読書感想:詩学/アリストテレース 詩論/ホラーティウス

最初の投稿は自己紹介でしたので、本記事からが本格的な投稿になります。
初回にふさわしい内容ってどんなだろう…などと、考えていても、なかなか先に進まないので、まずは「えいやっ」と書いてみたいと思います。

とりあえず、読んだ本の感想など書いてみます。
私は、これまで読んだ本の感想や自分なりの意見を、手書きの大学ノートに記録していたのですが、今後はその内容を、こちらに掲載していく予定です。
といっても、いきなり相当過去の文を載せるのも、ちょっと違うと思いますので、まずは最近読んだ本の感想の中から、書けそうなものをチョイスして載せていきます。
ちなみに、読書感想の構成としては、手書き版にならって、以下のような形にしていきます。

〇タイトル
〇読み始めから読了までの期間
〇読み始めたきっかけ
〇読み終わった感想・意見

ではさっそく、一冊目の読書感想を書いていきます。

〇タイトル:詩学/アリストテレース 詩論/ホラーティウス(岩波文庫)

〇読み始めから読了までの期間:2019.9.13~2020.6.27
〇読み始めたきっかけ
 一番は、ぶっちゃけ「アリストテレス読んだことある」といってみたいという、身もふたもない言い方をすれば「厨二心」です。私が、いわゆる昔の大御所的な作家や、哲学関係の本を読むきっかけは、たいていこれです。
 本当にその著者を愛されているファンの方からすれば、誠に軽薄極まりないと思う次第ですが、それでも、これが真実なので、やむを得ません。
 二つ目は、物語を創作する参考書として読んでみたいと思ったからです。実は私は、かつて、某アニメや漫画・ライトノベルの二次創作小説を、ネットに投稿していたこともあり(このあたりの話も機会があれば載せます)、そこから発展して、オリジナルの物語の創作をしてみたいという思いも抱いていました。そんな中、何処かのブログ(名前はもう失念してしまいましたが)で、物語創作を学ぶには本書が適していると、拝見したことです。
 もっとも、最近では、自分は物語創作よりも、思ったことをありのまま書くようなやり方のほうが向いているのではないかなーと、思い始めている次第です(そう思うに至る経緯もいろいろあるのですが、それも機会があればいずれ掲載します。noteを始めたのも、その流れから来ています)。

〇読み終わった感想、意見
 古代ギリシャ時代の文章だけあって、翻訳も非常に大変だったことがうかがえました。個々の言い回しも難解な箇所が多く、訳注付きでないととても解読できません。「詩学」では訳注と本文が同じくらい、「詩論」に至っては、訳注が本文の倍近いページ数ありました。
 「詩学」に書かれていたことは、きっかけとなったブログに書いてあった通り、物語(本書では主に「ギリシア悲劇」または「叙事詩」について論じていますが、ここでは「物語」と読み替えます)を作るうえで、現代でも重視されていることだったと思います。例えば以下のような内容です。
・筋の重要性
・物語は「始め・中間・終わり」で構成されなければならない
・伏線の張り方や回収の仕方
※本書で「認知」と記載されていたことを、私なりに解釈
 「詩論」については、比喩表現や情緒的な語りが多く、私にとっては正直「詩学」以上に難解に感じました。しかしながら、いわゆる「デウス・エクス・マキナ(これも、厨二心としてはとりあえず口に出してみたくなる言葉ですね。私はこの言葉を「これまでの筋を全部無視するような展開(ex.夢オチ)」と勝手に解釈しています。もし間違っていたら、より詳しい方、ご指摘のほどお願いします)」を認めない点など、物語に対する大まかな見解は、おおむねアリストテレスと同じだったのではないかと思いました。
 これまで、私が目にしてきた様々な物語(小説、漫画、アニメ、映画、ドラマ問わず)を思い起こすにつけ、いわゆる「名作」「ヒット作」と呼ばれるものは、おおむね、アリストテレスやホラティウスの指摘した部分をクリアしているのではないか、と感じました。具体的な作品名を挙げると、いろいろ見解が分かれそうなので止めますが、いわゆる「王道」といわれるような作品に対しては、特に当てはまるのではないかと感じました。
 また、「詩論」第25章の中で、各種の物語に対して、(今でいう読者から)様々な批判が加えられているということと、それに対するアリストテレスの反論が述べられているのは、今でいうところのいわゆる「〇〇警察」に関する諸問題に近いものを感じ、「今も昔も変わらないなぁ」とつくづく思いました。
 結論として、本書は読解の困難さはあるものの、その内容は現代においても十分通用するものであり、今後、物語に触れていくうえでも、とても役に立つ一冊だったと思いました。


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