アマンダの調べ学習*現代奴隷法って?
こんにちは。
先日より企業のSDGsの取組に興味を持って調べています。企業のサステナビリティに関する報告書を読んでいると、高確率で目にする「現代奴隷法」。今日は「現代奴隷法」について調べててみます。
現代奴隷法とは?
現代奴隷法 (Modern Slavery Act 2015) は2015年にイギリス議会が制定した法律である。同法はイギリスにおける現代奴隷制に対抗することを意図し、それまで別の扱いであった人身売買と奴隷制に関連する犯罪行為を一元管理するものである。
(Wikipediaから抜粋)
イギリスが2015年に定めた法律とのことでした。
ただ、「現代奴隷制」という言葉がピンと来ません。"奴隷"と聞いて私が咄嗟にイメージしたのは、アメリカ元大統領のリンカーンが行った「奴隷解放宣言」。歴史の授業で習った過去の話でしょう?現代における奴隷ってどういうこと?と私の頭の中で続々とハテナが現れます。
現代の奴隷とは?
(この章は、BUSINESS LAWYERSというサイトから引用して書いています。)
英国現代奴隷法が対象とするいわゆる「現代奴隷(modern slavery)」には、①奴隷および隷属(slavery and servitude)・強制労働(forced labour)と、②人身売買(human trafficking)に関する犯罪類型が含まれます。
現代奴隷とは、強制労働や人身売買を含みます。
限られた国の話かと思うとそうではなく、21世紀の今、世界中で奴隷人口は歴史上かつてないほど増えているといいます。
15世紀から19世紀にかけて奴隷とされた人数が約1,300万人であるのに対し、現代奴隷の数は保守的に見積もってその3倍以上の約4,030万人とされており、世界の約200人に1人が現代奴隷という計算になります。
約200人に1人が現代奴隷の計算になるという驚くべき数字。
かつて植民地時代に行われていた身体拘束を伴う形から、必ずしもその形によらない形へ変化しつつ、奴隷は現代においても存在しています。そのため、外部からは見えづらいことも特徴です。次の事項に当てはまる場合は、現代奴隷の可能性があると言われています。
・パスポートを他人に保管されている(人身売買を行う犯罪集団に取り上げられている例が多いため)
・家族や友人等との接点を保てていない
・勤務地における現地語が話せない
・在留資格に関する質問に答えようとしない
・雇用契約を締結していない
・自身の銀行口座にアクセスできない
被害者の数がもっとも多いのはアジア、ついでアフリカだと言われています。
英国の法律が日本にどう影響をおよぼすの?
現代奴隷とされる人たちが増えている悲しい実態は理解しました。
ですが、イギリスの法律が日本の企業に影響を与えるのはなぜなのか。なにがそうさせるのか。疑問が残ります。
このイギリスの現代奴隷法、このような特徴があります。
この法律は企業にサプライチェーン上の奴隷制を特定させ、根絶するための手順報告を求めるものだ。対象になるのは、英国で活動する世界での売上高が3600万ポンド(約50億)を超える企業だ。会計年度に1回、「奴隷と人身取引に関する声明」を発行することを求めている。
( サステナブル・ブランドジャパンのHPより一部抜粋)
この法律は、企業にサプライチェーン上の奴隷制を発見させ、根絶させるための手順報告を求めるものです。サプライチェーンとは、たとえばメーカーなら、製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのことを指します。
イギリスで活動する世界での売上高が約50億円を超える企業がこの法律に則り、報告する義務があります。国際NGOビジネス・人権資料センターのウェブサイトによると11月7日時点で、この声明を発行している企業は938社(うち日本関連企業56社)だそうです。
ふむふむ。
イギリスで活動している日系大企業はこの法律の報告対象になり得るでしょうし、売上規模が小さい企業でも、大企業のサプライチェーンであれば他人事ではない、ということですね。
ANAの人権報告書
ANAのwebサイトを見ていると、人権報告書なるものを発見。
https://www.ana.co.jp/group/csr/effort/pdf/Human_Rights_Report_2020.pdf
他の企業のwebサイトも見ていますが、人権に特化して報告書を作っている日本企業って私が見た範囲ではANAだけな気がします。
なんでも、過去に外国人をステレオタイプで表現したCMを作ってしまったことがあり、その反省から人権報告書を作り始めたんだとか。
それに加えて、航空会社は航空路線が人身売買に利用されるリスクもあります。
これは2017年のBBCのニュースですが、客室乗務員が少女の異変に気づき、人身売買から救い出したという記事です。航空業界は、客室乗務員に対して人身売買を疑われる場面に遭遇したらどう対処するか、などの人権に対する教育も熱心に行なっているようです。
おわりに
今日は人権について調べてみました!次回も引き続き人権に関連して、人権デューディリジェンスについて考えてみようと思います。
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