【2.6】実験と標準化のあいだのテンション (Tension between experimentation and standardization)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/26.html

■翻訳メモ
* あなたが気をつけたほうが良いテンションがある。それは、実験(experimentation)と標準化(standarization)の間のテンション。

* これはあなたが変容の旅の中で間違いなく直面するものなので、意識できるようになっていることに意味がある。

* 私達は、なにごとも標準化されていることが望ましいと考えるバックグラウンドを経験してきている。

* 多くのプロセスは書き出され、組織の中で同じように行われる

* 組織を再発明(reinvent)するにあたって、そのようなやりかたを選ぶこともできる。

* ただ、私が見てきた多くの組織は、違うルートを選ぶ。大きな方向性を示して、色んな人が実験することを奨励する。いろんな地域、職種などで、同じ方向だが、それぞれが違ったやり方をする。

* 例えば、ある小売のチェーンでは、セルフマネジメントを試している中で、それぞれの店舗が独自にチャレンジしていた。

* ある店舗では、現場の役割はフラットにして、一方で、高い役職はしばらくはそのままにしておいた。

* 他の店舗では、店長を交代させることに決めて、その上の上司に決めてもらうのではなく、自分たちでjob descriptionを書くことから始めた。

* 他には、店長をやめて、店長の役割を4人で分けて担った場合もあった

* そのやり方にはすごいパワーがあった。

* 実験(experimentation)と標準化(standarization)の間には、いつもテンションが生じる。

* 実験のメリットは、たくさんの学習ができる。何がうまくいって、なにがうまくいかないかを、たくさん試すことができる。

* また、多くの人が巻き込まれていく。人を動かそうとしなくて良くて、多くのエネルギーが生まれる。

* 標準化にも、もちろんメリットがある。実験を長くしすぎると、色んな人にとっては混乱のもとになる。全部のチームが違うやり方をする、誰に話せばいいかわからない、など。

* 一定の期間、実験してみることには価値がある。そのうえで、何がうまくいって何がうまくいかないかを学習してきたら、ベストプラクティスを標準化していけばいい

* これは役割の決め方にも適用できるし、意思決定の仕方、ミーティングの仕方、評価の仕方、など、色々なことをそうやって決めていけばいい。

* 一定のタイミングでシンプルにして標準化することにバリューがある

* 私からの招待(invitation)は、実験をするのに良いタイミングと、標準化するのに良いタイミングをそれぞれ見極めてほしい

* あなたのリーダーとしての個人的な好みに引っ張られないでください。標準化してものごとをクリアにしたいタイプの人にとっては、標準化を早く進めすぎてしまうことがある。

* そうやって失敗してしまう組織では、十分な学習ができないままで終わってしまうし、旧来的なトップダウンのような印象を受けてしまう。

* 一方で、実験をしすぎて、標準化を全くしようとしない組織もある。そうするといつも混乱が生じてしまう。

* そこでの思い違いは、新しい組織の中では、決して標準化をしてはいけない、と思っていることもある。

* もちろん透明性は必要だし、ゲームのルールが分かっている必要がある。

* 大事なのは、この新しい世界では、「今のゲームのルール」であって、誰でもそのルールを変えられる、ということ。

* 多くの組織が標準化をしない、もしくは遅くなりすぎることがある

* 概念的に「標準化すべき」「標準化すべきでない」ということを考えるのではなく、シンプルに、現実に何が起きているのかに目を向けてほしい。

* まずは実験から始めてみて、それから生まれる痛みが大きくなりすぎたら、標準化を試したほうがいい

* 私自身、面白いことを学んだのだが、中には決して標準化する必要がないものもある。

* 最初にそれを思ったのは、ビュートゾルフで、彼らは固定された評価方法がまったくない。

* あるのはシンプルなガイドラインだけで、チームは年に一度は集まって、互いのオペレーションを話し合って、フィードバックすること、だけがきまっている。ただそれ以上のやり方はチームに任されている。

* 標準化に意味があるのは、他の人達がどうやってオペレーションをしているかを知る必要があるとき。

* たとえば、パフォーマンスを図る指標を標準化することにはとても意味がある。他のチームと比較してうちのチームはどうか?を判断できる。

* あとは役割。最初はチームごとにバラバラでも良いが、しばらくすると、他のチームに話したいときに、誰に話せばよいかがわかったほうが混乱が少ない。そうやって役割をクリアにしておくとバリューがある。

* 一方で、いつまでも標準化する必要がまったくないものもある。チーム内で行われることは、必ずしも標準化する必要はない。

* 私達は標準化するという世界になれすぎていて、標準化することの力を過大評価し、モチベーションに基づく新しいやり方のもつ力を過小評価してしまう傾向がある。

* ここでの大事なインサイトは、コンセプトや概念から考えるのではなく、その状況を具体的に見ることから始めて、この常用ではどこにテンションがあるのか、どこに痛みがあるのかを見て、実験を進めるべきか、標準化がいいのかを見極めることが必要になる。

■お願い
動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。
この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。
https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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