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#1 JINENコトハジメとは? / JINENコトハジメ

・JINENコトハジメというPodcastの文字起こしを中心としたpostです
・ PodcastはAnchorSpotifyApple Podcastなどで公開しています
・【文字起こし】の部分は無料で公開しています
・【解説】や【参考文献】を追記した後は有料公開にする予定です
・ コメントや質問用のFacebookページを用意しています
 (どなたでもお気軽にご参加ください)

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【Podcast #1】

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【文字起こし #1】

山田:
JINENコトハジメのPodcast第1回、始めたいと思います。
このPodcastは、自然経営研究会の発起人の1人である山田がいろんな方と一緒に話をしていこうというシリーズです。
今回は聞き手として可奈さんをお呼びしています、よろしくお願いします。

可奈:
よろしくお願いします。

長谷部可奈さん(かなさん)
創業56年、従業員数約1,000名のシステムインテグレーター(SIer)に勤務。社員の人柄と温和な社風にひかれ新卒で入社、現在15年目。SE、プロジェクトマネージャー職を経て、現在はサービスデザインやデジタルトランスフォーメーション(DX)案件の支援を担当。サービスデザイナー。
学生の時のアルバイトでチームで成し遂げる楽しさを味わって以来、組織のマネジメントに関心を持っており、ティール組織きっかけに自然経営研究会と出会う。幼少のころから動物が好きで自然とのつながりを感じながら育ったため、自然経営研究会の生態系をイメージさせる「自然(じねん)な在り方」に共感している。
社外ではアクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)主催のほか、女子大学生を社会変革の担い手にすることを目指すNPOハナラボでの活動など、自分の問題意識やワクワクに忠実に活動。「好奇心に突き動かされて学ぶ楽しさ」を感じる学びの場づくりを行っている(ワークショップデザイン、ファシリテーター)。

山田:
今日は第1回ということで、自然経営の中身を語る前に、そもそもこのPodcastのシリーズは何なのか?どういうことをやりたくて始めるのか?をイントロ的に話したいと思います。

もともと何で始めたかというと、一番最初は「自然経営の本書きたいね」と、1年半ぐらいから言っていて、武井さんから「早く書けよ」とずっと言われ続け、平手さんやエッセンシャル出版さんともお話をさせてもらってきました。
自分なりに目次の項目を作ってみたりして、「だいたいこんなこと書きたい気がする」というのは見えてきた。

その中でこれ何のために作るんだろう?という話をしたときに、自然経営研究会は、ここ最近いろいろ活動も広がって、関わってくれる人も増えてきたときに、キャッチアップするまでにすごく時間がかかる。
今までは「一緒に体験すればわかるよ」と言ってきたし、その体験の大切さは今でもすごく思ってるんだけど、「その場を5回10回一緒にするとなんとなく伝わるよ」だけだと、そこに至る前に分からなくなったり、何が本当に伝えたいかわからないことが出てくる。
なので、入り口のガイドブックみたいなものがあるといいと思い、そんなことに繋がるような本を作りたいと思っています。

ただ、書こうと思ったんだけど、自分で書くと難しいということに突き当たり、何万字か書いてみたもののそんなにしっくり来ず、みたいな試行錯誤を何回かしていて、「とりあえず喋ってみよう」となったので、相手を選んで始めてみることにしました。

ではこのPodcast自体、どんな内容で作っていくかというと、聞き手役の方に、「この辺はこう思ってる」みたいなことを、作ってある目次を基に説明していきます。
聞き役は毎回お相手も違うし、例えば8回目くらいに初めて登場する人もいたりするので、「その話聞いたことない」とか、ぜひ素朴にその場で一緒に出してもらいたい。
そうすると、「前の話とどう繋がってるんだっけ?」とかが分かりやすく見えてくる。そうやって聞き手役の方とやりとりしながら作っていくと、一辺倒な説明ではなく、自然経営を「立体的に捉える」みたいなことになりそうだなと思っています。

冒頭に言ったことの中で、個人的に大事だなと思っていることは、「あくまでこれは僕が捉えている自然経営」だということ。
これが正解ではないし、「発起人の1人である山田が喋ったから正しい」とか「武井さんが喋ったから詳しい」ではなく、色んな立場で色んな方にその人なりの説明の仕方があるとわかること自体すごく大事だと思うんですね。
その中の1つとして、僕なりの観点で捉えていることを、話しながら一緒に作れれば良いなと思っています。

初回、可奈さんに来ていただいたのは、この半年ぐらいGuriGura-Castというのを作ってきた中で、その感覚を一緒に共有しながら、こんなことを作りたいなというイントロができればいいなと思ったからでした。

ちなみに今後、このPodcastシリーズ全部で20数本になると思うんですけど、この辺のことは気をつけて作る、こういうことを大事にする、とか何か振り返って思うことありますか?

可奈:
GuriGura-Castを作ってというよりは、今の山田さんの話を聞いて、Podcastをどう聞けばいいんだろうっていうのをイメージしてたんですけど、「自然(じねん)の森のウォーキングセッション」みたいだなって思ったんですね。毎回が。
自然の森を山田さんと一緒に歩いてて、山田さんは「こういうふうに歩いたらいいと思うよ」と言ってくれてるのを、私が「うんうん」って聞きながら過ごしてるのかなって思って。
さっき「正解じゃない」って言ってた通り、自然の知識を学ぼう、自然経営を理解しようと思って聞くんじゃなくて、「山田さんから見えてるこの森はどういうふうに見えてるんだろう?」と、山田さんに憑依するじゃないですけど、そんな感覚で一緒に森を歩いて同じものを眺めながら、「僕にはあれはああいうふうに見えるんだよ」という説明を、一緒に聞いて歩くような、そういう感じで聞くといいのかなって今思いながら聞いてました。

山田:
なんか、さすがなコメントで返すことがなかったです笑

一緒に体験するのでも、捉えてるものも人によって違うし、何を大事にしたいかもそれぞれ違う中で、たまたま一緒に歩いていて「僕はこの辺に目をつけているよ」ということを、3年ぐらいやってきている中で多少は解像度高く見れるところがある気がするので、今言ってくれたみたいに、そういうのが少しでも感覚的に伝わってくとすごく嬉しいなと思いました。

可奈:
そうですね、森の素敵なところを山田さんが20パターン紹介してくれて、今日は天気がいいからこのコースにしようかとか、最近そういうこと思ってるんだったらこっちのコースにしよう、みたいな、そういうPodcastだなって思って、これから先が楽しみだなって思いました。

山田:
こんな感じでPodcastを1つあたり15分-20分ぐらい撮りつつ、目次が今のところ20個くらいあるので、それは一つずつやっていく予定です。
あと、今のところ考えているのは、それを文字起こししたものをnoteとかで文字情報にもして、「この辺はもうちょっと書き足したいな」と思ったこととか、参考になる本・ビデオ・記事とか、これも見るとより豊かに森が体験ができるなって思ったものを貼っていくと、ライブで出てくるものプラス、文字にして僕も書き足してみたいなことになっていくと、ライトなガイドブックとしていいものができるかなっていう気がします。

可奈:
山田さんはこれ聞き終わった後に、どういう気持ちになってくれると嬉しいのかなって思って、モヤモヤしたまま終わって欲しいのか、何かインスピレーションを掻き立てられるような、受け止め方されたら嬉しいなあとか、何かありますか?

山田:
「そうじゃない」と思うのは、さっき言ってくれたように、「すごくよく理解した」「これが正しいものだ」みたいなこと。
何か一つでも「自然経営ってなんとなくこんなことなのね」という、ぼんやりとした手触りみたいなことが、聞いてる人の中に残ってくれるときっといいなと。

中には、「何かそれはちょっと違うかも」とか「違和感がある」とかっていう感覚があっても全然良いと思うし、その違いが見えてくること自体にもすごく意味があり、そこから先に豊かな学びがありそうな気がする。
何か輪郭の世界観をなんとなく一緒に共有できると嬉しいなっていう感じはしますね。

このPodcastのシリーズ、まずは僕の説明をメインに、質問をもらったり一緒に対話したりっていうのをしようと思ってるんですけども、番外編的に、「じゃあ武井さんどう見えてるんですか?」を2人で喋ってみるとか、色んな人がその人から見えてるものを対話するっていうパターンを取るのも良さそうな気はしています。
そういういくつかのパターンから、自然の森の体験が、「一緒に体験すればわかるよ」よりも、少しでも分かりやすく伝えられるもの、そのライトな実感に繋がると嬉しいなと思います。

可奈:
ありがとうございます。もう1個、聞いて受け取った印象とかをフィードバックできるような場。例えばブログの下のコメント欄を活用するとか、何か聞く会をやる、Facebookに上げてそこにコメントつけてみんなの足跡が残ってるみたいなのが出来たら、聞く側もフィードバックできる場所があって嬉しいし、喋ってる側も嬉しいなって。

山田:
そうですね、これを起点にやりとりが進むこともすごくいいなと思ったので、Facebookのページかグループを立ち上げて、Podcastが出来たのを貼って、見た人がFacebook側でコメントを書ける。
その流れも作っておくと、そこでいろんな観点も出てくる気がするので、ここまでセットでやると良さそうですね

可奈:
あと目指してるのは追体験なんだなって思いました。
山田さんの口からの「伝承」じゃないですけど、「昔こんなことがあってな…」みたいなのを聞くような感じで、そのストーリーを通して追体験をする場になったら素敵なのかなってちょっと思いました。

山田:
そうですね、近いかもしれないですね。
「正しさ」を説明して伝えたいわけではない、というときに「一緒にやってればわかるよ」に変わる体験を作るのは、このPodcastや、さっきのFacebook上でのコメントやりとりが、とても良さそうだなっていう感じはします。

では、初回はイントロダクションという感じで、次回以降、中身の方、それぞれの体験を共有できるようなことを作っていきたいなと思います。
ということで第1回は一旦これぐらいで終わります。
可奈さん今日はありがとうございました。

可奈:
ありがとうございました。

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【解説①】 自然経営を「理解」だけで伝えきることの難しさ

今回の聞き手の可奈さんがコメントしてくれた「このPodcastは、自然(じねん)の森の中のウォーキングセッションみたいな体験」という比喩が、的確すぎるくらいに的確な表現でした。振り返ってみればこの一言が語られるためにこの回があったような気さえします。
(これを受けてロゴやカバー画像なども「森の中を歩いてる」ようなものに全部変えた…笑)。

冒頭に語っているとおり、このPodcastは「自然経営を本にしたい」という想いから生まれています。
より正しくは、「本にする」ことがうまく進められなかったので「語ってみる」を試してみています。

この「本がうまく進められなかった」大きな要因の一つは、自然経営というものが、どこまで行っても「理解」だけでは伝えきれない、と私自身が実感していることにあります。
どれだけ言葉を尽くして説明を書いても、心のどこかで「この説明で言えているのは、ある一面でしかない。現実には他の場合もあって、そのときには・・・」などと感じて、自分が書いたそのものを逆方向から捉え直す(場合によっては否定的なことを書く)ようなことを何度も繰り返しました。

自然経営においては「自然の摂理に沿って」「生き物を扱うように」組織を運営することを目指しています。究極的には、自然経営を説明するとは「自然の摂理とは」「生命とは」を言葉で表現しようとする営みに近接していく、とも言い換えられます(なんともおこがましい話ですが…)。

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【解説②】「体験」を共有することで「結果的に」伝わる

また、これまで3年近く自然経営研究会という活動をしてきた中でも、共感して頂けた方、運営面の活動に加わってくれた方などは、決して「理解した」から関わりを深めたわけでもなかったように思います。

「自然経営が何なのか最初は良く分からなかったし、むしろ今でもよくわかってないかもしれない。けど、ここにいる人たちの空気感や雰囲気が心地よいと思って、もっと知りたいと思って色んな活動に関わるようになった」
「運営に関わり始めたばかりの頃は、『これを進めるには、誰の合意を取れば良いのだろう?』と戸惑うことが多かった。
ただ、何度も関わっている中で、武井さんや山田さんに聞いても『それ良いですね』『やってみましょうよ』と言われることばかりで、段々と『とりあえずやってみれば良いのかな?』と考えるようになった」

(いかにこれまで「分かりやすく伝える」ことが出来なかったか、という反省はしつつ・・・)
こういったコメントをこれまでに聞いてきたことを振り返っても、共通の活動を通じて、その場に流れる空気感をともに味わい、議論の方向性やそのときに大切にする観点などを共有し、さらにはその本人が「試しにやってみる」ことを通じてより実感を深め、、、というように、「体験」を通じて「自然経営とはどんなものか、何を大切にしているか」が結果的に伝わっていくという積み重ねだったように思います。

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このPodcastは、まだ試し始めたばかりですが、今回のように話し手(山田)が提示した一つの視点をもとに、聞き手(ゲスト)の対話を積み重ねていきます。
その中で、多角的・多面的に自然経営を捉えることができ、ひいては「自然の森を歩く擬似的な体験」へとつながっていけば嬉しいです。

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