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【早速】プラネタリフリーコースターハブをオーバーホールする【BMX】

 実質二晩。 

 ゲームチェンジャーと言われたこのプラネタリフリーコースターハブは、軽さはカセットハブの如し、踏み込んでからのラグの少なさはNAマシン、値段もお手頃、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花といいことずくめのフリーコースターハブだけど、少しだけ欠点もある。
 内部構造の具合によって、踏み込んだときに完全にすっぽ抜けてチェーン切れバイクのような状態になり膝ステム必死の具合。

以前にも紹介したプラネタリギアユニット、BSDとCOLONYのもの。 この内部に油脂が侵入すると機能不全になる。

 症状としては、踏み込んだときにラチェットがパキンだのガコンだの言い始め、クラシカルフリーコースターの様にラグが出始め、たまにすっぽ抜けが出始めたらもう手遅れなので、できればラグが出始める頃にはオーバーホールに踏み切りたい。
 かつて買ったBSDのプラネタリフリーコースターはしばらくサイクリング車に使っていて、フリーコースターの恩恵はまったく受けていなかったのだが使い始めて一年程したころから上記の症状が出始め、夏のある日家から5キロ程走った所で完全に前後フリーコースターになって自走不能になった。
 跨がってストライダーのように帰路を進みながら色々と試した結果、ストップ状態から踏み込んで回すと駆動し、漕いで走れることがわかった。
 が、
 一瞬でも足を止めると即、コグドライバーの爪は引っ込み前後フリーコースターになってその気なく漕ぐととても怖い目に遭う。

 そこから幾度と分解清掃、グリスアップ等を試した結果、樹脂製のプラネタリギアユニットには一切油脂があってはいけないというところまでたどり着き、その頃には海外のYouTubeでも同じ様なメンテ情報が出回りだした。

 ぼくの買ったBSDフリーコースターは初期ロットを買い逃し、半年待って届いたセカンドロットなので比較的早い頃からの付きあいたけど当時もかなり使用レビューを探したけれどそのようなトラブルと対策は見つからなかった。
 説明書にはジャムナットを強く、TOO TIGHT締めろ、としか書いてなかった。
 その後最近手に入れたCOLONYのプラネタリフリーコースターハブには、その該当ユニットはKeep Dryと書いた紙切れが入っていたので問題を認識したのだろう。
 BSDの製品が出たときは、シグネチャーライダーが2年テストした、と豪語していたのできっとその症例は知っていたと思うが、もしかしてイギリスは涼しいのでそんな事は起こらなかった??? なるほどオーストラリアでは起こったのか。

 まあ、勝手知ったるプラネタリフリーコースターハブなので同じトラブルが起きてもあわてないのだけど、とある人から彼のも同じ症状があり困っている、と聞いたのでやはり日本語コミュニティー(そんなものはない)にはまだ情報が少なくて、頃合い的に困っている人が多いのかも、という考えからこのエントリを起こした。

実際全て動画で説明しきるつもりだったけど、とても見辛いものが出来上がったし、スマホでここまで手の込んだ事をするとボタボタとアプリが落ちるので正直もうこれ以上は触りたくないと。
 なのでここに補完文章をダラダラと並べることとする。

 事の起こりはこうだと思う。 夏のとても暑い夏、ハブ内部の温度も高く、各所のグリスの粘度が下がり、流れだし、着地の衝撃で爆ぜ、件の部品がGet Wetしてしまうのだと思う。

 プラネタリギアユニットの動作は非常に複雑なので、誰かの動画を参照していただいた方がご理解が早いと思うのでここで詳しくは書かないが、ゴムのOリングを用いてある程度以上の力が掛かると滑る程度のグリップ力をその駆動を行う機構のキーに使っているのだが、鋼鉄のシャフトとそのOリングの間に油脂が染み込むと滑りキーが働かなくなる結果、駆動の爪を起こせなくなるというものだと。

 対策としては分解してオーバーホールとする際に、該当部品をパーツクリーナー等で脱脂しきる事。
 あと想像に容易いが、そのOリングは磨耗するので初代のBSDフリーコースターハブのOリングは外すとゴムの断面が明らかにD型になっており、あと熱となにかでかなり硬質化していた。
 このゴムの小品を純正品で買うと$7.5もするのだが、よく見ると結構複雑な形に整形してある。

 そりゃあもう、工業規格品のOリングでも代用できるやろこんなんは、って思うわけだ。18x22x2のサイズだとしてこの価格だもんで、とりあえず試してみたくなる。

 諸事情あって購入したこの工業規格品Oリングは確かにいい具合で取り付けることが出来、上手く作動したが、実車テストに至る前にCOLONYフリコハブが届いてしまったのでオクラ入りになってしまった。

さらに言うとその$7.5の純正品も取り寄せてしまっている。

 とまあ色々書いたがこの欠点がこのフリーコースターハブを台無しにする程のものではなく、定期的なメンテナンスでかなり快適なBMXライフが手にはいるのは間違いないので本当にとても良い商品だと思う。
 もうしばらくしたら対策品か、対策済みニューハブか何か出てくるだろうなと思う。

 と、言いながらO.H.するのにカセットハブに戻してもう、フリコハブを使わないような気もするが、せっかく組んだので長いフェイキーや何かを修得する事にも期待は高まっている。 練習車二号に付けようかな。 リムの溶接箇所が割れてきてるし……


 関係ないが、内部の機構にネオジム磁石を使っているものがチラホラ出始めているが、ラチェットの削りカスで毛皮巻きになってしまわないのか不思議である。 それも定期的メンテナンスを必須とする構造ではないのかなあと。 使っている人がもしいたらレビューがみたい。


 まあとにかくこのフリーコースターハブは最小限のグリス、しかも手には入るもっとも固い部類のものがいいのだと思う。

最適解はどれ?

 さて言いたいことはだいたい書いたと思う。

 それではみなさん、膝ステムに気をつけて

 ご安全に。


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