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実は僕、ワークショップって苦手なんです…

2020年に開校予定の軽井沢風越学園。http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/15/news039.html

8月3日〜4日間にてサマースクール(高学年の部)が開催されました。テーマは「本物の風越山荘」作り。

大変恐れ多くも、えんがわ商店として山荘(小屋)作りの講師?ファシリテーター?役を仰せつかりました。子供たちを見守りながらも、一緒に悩み、解決策を見つけるための会話を重ねていると、僕自身も同時にたくさんの、しかも大っきな学びをいただきました。

この大役…めっっっちゃ、難しかった…けど、めっっっっちゃ、楽しかった…この二言に尽きました。果たして4日間で「本物の風越山荘」は完成するのか?サマースクールの様子はこちらの風越学園さんのレポートでお楽しみ下さい。https://kazakoshi.jp/event/ss2018l/

レポートにもありますがサマースクール終了後、振り返りとして風越学園さんにお話しを聞いていただきました。質問は2つ。

①今回のサマースクールの話があったときに、どんなふうに感じましたか?終わった今はどんなふうに感じていますか?

②サマースクールの期間中、どんなことを大事にしながら子どもたちと関わってくださっていましたか?

あらためて、考えてみました。そうそう、そういえば…

①実は僕、ワークショップって苦手なんです。特に大人数のワークショップ…。今までにもペンキ塗りや本棚作りなどのワークショップを何度か開催してみたのですが、もう(やらなくて)いいかな…と思っていたんです。もともと声が通る方じゃないし、教えるというほどの知識も技術もないし、自信もないし…。

ワークショップをやってみて、プログラムが終わると、楽しかったなー、おもしろかったなー、と思うのですが、どっと疲れるというか…またやろう!という意欲が湧いてこなかったんです。

何で苦手なんだろう?と考えてみると、ワークショップって”参加者のいいとこどり”な気がしたんです。道具も材料も作り方の説明も、全部準備されていて、予定の時間内にキレイに、出来栄えよく完成するように最初から道筋が用意されているワークショップ。主催者側がそこまでする必要がそもそも無かったかのしれませんが、僕はそうしちゃってました。それが大きな重荷になっていたんだと思います。

開催日の大分前から準備をして、緊張して、当日も楽しんでもらおうと頑張って、終わるとどっと疲れてしまう…それが僕にとってのワークショップでした。

そんなワークショップでも終わってみて、参加者の方から楽しかった!と言ってもらえるとやはり嬉しいわけなのですが、僕が伝えたいことって何だっけ?どうしてワークショップをやろうと思ったんだろう?と何だか疑問だけが毎回残ってしまっていたんです。

その疑問について、よくよく考えてみて気がついたことは、僕が伝えたかったのは「DIYの楽しさ、知識、技術」ではなくて、「自分で作るという選択肢もあるんだよ、ありなんだよ」ということだったのです。

「自分で作る」ということを選択したことによる苦悩・苦痛、うまくいかなかった時の失敗による悔しさ、うまくできたときの喜び・自信、不格好ながらも自分で作ったという満足感・誇り。

僕が伝えたかったのは、「自分で作るということは?どういうことか?」ということだったのです。主催者側がうまくいくようにと全てを整えようとしてしまっていた僕のワークショップでは、それを伝えることは全然できなかったのです。

だからもうワークショップはやらない、疲れちゃうしやりたくない、と思っていたんです。そしたら、しんさん(本城さん)からサラっとサマースクールのお誘い(笑)しかもサラっと難題(笑)

風越学園の説明会に参加させていただき、学園の大切にしている「想い」の説明を聞き、衝撃を受けました。「子供たちが自分達で作る学びの場」そのような学校を作る。僕はそのように解釈しました。そして、セルフビルドパートナーとして活動をする僕の仕事と一緒だ!と勝手に思い込んでいました(笑)

先生は答えをもっていて、それを教える存在ではない。問いを立ててあげて、一緒に答えを探す伴走者である。建築、家作り、場作りにおいて、そういう存在になりたいと思っていた僕は学園のその想いに強く共感しました。そんな学園からのお誘いですもの、嫌いなワークショップもやらないわけにはいかないでしょう(笑)

実際に打ち合わせをしてみて、小屋作りをしよう!ということになったわけですが、これは今まで僕がやってきたようなワークショップではないな、別物だな、と思えたんです。そもそも、子供たちで本当に作ることができるのかどうか?それさえも分からない(笑)

そしたら、スーッと肩の力が抜けて、いろいろ考え過ぎてもしょうがない、準備し過ぎてもしょうがない、当日出たところ勝負で、子供たちと一緒に悩もう!と素直に思えたんです。結果的に僕のやりたい形、伝えたいことを伝えたい形になっていたんです。おそるべし、風越マジック!(笑)

②すみません、4日間、僕自身が必死で本気の真剣勝負だったので、子供たちのことを考えている余裕は全くありませんでした。全員に目を配ることはできなかったし、声を掛けてあげることもできませんでした。

最初は子供たちに自分たちで「探求」してもらい、僕たち大人はそれをサポートする!と意気込んでいましたが、結局、後半、特に最後は子供そっちのけで大人必死!!大人本気!!(笑)

でも大人が本気で悩んで、本気でいっぱいいっぱいで、本気で夢中になっている姿を見せられたこと、それが一番良かったのかなと今振り返るとそう思います。「自分で作るということを選択したことによる苦悩・苦痛」をしっかりと伝えられたかな、と(笑)

普段エラそうなことを言っている大人も、実は廻りのことは気にしていられないくらい必死になって生きてるんです。困っている大人がいたら、一緒に悩んであげてね。ありがとう。

そして、8月の4日間の日程でほぼ完成…という結果となっていた本物の「風越山荘」作り。なんとしても完成させたい!という、みんなの想いが5日目となって実現しました。

段取りもチームワークも数ヶ月ぶりとは思えないほど、すーっと作業に入る子供達。

正直、子供達をみくびってました…子供ってすごい。子供ってできる。

風越山荘、なんと完成。

すげー、この子達、本当に完成させちゃったよ。

専用ケーキもご用意いただきました。感激。みんないいやつだな~。不覚にもちょっと泣きそうになっちまったじゃないか。また、会おうね。また、やってやろうね。

ありがとう。


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