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《KOFXV》八神庵 日中英セリフ比較〜勝利セリフ(汎用)編〜


以前オープンβ版プレイ時に八神庵のセリフについて触れましたが、実際にプレイしてみると、かなりのセリフ数が用意されていました( °o°)

キャラクターのセリフから妄想したことや、日中英のセリフを比較してみて気づいたことなどがありましたので、何回かに分けてまとめておこうと思います。

このシリーズは今のところ下記構成を想定しています。

  1. 勝利セリフ(汎用)

  2. 掛け合いセリフ

  3. 勝利セリフ(ストーリーモード)

  4. 勝利セリフ(VSモード)

今回は「1. 勝利セリフ(汎用)」についてまとめています。

汎用勝利セリフ(日本語のみ)の感想は以前のnote参照ください。



日中英セリフ比較

庵の汎用勝利セリフはβ版の時と同じく全部で20種でした。

誤字脱字あったらこっそり差し替えておきますm(_ _)m

ざっと見たところ、中国語のセリフは日本語に忠実に訳されていたのに対し、英語の方は結構直訳されていない所があって面白かったです。日本語・中国語圏はハイコンテクスト文化、英語圏はローコンテクスト文化だというのが改めてよくわかります。

以降、興味深かったセリフ5つ(上図黄色部分)についての感想です。
なお、私は英語教師でもなんでも無いただの一般人ですので、各セリフの直訳や感想は個人の妄想として受け止めていただければ幸いです。


1.安心しろ 地獄の業火はこの炎よりもさぞ温かろう

You should take heart. I bet the flames of hell burn hotter than mine.
直訳:
安心しろ 地獄の炎は俺の炎よりもきっと熱かろう

このセリフ、日本語と意味が逆なのがとても気になっています。ミスなのか意図的なのか…(笑)中国語の方はちゃんと「柔和róu hé(ぬるい)」になっているんですよね。

以前のnoteでも触れていますので、良ければ参照ください。

個人的には、おそらく英訳される方が「温い」を「ぬるい」ではなく「あたたかい」と誤読してしまったために起こった翻訳ミスではないかな〜と思っています。
日本語って難しいっすよね…(;-ω-)


2.貴様など余興にもならん 消え失せろ

Swatting flies ain't my thing. Buzz off.
直訳:
俺にハエたたきの趣味はない。消え失せろ。

余興にもならない相手との試合を「ハエたたき」に例えていて、思わず笑ってしまったセリフw

しかも、”ain't”という表現(be動詞(am / are / is)や助動詞 have(/ has)+ notの省略形)は、非常にインフォーマルな言い方。かなり口汚い表現でネイティブでない人は使わない方が無難です😂
「ハエたたきの趣味はない」と庵っぽく訳したものの、ニュアンス的には「ハエたたきなんて趣味じゃねぇんだよ!🤬」といった感じです(伝われ)。

Buzz off”も、そのまま”消え失せろ”という意味ではありますが、”Buzz”は元々蜂などがブンブン音を立てる事を意味するので、「ハエたたき」にも懸かっているのかなと思いました。

  • 余興にもならない相手との試合 = ハエたたき(Swatting flies)

  • 勝利して相手が倒れた = ブンブンうるさい音が止まった(Buzz off)

参百拾壱式・爪櫛とか、まさにハエ叩きっぽい(笑)

庵のぶっきらぼうさ(?)を英訳するとこんな感じになるのか〜というのがよく伝わってくるセリフでした😂


3.愚かさも極まればここまで無様 か 興がそがれた

Congratulations: you've mastered being an idot. Now stop wasting my time.
直訳:
おめでとう、貴様は愚かさを極めたのだな。では、もう俺の時間を浪費するのはやめてもらおうか。

日本語のニュアンスどこ行った!?っていうくらいの訳され方にめちゃくちゃ笑ったセリフ😂
英語圏のフォロワーさんも「日本語とだいぶ意味が違うね〜」とびっくりしていました(笑)

日本語版(星野さんのボイスのニュアンス)だと、
愚かな相手を見下げて、相手への興味喪失・無関心さが伝わってきたのですが、
英語版は、相手を皮肉ってイラっとしている雰囲気が伝わってきました。

冒頭の”Congratulations”は明らかに嫌味ですよねw
通常、何か努力をした結果、成功を収めた時(試験に合格した等)にCongratulationsと使われる事が多いです。
つまりここも「え、そんなに頑張って愚かさを極めちゃったの?m9(^Д^)」みたいなニュアンスを感じるw

「興がそがれた」という日本語のセリフが”Now stop wasting my time”に意訳されていたのも大変興味深かったです。
Congratulationsからの流れを考えれば、確かに「興が削がれた」とそのまま訳すのは不自然ですね。
イメージとしては、冒頭でニコニコしながら「おめでとう(皮肉)」と言いつつ、次のセリフで「俺の時間を浪費するな、馬鹿者が」と急に怖くなる。そんな温度差を感じたセリフでした(笑)


4.今際の際を迎えるその時まで 炎に包まれながら円舞曲ワルツでも踊れ

Dance in a fiery shroud, until the hands of Death claim you.
直訳:
踊れ、炎の帷に包まれながら 死神の手が迫るその時まで。

英訳が素敵だなと思ったセリフ。

「今際の際を迎える」で死神("the hands of Death")が出てくる所が西洋らしい。
「炎に包まれながら」が、英語で炎の帷(”a fiery shroud”)と表現されていた所が特に素敵だなと思いました。
日本語では「円舞曲ワルツ」と具体的なダンスの種類に触れているものの、英語では「Dance」だけで種類に指定がありません。その代わり、炎の帷(”a fiery shroud”)と表現することで、舞台の上で踊るダンスなのだと想像させられます。(ストリートダンスではない、クラシックなダンスの一種と妄想)


5.貴様のアンコールに応える義理などない

No encores. You're not worth my time.
直訳:
アンコールは無しだ。貴様に俺の時間を使う価値は無い。

日本語の意図をうまく汲み取って訳されているなぁと思ったセリフ。

通常「(〜に応える)義理は無い」は、直訳すれば「have no obligation to〜」というような表現になるかと思いますが、敢えてそう訳さない。つまり、庵のこのセリフの真意は「You're not worth my time.」にあるんだろうな、と。

ローコンテクスト文化に於いては言葉の通りにしか伝わらない事が多いですから、義理がある/無しの話ではなく、自分の時間を使うほどの価値が相手に無い、という事に重点を置いて訳されたのかな〜と妄想しました。

ちなみに、ヴァイスシュヴァルツというカードゲームでKOFのデッキが発売された時、庵のカード(オロチ編デッキ)にこんなセリフがありました。

喜べ…… アンコールに応えてやる。骨の髄まで炎に焼かれるがいい!

ヴァイスシュヴァルツ カードリスト 封ずる者 庵

オロチ編の時はアンコールに応えてくれたけど、新章に入ってからはアンコールに応えなくなった庵😂
歳を重ねるにつれてますます他人に興味が無くなってしまったのかな、とかそんな事を妄想しました。


セリフを比較してみた感想

外国語で悪口ってこう言うんだな〜、というのを庵のセリフから学んでいます😂
「くだらん奴だ」は「You miserable worm.」と虫ケラ扱いになったり、非常に興味深い(笑)

あと、これは言語上どうしようも無い事ではありますが、庵の”古風な言い回し”が、英語/中国語で表現しにくいのが非常に残念です。
冷徹な・粗暴なイメージを優先して訳されていると思うのですが、「円舞曲ワルツでも踊れ」の様な翻訳ももう少しあったら良いなぁ、と。
でも彼の20代とは思えない知性や貫禄はどうやったら伝わるんだろうか…😂

とはいえ、多くの海外KOFファンは格闘ゲームとして楽しんでいますから、キャラクターのセリフの内容はチェックしても、言い回しまで気にかける人はほとんどいないでしょうねw
普段厳しい態度をする分、猫と戯れる姿を見せた時のギャップで彼のキャラクター性が一瞬で伝わりますから、百聞は一見に如かずなのかもです(笑)


最後までお読み頂きありがとうございました。note会員でなくてもスキ可能ですのでお気軽にどうぞ🍀