技術者なら技術を究めつつも,周辺分野を知り,広い意味で技術者であれ.

今回は以下の点から,
"技術者のあり方"
について考察していきます.

・狭い意味での技術者,広い意味での技術者
・技術と周辺分野


狭い意味での技術者,広い意味での技術者

技術者はその大半がどこかの組織に所属して給料を得ているサラリーマンです.

そういった技術者は,
組織に所属し,
技術職に配属されたから
技術者である人は,
少なくありません.

技術者には,
本来は専門分野があります.

自ら専門分野を定義している技術者は,
主体性を持って,
"自分という軸"で技術を磨き続けます.

私はこういった方々を,
本当の意味での"技術者"と考えています.

技術者が技術を究めようとすることは,
職業人として当然です.

主体性ある"本当の技術者"は常に研鑽し続けるので,(精神的な意味での)"サラリーマン技術者"に対し,
どんどん差がついていきます.

技術者に限らず,
プロフェッショナルであるならば,
社会が求める価値は何かを常に考え続け ,
その価値を提供できるように,
研鑽し貢献し続けます.

技術者は価値を発掘し,
機能を分析し,
機能を機構・構造として,
実現することが仕事です.

そのためには,
狭い意味での技術者として,
目の前の機能を構造として実現するだけでなく,
広い意味での技術者として,
より上の視座から,
世の中に求められている価値は何かを知り,
価値→機能→機構・構造へ
思考展開することが必要になります.

社会の成熟に応じて,
社会が求める価値の種類は変わっていきます.

発展途上国に於いては,
生活を豊かするための
"基本的な要求"
を満たすことが求められます.

一方,
先進国に於いては,
"個々の感性に合った要求"
を満たすことへ,
価値観が変わっていきます.

また,
地域の多様性
(宗教・歴史・風土など背景にあるもの)
によっても,
社会が求める価値の種類は変わっていきます.

こういった価値観は,
社会の成熟の影響による変化を受けません.

より下流工程の話になると,
"製品に対する要求,機能,機構・構造"
を考えることになります.

"機構・構造"を実現するために,
どのような工具で,
どのような加工機で,
どのような加工法で行うかについて,
より上流から"言語化・図示"することにより,
"新たな生産方式からのより高い生産性の実現"
に繋がっていきます.

より上流から,より広い範囲で,
技術について考察することが,
下流にも影響を与え,
結果として,
より深く技術を発展させ,
本来の意味での価値提供に繋がっていきます.

技術と周辺分野

より広い意味での技術者としてあるためには,
技術という一分野だけでなく,
先述のように,
法律や経営といった周辺分野を知り,
掛け合わせることが重要になります. 

如何なる分野にも周辺分野は存在します.

例えば,
技術と掛け合わせるならば,

技術×経営→MOT
技術×法律→知財

このように発展していきます.

資格で見れば,

技術者→技術士(20部門)→技術士(総監部門)
             ×経営→中小企業診断士
             ×知財→弁理士
             ×法律→弁護士
etc.

 という見方ができます.

このように,
技術をベースに関連する分野(周辺分野)は無数にあります.

一般に,
理系職の方は理系科目の範囲内で専門を持っているので,
文系科目には弱いことが多いです.

一見関連なく見える遠くにある領域にこそ,
足を広げることで,
自身の領域が広がり,
技術をベースとした
"広い意味での技術者"
になっていくことができます.

技術者→弁理士×弁護士
など,
理系だからこその知見を活かしつつ,
文系領域に足を踏み入れる
"専門×専門のあり方"は,
ファーストキャリアを軸に,
どう発展させていくかというキャリアプランに於いても,
より広い意味での価値提供に繋げていくための,
大切な視点であるといえるでしょう.

閲覧頂きありがとうございます.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?