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【第9回】『エンプティ』ヴァンフォーレ甲府観戦記~J2リーグ第8・9節 vs鹿児島・清水~

どうも、さめはだです。

いや本当に最近忙しく、いまいち睡眠時間も取れない日々が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
変な始まり方をしていますが、つまり今回全然ちゃんと書けないです。簡単ではありますが2試合の振り返りをしたいと思いますので、ザッと読んで頂ければと思います。

第8節・鹿児島戦

山口戦の完敗を受け、中3日で迎えた九州最南端での一戦は、大きくメンバーを入れ替えてのゲームになりました。特筆すべきは公式戦初先発の井上樹。元ヴァンフォーレ甲府ユースの井上が遂に初お披露目ということで、胸の躍った甲府サポーターの方も多かったことと思います。
試合はというと、甲府サイド守備の裏を徹底的にロングボールで攻め立てる鹿児島と、宮崎・岩魚の左サイドが猛威を振るう甲府のやり合い。右サイドバックで先発出場した飯田は、コンディション不良もあってか攻守ともに武器にはなれず、一方の左サイドはスムーズなコンビネーションからいくつも攻撃の形を作りました。気がかりだったのは2点、マンシャの負傷交代と決定機の少なさでした。初出場の井上とCBコンビを組んだマンシャは、迫力ある持ち出しと鋭い長短のパスで再三攻撃の起点を作りました。しかし、前半のうちに鼠径部を抑えて座り込むとそのまま選手交代。結果的にヴァンフォーレユース出身の井上とヴァンフォーレのレジェンド山本という、サポーターにとっては激アツの守備陣が完成しました。前半のうちにスコアを動かしたかった両チームでしたが、甲府は鹿児島ゴールになかなか迫れず、最後の質の一つ前の部分に課題を残しました。
それでも48分、状態の良さを見せていた宮崎が岩魚のオーバーラップを囮にカットインを成功させるとそのままフィニッシュ。矢のようなシュートがニアポストすれすれに突き刺さり、甲府がリードを奪いました。
61分にはこの試合効いていた三平・ラッソを下げ内藤・ウタカを投入したものの、これ以降の時間帯はほとんど鹿児島が攻勢に出る展開となり、甲府は2人のストライカーを活かすシーンが無いまま守り勝ち。鹿児島としてはマンシャに代わって出場した山本をエアバトルで制圧し切ることができず、元甲府FW・有田の投入も実りませんでした。
結果的には完封勝利、井上がデビュー戦をパーフェクトで締めくくりましたが、1点で勝ちきれたことが幸運というべき試合で、60分以降攻撃の形を作ることができなかった甲府は、またしても試合内容に課題を残す一戦となりました。

第9節・清水戦

1勝1敗で迎えた3連戦のラスト、未だ勝利がないホーム戦で元日本代表選手を複数抱える清水とのデイゲーム。入場者数は14000人を超えるこの上ない檜舞台に挑みました。
この試合で目を見張る活躍を見せたのが佐藤和弘。清水は主体的にボールを動かし、失えば高い位置から即時奪還を目指すモダンなサッカーを展開しますが、甲府も粘り強く高い位置から規制をかけ応戦しました。この攻防で目立ったのが佐藤のパスカット。ビルドアップを制限する甲府に対し、この一本を通したい、という清水のパスをことごとくカット、そのまま視野の広い展開から攻撃の起点を作り出すシーンを前半からいくつも作り出しました。清水は甲府守備網を突破してチャンス創出という流れを簡単には作り出せず、得点に飢えるラッソを最前線に構える甲府に対してアグレッシブながらも慎重な前半を過ごしました。甲府はファイナルサードの質を欠き、決めきれないまま結局スコアレスで前半を折り返しました。
後半に入っても甲府は速い攻撃と佐藤の質の高い縦パス・セットプレーを中心に攻め立て、立て続けのシュートで清水ゴールに迫りましたが、清水のゴール前は集中を切らすこと無く、甲府の攻撃をことごとくブロックしました。
69分、三平を下げてウタカを投入し、ラッソ・ウタカ・アダイウトンの外国人トリオを揃えると、甲府のフットボールはたちまちのうちに失速します。暑さも相まって甲府の運動量が低下すると、清水は速い攻撃でオープンな展開に持ち込み、守備の貢献度が低いウタカ・アダイウトンのスペースに狙いを定め、完全に主導権を掌握します。岩魚・アダイウトンの相田のスペースを使われ、中盤は疲弊し、ボールを奪っても前線のウタカに収まらなければ必死で戻って凌ぐというジリ貧の展開に陥ると、三沢渾身のミドルがポストを叩き、そのカウンターは渋谷がなんとか弾くというヒリヒリ感MAXの試合最終盤を迎えました。
90分、清水はコーナーキックのこぼれ球を乾がダイレクトクロス。最後はこの試合再三体を張って甲府の攻撃を阻み続けてきた清水DF・住吉が合わせ先制。必死のリトリートも虚しく決勝弾を献上し、最後はパワープレーに出た今津がこの日2枚目のイエローで退場となる屈辱のタイムアップ。勝ち筋は無かったわけではないものの、点が欲しい状況で適切なアプローチを遂行できず、中盤の攻防で完全に後手に回った甲府が最後は力負けとなり、ホーム初勝利は未だお預けとなっています。
強力な外国人アタッカーを揃えているとは言え、新加入のラッソ・アダイウトン合わせてPKの1ゴールにとどまっており、最後の最後、ゴールの可能性が高いところでしっかりとフィニッシュに持ち込ませることができていないことが表れています。試合終盤に組織として運動量・スピード感を落とさずに戦えるチームに対抗できないという課題は残り続けており、鹿児島戦以外先発フル出場している今津の随所に見られる軽いプレーが退場という結果に帰着したのも気になります。組織としての脆弱さを克服し、90分を通して勝利への道筋を描き続けられるチームに生まれ変わらなければ、J2の厳しい昇格争いを戦い抜け無いのではないかと思います。次節の相手・熊本の指揮官は、甲府を初めてJ1昇格に導いた大木武監督。休み無く迫りくる壁に、選手・スタッフ・サポーター一丸となって立ち向かっていきましょう。

※2024/4/16追記:アダイウトンは2ゴール決めてました。スイマセン

つぶやき

試合のメモは結構ちゃんと取っています。

第8節・鹿児島戦のメモ
第9節・清水戦のメモ

そういえば初めの方に清水には絶対負けたくない的なことを書いたりもしていましたよね。

Jリーグは全試合観戦記書くぞと言って走り出したものの、毎試合内容の充実した観戦記を書くことはなかなか難しいですね。無理しても続かないだろうなあと思い、こういうタイミングでは素直にこういうものに仕上げてみました。でも時間があるときはもっとしっかりしたものをあげたいなあと思っております。

今季は徳島ヴォルティスの低迷、吉田監督の解任、島川の引退、西谷の契約解除といったいどうなってしまうのかというトピックがある中で、甲府も上向かない試合内容とホーム未勝利という現状があり、何かと荒れ気味の日々が続いていますよね。篠田監督の手腕についてはこれまで幾度か触れてきたわけですが、今季は早くも正念場という感じ。個人技があればどうにかなるのがフットボールではないですし、どちらかというと最近は個人技がなくてもどうにかなるものという側面が強まっている気がしますから、気候が温暖になりつつあるシーズン序盤戦、組織力を底上げしてくれるような眠れる獅子、そんな選手の開花を期待したいなあというここ最近の所感です。

今回以上です!読んでいただきありがとうございました!
5月3日大分戦はホーム参戦する予定なので、ここから一ヶ月弱、しっかり乗り切ってGW連戦に臨みましょう!!!

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