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25歳で初めて出会った感情の話

あらすじ

人を愛する、本気で好きになるということを25歳にして初めて体験した。

小、中、高、大の頃、日常的に「お前は笑うな」「お前は生きている価値がない」など言葉の暴力や、実際体への暴力や、同性や異性から性的な虐めを受け、ネットいじめ、その他諸々話すとキリがないほどの言葉で言い表しようのない程の辱めを受けてきた。

オセロが上手い人と対戦すると、さっきまで白が多かった盤面が終盤で一気に黒一色に塗り変わっていくことがある。

それと同じように、友達だと思っていた者が、信じていた者が一瞬で敵に移り変わっていく。

そういう経験をするたびに人を嫌いになり、信ずることができなくなり、人に期待をしないようになっていた。

だからこそ、これまでの恋人たちが私のことを好きだ、愛してると伝えてきてくれた時、すごく嬉しく思うと共に、どこかで「今は、、、ね、、、どうせこの人もひっくり返るだろう」とその愛の言葉を信じられないでいた。
(友情もまた然り。。。)

だから恋愛に期待をしていなかった。人とお付き合いしている期間はその人のことを愛していたが、一生一緒にいるなんてことはありえないだろう、強い愛情はいつか一瞬で強い憎しみへと朽ち果てるだろうと思っていた。

こんな私を愛してくれたからそのお返しに同じ分の愛をその人に注ぎたい。
しかし、私自身の夢や目標に捧げる時間は一秒たりとも削りたくない。

この葛藤で私はこれまで3年以上人と付き合えたことは無いのだ。

未知の感情との遭遇


しかしそれは過去の話だ。

今、私には

こんな私を愛してくれたからそのお返しに同じ分の、、、

とかではなく、この人じゃなきゃダメだ。
裏切られてもいいからこの人のそばにいたいんだと強く願ってしまう人がいる。

2回告白したのだが今は付き合えないと振られてしまっている現状である。

あの夜、あなたは私と寝る前に「夢みたいだ、もしこのまま寝て、目が覚めたら自分の部屋で、あなたとのこの時間は無かったんじゃないかと思うと怖い」と言ってくれた。私は「現実だよ、俺はどこにもいかないから」と伝えた。私は当時夜行性だったので、夜になっても全く寝れず、あなたが眠れるまで、あなたが眠った後もずっとあなたの小さな頭を撫でていた。
初めて会った人が横にいるというのに安心した顔で、うっすら夜の光に照らされるその寝顔にも私は心を奪われた。

あなたはあの時私を求めてくれていたのに、私があなたを求めたら何事もなかったかのようにどこかへ去ってしまう。もはや摩訶不思議である。

私に言ってくれた、「好き」や、「孤独で辛い夜は甘えてもいい」や、「あなたはあなたが思っているよりも美しい」、「生き方を尊敬する」などの嬉しい言葉はすべて嘘だったのだろうか、それともこんな完璧な男がいきなり告白してきたからまだ気持ちの整理がついていないのか、彼女がどんな気持ちで私を振ったか考えてもキリがない。が、「私の何が足りなかったのだろう?」と考えてしまう。

自分から告白して振られるなんてことは初めてだった。私ほど、技術があり、賢く、筋肉もあり、見た目も悪くない、そして私は決してサボらない。永遠に努力し続け、それらはすべて成長し続ける。こんなに魅力的な男が振られることがあろうか?
雑魚い女には雑魚い男が、強い女には強い男が相応しい。
そなたの隣は私のような最強の男が相応しいというのに。

しかし、2度振られたくらいで落ち込みはしない。

欲しいものは絶対に手に入れる。私はそんな男だ。

そんな私がここまで一人の人間の魅力に惹かれ、その人のことを気づいたら考えてしまい、胸が苦しくなり、その人と撮った写真などをみて少し癒されるが、またすぐに苦しくなる。急に外でもその人のことを考え涙が出る。

これまで25年生きてきてこんな感情はなかった。
だから自分でも驚いてしまっていた。

例えとして、最近の私の葛藤をストーリー形式で話そう。

私の中には常に財務大臣、や外務大臣、コンサルタント、プランナー、デザイナー、などいろんな役割を持った自分がいて、そいつらが会議をして今後の私自身の行動を決めている。

しかし、会議中に恋愛大臣という見たこともない人が会議に乱入してきたのである。

私たちEnigma内部の大臣たちは「誰だ君は!?今大事な会議中だから下がりなさい!」
「おい、警備の者はおらぬか?こいつを摘み出せ!」と言った。

Enigma内部のセキリティが恋愛大臣と名乗るものをつまみ出そうとした。

しかし、彼は大きく、力強く、なかなかつまみ出すことができない。
見たこともない屈強な自身を「恋愛大臣」と名乗る者に、元々私の中にいた財務大臣、外務大臣、などが慌てふためいていた。

外務大臣は声を上げた。
「誰かこいつを知るものはいないか諸外国に相談してみよう!」

・・・

はい、この諸外国が私が最近いろんな人にしていた恋愛相談です。
(相談に乗ってくれた方々、ありがとうございました笑)

この恋愛相談の結果、私の中に突如現れた恋愛大臣は悪い者ではないとみなし、歓迎することにした。

確かにこれまでの私は恋愛主軸で生きている者を馬鹿だと見下しており、軽蔑していた。だからこそ、私自身がこれまで馬鹿にしていた恋愛主軸で生きている雑魚に堕落してしまったと考えていた。

しかし、いろんな人に相談した結果、それは堕落ではなく、成長に必要な一歩だとわかった。
その感情を作品にぶつけた者、自分磨きにぶつけた者、時間が解決してくれた者、いろんな人がいた。そして皆この感情をなくした方が良かったと後悔する者はいなかった。

だから

この恋愛大臣は追い出さなくていい、むしろ迎え入れてあげることが大事だとわかった。

それがEnigmaという人間の成長に繋がるのだと。

という結論に至った。


今の思考


今では、例えば英語を勉強している時にその人のことを考えてしまっても

「邪魔だ!俺から出てけ!」と、もがき苦しむのではなく、

「お?恋愛大臣さん、いらっしゃい〜」と迎え入れてあげることで辛くなることはなくなった。

要するに私は「私らしさ」を失ったのではなく「人間らしさ」を手に入れたのだろう。

そして私は自主制作の作品を作る時、自分の過去の扉を開け、絶望、憎悪、屈辱、など感情を取り出してそれをリファレンスに作るので、そのレパートリーが一つ増えたのである。

作品のテイストが少し変わるかもしれないのでそこもお楽しみに、、、


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