字です。ビーコルのグッズはセンスがいいので、ビーコルに利益が残る形になればなかなかのポテンシャルがあると思うのですが。
 

■第一目標:CSに出場するために必要なお金
 チームが強くなる要因がサラリーだけではないことは百も承知です。いい若手を揃えたり、優秀な戦術を取り入れたりすればそこそこ勝てます。ただし、それでは博打要素が強すぎですよね。スポーツチームが魅力的なコンテンツになる=一定の成績を収め続ける必要があると考えるのです。では、一定の成績とは。それが、CS出場です。CSに出場するにはいくら必要か。その基準をリーグの平均サラリーとしました。2019-20のリーグ平均のトップチーム運営経費は約4億円(某自動車メーカーが釣り上げているので中央値はもう少し低いかも)です。ビーコルの当該経費が2.5億円ですので、CS出場まで1.5億円投資が足りなかったという計算になります。では、1.5億円をいかにして稼ぐのか。これに関しては、チケット収入だけでどうこうできる額ではないですね。

ということで、いくつかアイデアを考えてみました。


■(他の要素を細々考えるのは面倒なので)売利ベースで1.5億円の利益を確保し、日本代表2名を抱えるチームになるためにするべきこと
①物販費がビーコルに落ちる形にする:目標利益+2,000万円
 これは必須です。リーグ平均と比べて毎年1,400万円損してる構造はどう考えてもおかしい(細かい事情は知りませんが)。イメージですが、あと、2,000万円は利益を上げるポテンシャルあるんじゃないのって思っています。スポンサーや株主の関係であるなら、もっとビーコルの経営に協力的な相手がいるはずです。 6/26追記:この点、過去に倒産しかけた時の工夫の名残りらしい。簡単には、在庫=資産だけど、在庫を持ちすぎるとキャッシュフローが悪化して経営には悪影響みたいな話と理解。キャッシュフローだけの話なら、支払サイトの工夫とかで何とかなるくない?B1のトップチームがグッズ売り切れないって発想なのは驚いた。bjリーグ時代からあまりにも変わった外部環境の中で、いつまでも過去に縛られてたら未来はないよね。。ガラパゴス制度。当時は当時、今は今で考えないと再び悲劇が起きるのでは?
②チケット単価+500円かつ平均観客動員数4,000人:目標利益+6,000万円
 改善項目で書いた件です。試合関連経費をチケット収入で賄えれば、その分人件費を増やすことが可能です。ハードルは中々高いですが、やり方はいろいろあると思います。例えば、ライトなファン層が多い2F席の単価は+100~200円程度に据え置き、高価格帯の席を1,000円くらい上げる。低価格帯の席の中で付加価値が付いたエリアを設けて、そこだけ価格を上げる(クジが付いている、B-ROSEが近くで待機している、椅子がフカフカ、ドリンク付きなどやり方は色々ある)。

③新規事業参入:目標利益+3,000万円     ユース・スクールのほかにもう一つ柱となる事業が欲しい。既存ビジネスとの親和性が高い範囲と考えると選択肢は狭いですが、何かないですかね。思いつくところだと、、、YouTube収益化、オンライン・バスケットボール教室、ビーコルロゴを使ったファッションブランドの展開とか?この部分、アイデア乏しいので何か思いついたことあればコメント欲しいです。

④試合関連経費C/D:C/D金額2,000万円
 これは、なかなか苦しいかな。ただ、富山とかこの部分がかなり安いんですよね。国際プールの体育館としてのパフォーマンスってそんなにいいとは思っていないので(暗転できないし、滑るし、階段だし)、個人的には現状払い過ぎだと思っています。
⑤リーグ配分金を確実にとりに行く:目標利益+2,000万円
 配分金は観客動員数やSNSのフォロワー数などに引っ張られるので、他施策の顕現が必要です。しかし、リーグ平均より金額が低いのは解せない。2019-20シーズンは川崎に支給されている約7,000万円が最高値でした。TOPの金額をくれとは言いません。が、6,000万くらい欲しいですよね。そのために人気つけましょう。。。リーグ拡大による配分金ベースアップも期待して、金額を設定しました。


最後まで読んで頂きありがとうございます。

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