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【前編】インフレでも賃金停滞の日本は、英会話力をつけるのが最もコスパがいい理由

お久しぶりです。株式会社レアジョブの福田 侑也です。
今回の記事では「なぜ、今、英会話力を身につけるべきなのか?」という問いに対し、社会情勢と紐づけながら考えていきます。

福田 侑也
株式会社レアジョブで、コンシューマー事業とマーケティングを牽引している人。英会話学習の専門家ではないが、英語教育事業に携わって丸4年。書籍もサービスもメソッドも世の中に溢れているが、結局英語を話せない日本人の実態に強い危機感を持っている。

「年収1,000万円の料理人の求人が埋まらない」
「長距離運転手の平均年収は約1200万円だ」

先日、ニューヨークでのインタビューがとあるテレビ番組が流れていました。世界ではどんどん年収水準が上がっているという事実は、なんとなく理解していました。外資企業で働けるようなエリートになれば、年収は100万ぐらいアップするのかもしれないな、と考えたことも何度かありました。

でも、さすがに驚きました。
100万円とかそんなレベルではない。料理人や長距離運転手という職種の日本における平均年収は、その半分にも満たないんですよ。

しかも外資系コンサルや外資系銀行、GAFAMなどいわゆる世界の限られたエリートが就く高年収の職種ではなく、そのエリアでの平均年収と推測できそうな職種での求人だから驚きを隠せませんでした。

「あれ、日本はマジで世界から置いてけぼりを食らうかもしれない」

そんなことを感じました。

【結論】 年収は上がらないけど物価は上がり続ける悪いインフレの日本で、うまく生き抜くためにはグローバルな選択肢を増やせるように英会話力をつけることが最もコスパが良い。

日本でもインフレを感じる時がきた

2021年12月頃から、日本でも食品や日用品、光熱費までも値上げが一気に襲いかかりました。
長年10円で食べることができたうまい棒が12円になった他、パスタやマヨネーズ、しょうゆ、ソーセージ、電気やガスまでもが値上がり。
当然、外食産業でも価格据え置きで1品あたりの量を減らす“ステルス値上げ”を含め、実質的な値上げの実施はもはや避けられないでしょう。
3000円もあれば十分に事足りる居酒屋に行くのも、3500円、4000円と高くなるわけですよ…。

お小遣いが減らされる上に、今まで気軽に行けた居酒屋にも手が届かなくなる。そんな世の中になってきているんだという事実を、ヒシヒシと感じるわけです。

でもよくよく調べると、日本は世界よりもインフレ率(物価上昇率)が低いんだそう。その大きな要因は「人件費が上がらない」からだそうです。

年収もみんな1000万円以上!だけど物価もめちゃ上がるアメリカ。
年収はずっと400万円、だけど物価だけが上がる日本。
どっちの方がいいのかを突き詰めたいわけではないので、今回は一旦放置しますが。

毎日どんだけ頑張っても無駄。お前たちは貧乏になるしかない。

こんな現実を突きつけられてるような気がしてなりません。

なぜ日本では給料が上がらないのか?

日本も物価上昇率以上に給料を上げられれば、個人としてはどんどん豊かになるのでそれでいいですよね。
でも、日本は世界と違ってほとんど年収が上がりません。これが日本の現実なんです。

なぜか。

理由はたくさんありますが、偏見が混じりながら私なりに考えてみました。

①日本人は全然転職しない。
1回上げた年収は法律にもとづき下げることができないので、企業は「一生この人に支払える給料か?」を考える必要があり、結果として上げづらい。

②日本人は年収交渉をしない。
年収を追い求めると、よいキャリアを描けないという謎の信仰が存在する。

③日本企業では解雇できないので、生産性が低い場合でも、従業員の仕事を奪えない。
よって、業務効率化が本当の意味で行えない。

④日本人はグローバル企業全然行かない。世界の年収が上がっていても飛びつけない。

色々な観点から考察できると思いますし、挙げだすとキリがないですが、私なりの視点で挙げました。
この4つの中で、私は特に③と④がすごく大きな日本社会の構造上の問題だと捉えています。

まず③の業務効率化が行えない問題。これは本当に日本企業の闇ですよね。

たとえば、年功序列をベースとした企業構造がもたらした負の一面もありそうです。
今のやり方で困っているわけでもないからこのままでいい。
新しいツールは特に決裁者の年配層が追いつけないから入れられない。
若手がロボットみたいに1日中同じ作業をし続けて仕事が終了する。

こんなことをやってきた結果、世界を見渡すと先進7カ国での労働生産性はぶっちぎりの最下位。OECD(経済協力開発機構)加盟国38カ国の中でも23位と、GDP世界3位の国らしからぬ生産性の低さを誇ります。

そして、個々の企業を見てもなんだかDXという言葉ばかりが先走り、某社がDXに巨額の投資をしたにもかかわらず崩壊したように、結果も伴わないただのパフォーマンスばかりしているように思えます。
「解雇できない」という問題に限りなく等しい日本の制度が、諸悪の根源に思えて仕方ないのです。

そして④の日本人がグローバル企業に全然行かない問題。というかグローバル企業に”行けない”問題なんだと考えています。

「明日から年収を倍にするから、英語で仕事をしてくれ」

英語さえ使いこなせれば、このようにオファーしてもらえるような世界が、目の前まで迫ってきているわけです。

特に日本人は真面目に働きますので、この国民性を評価する企業は多くいるでしょう。

でもこんなオファーがあっても飛びつける人がどれだけいるでしょうか。飛びつくことができない人の方が多いのが、日本の現実なんだと思います。

当然皆さんもわかると思いますが、この大きな原因は「英語が話せないから」ですよね。
日本企業で活躍しているからビジネススキルはある。だけど英語が話せない。この1点だけで、高い年収水準でやりがいがありそうなオファーがあっても飛びつくことができないのが多くの日本人の現状です。

グローバル企業の年収水準がどれだけ高くなっていこうとも、それに飛びつけない人材が日本には山ほどいるので、日本企業はグローバル企業と同水準の年収を提示する必要がなくなります。
必要がなければ、当然どの企業も年収水準を上げる理由を持たないので、結果的に世界の年収水準がどれだけ高くなっていっても日本国内での年収水準は一切変わらないのです。

インフレでも賃金停滞の日本で私たちはどう生きるべきか

ここまでお伝えした通り、日本以外の国々ではインフレになったらその分だけ年収水準も上がり、TOP数%のエリートでなくても年収1,000万円は超えるというのが世界のスタンダードです。

燃料や物資の価格上昇は国境を越えて影響を及ぼすので、「日本人には関係ないよ」と言っていられるわけもなく、世界からの煽りを受けてインフレは加速する。
その結果、経済に全く興味がない人でも「電気やガス代が高すぎて生活費がやばい」「カップラーメンまでも高くなってしまった」と、生活への影響を痛感しているはずです。

そしてこれは、どう考えても一過性の事象ではありません。世界の消費者物価指数(消費者が購入する物の金額がどの程度変動しているか)を見ても、一目瞭然です。
世界の物価は上がり続ける一方、日本の物価は企業努力によってコストが抑えられているから上がっていないだけなのです。しかし、さすがに企業努力も限界を迎えています。だから徐々に上がっています。物価が上がる理由はたくさんあれど、今後下がる理由はあまり浮かびません。

なので、「物価は上がるものだ」と予測している方が堅実でしょう。
つまり「あなたは今後、これまでと全く同じ生活をしていても出費は毎年増えるでしょう。そのため、貯金額を維持するには生活水準を下げ続けるか、収入を増やすしか選択肢はありません」と言われていると考えた方がいい。

…というのが、堅実に考えた場合の受け止め方となります。

さぁ、あなたは毎年生活水準を下げていく選択をしますか?
もしくは、物価上昇率と同じぐらい年収を上げて生活を維持する選択をしますか?
もしくは、物価上昇率以上に年収を上げて貯金額を増やしたり水準を高めますか?

人によって選択が異なると思いますが、多くの人が”物価上昇率以上に年収を上げていく”を選択したいのではないでしょうか。

年収を上げる方法を考えなければならない。

これが2022年、誰しもにとっても特に大きなテーマとなるはずだと考えています。

後編へ続く~

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