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空気に化けたい天邪鬼。

散々濃い私だ。
初見は痛烈だろうし、傷跡は深いだろう。
下手したら夢にまで出てくるほど。
我と癖が強いと自負している。
物理的にも、それ以外的にも
 まぁ、目に留まりやすく残りやすい。

それが私だし、誇らしい。
まさに愛すべきアイアムだ。


ただ、生涯多感なお年頃を謳っているからだろうか。

私はとにかく浮き沈みが激しい。
些細な事で一喜一憂できる。
空が綺麗で泣きたくなったり
道端で猫ちゃんに会えたらもうしばらくニコニコできちゃう自信がある。

だからこそだろうか。
【ツケの精算だ。】
と言わんばかりにきっかけのあるなしに関係なく急にこの情緒は前触れもなくガタつき

焦れば焦る程に沼の様に絡め取られ
自滅して
しまいにはまるで動かなくなる。

あの日の人形のようだ。

私が幼子のように見えるとある人は言った。

幼子のようならそれだけ
枯れきって、知恵の輪のように捻じ曲がって湿っぽい私が確実にそこに居て口角を釣り上げている。

バカな程、計算高く。
構ってちゃんな程、1人にならないと息が詰まるように。


濃ければ濃いほど。

全てから消え去りたくなる瞬間が来る。


まるで影だ。
干渉こそしない、だが確実に居る。
私と正反対を忠実に貫く私が居る。


あたいにしかなれないあたいを生きる!
そう思う程
空気になりたい、誰かの人生の背景になりたい。
何にもなりたくない。
ただただ無色で、誰の目にも止まらない、空気になりたいと。

あたいになりたい程に
あたいと違う何かに化けたくなる。

さんざんガタついてトドメを刺され動かなくなった情緒と感情。

何に対しても興味も湧かなければどうでも良くなって、あれだけコロコロ変わっていた表情はまるで面のようにピクリともしない。

ワクワクもキラキラが、どんなものだったかさえ、もう思い出せない。
厚手の毛布にすっぽりおおわれたように全ての感覚が鈍くなれば、とうとう自分とは何だったかすらわからない、至極どうでもいい。

私の体はふらふらと当てもなく歩き回っては
日曜の凄まじい喧騒と振動と体温の数に
ただただ身を置いて、誰かの背景になっている。

このまま息を止めてしまったら。
苦しくてもどうでもいいから、ただ息をすることを単純に辞めたら。
どう、なるんだろうと。
自分の体なのに無関心で。

慈悲深く、優しく、誰かのために頑張れる人はそう居ない、彼は言うけれど。

そんな彼が1番望まない事を。
ちょっとやってみようかななんてそんな軽く興味のままに。

無慈悲で残酷で、自分勝手だと自分で呆れる。

そんな事をつらつらと頭の中に漂わせては、
考えるのももう興味も無いのか煙のように消えていく。

何がモヤモヤしていたのか、焦ってたのさえ、どうでもいい。

ガヤガヤと人が自己主張を繰り返すこの雑音に溶けてしまおう。

ありがとうをふりまいた数だけ
ごめんなさいとカビを生やす。

あたいってすごい!と認めて愛した分だけ。
こんなの私じゃない!と否定して軽蔑する。

 今の私はきっと
極彩色が抜け落ちて透明なのかもしれない。


そんなとある一日の私。
これも、私。


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