【2.7】「車輪の再発明」に意味はあるのか?(Is there value in reinventing the wheel?) 山田裕嗣 / Yuji Yamada 2018年9月1日 01:36 ※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。------------------------------------------■元のURLhttps://thejourney.reinventingorganizations.com/27.html■翻訳メモ* 本のためにリサーチしているとき、また出版してからも、多くの人と話していて、面白いことを学んだ* それは、試行錯誤しているチームや、「車輪の再発明」をしているチームにも意義がある、ということ* 私達は、ミスを避けられるときは避けるべき、混乱は回避するべき、という考え方が染み付いてみる* ただ、変容の中では、それは必ずしも正しくないかもしれない* 最初にそれを思ったのは、ビュートゾルフのCEOに話を聞いたとき* 彼らの最初のチームは2007年ごろに始まったが、そのチームは手厚いサポートを受けすぎた* 彼らにはコーチがついて、たくさんの時間を一緒に過ごしてくれた。* そのチームは、後のチームほど試行錯誤しなかった、すなわち、後のチームほどは学ばなかった。* 今は40-50チームに1人しかコーチを付けないことで、コーチがあまりたくさんの時間を特定のチームにかけないようにしている* なぜならチームは試行錯誤した期間や、コンフリクトが生じることを通じて、チームが強くなり、一体感が生まれる、と今は考えているから。* ほかにも、ミシュランのリーダーたちと話していたときに、いろんな工場で試した結果、70000人の工場で働く人たちにセルフマネジメントを実践しようとしている* 彼らはチームにどうやってオペレートするかは決して教えない* チームには原則(principle)は教えるが、それ以上の細かいやり方はおしえない* もちろん、たくさんの実践をしているので、教えようと思えば教えられる具体的な実践の仕方は色々ある。* そのかわりに、原則だけを教える。たとえばチームが自分たちでどんどんやるので、サポートは声がかかったときに動く* 例えば、マネージャーがやっていたタスクはチームに分散化される、など。それもプリンシプルなので具体的なやり方は教えない。* ホールネスに進むチームであれば、採用のプロセスで、スキルで雇うのではなく、私達のビジョンと同共鳴できるかで選ぶ。* もしくは、スペースを用意して候補者の物語を語ってもらうようにする。それも原則で、やり方ではない。* すでにうまくいく具体的なやり方を知っているのに、なぜ、それを教えないのか?なぜ試行錯誤するように促すのか?ときには失敗もするのに。* ミシュランの人が言うには、そこにはアンラーニング、リラーニングがある。* それは、自分たちが試行錯誤してこそ起きる。やり方を教えてしまうと、背後にあるものの見方を学ばずに、やり方だけを覚えてしまう* 私自身は、プラクティスを教えることに熱中してしまう。中にはあまりに違うやり方があるから自分たちでは作るのが難しいものある。* ティール組織の書籍の中でも、サウンズトゥルーという組織で行われる非常に美しいフィードバックのやり方をとっている。* それをそのまま真似するほうが簡単なのではないか?と思ってしまう* 良いやり方があるときに、そのままやり方を伝えるのか、プリンシプルを伝えるのか、どっちを選ぶのか?というのを、多くの人と話してみた* デ・ブロックやミシュランは、試行錯誤を通じてアンラーニングやリラーニングをすることに意味がある、と考える* 一方で、具体的なやり方を伝えることにも意味がある。それはあまりに珍しかったり、違ったやり方なので、ほとんどの人が作れない、もしくは作るのにすごく長い時間がかかってしまうことがある。* それならば、最適なやり方は、プリンシプルを教えて、やり方は2-3の具体例を伝えることがいいのではないか。* そうすれば、1つをそのまま選ぶことは難しく、いくつかを比較しながら考えなければならない* もしくは、プリンシプルをしばらくかんがえたうえで、しばらくしてから具体的なことを教える* これはリーダーシップの役割も変えた。* 古典的には、リーダーは失敗を回避させるべきだった。ものごとか効率よく進むように。* リーダーの役割として、よく観察して、いつ介入するかを見極めることが求められる* あるグローバルな会社では、フランスの支社が最も先に進んでいて、すでにいろんな失敗も経験していた。* その立場からは、他の拠点が失敗するのを見るのはとても苦痛だった* どうすれば助けられるか?ということを考えていたが、そもそも、助けることをやるべきか?という議論があった* ミスをすること自体が、組織が強くなるきっかけになる* 多くの組織で、極端に振れるケースがあった。あるときは古典的、官僚的すぎるし、あるときは逆に振れて一切の階層をなくしてしまう。* そのどちらもがうまくいかなかった。そこから自分たちで考え始める* その振り子の動き自体が、アンラーニングやリラーニングの自然なプロセスなのではないかと思う* リーダーとしてはそのことを理解して、いつ介入するか、「車輪の再発明」を止めすぎないか、ということを考えてほしい* 他の人の中には、リーダーの役割は失敗が起きないように支援することだ、と考える人も居る。なので居心地が悪いかもしれない。* あなたへのインビテーションは、改めて、チームが試行錯誤する期間があることはいいことなのか?意味があることなのか?を考えみてほしい。■お願い動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html #組織論 #ティール組織 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート