【5.1.12】テンション(緊張関係)を自然に解決する(Natural resolution of tensions) 山田裕嗣 / Yuji Yamada 2018年4月18日 01:39 ※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。------------------------------------------■元のURLhttps://thejourney.reinventingorganizations.com/5112.html■翻訳メモ* 本を出してから、セルフマネジメントに関するブレイクスルーがあった* トランジションが始まると、リーダーの役割は、自ら問題を解決するのではなく、システムが自ら緊張関係(tension)を取り除けるようなコンテキストを作ることに変わる* 最初にこれを感じたのは、大学病院のCEOと話したとき。3つの違う問題を話してくれたが、全部おなじ原則から生じていた* 1つ目のエピソードは、その病院では色んなユニットで看護師が分かれているが、ある1つのチームでは看護師が多すぎた。ところが他のユニットでは仕事量が多すぎた。* 自然なことは、このチームの間で人数を調整すること。* CEOはそれを古いやり方でやりたくなかった。セルフマネジメントの思想で対応しようとした。* 人数が多すぎるユニットにいって、「スタッフの人数について、どうすればよいかを自分たちで考えてみて」といった* 数週間後に、その結果として「自分たちの人数は多すぎない、適正である」といわれて、CEOは非常にフラストレーションを感じた* 十分な成熟度がそのチームにはなかった* 私がこのCEOと話した中で、この問題に取り組むにあたって、彼女がチームをエンパワーしたのは、「システムが自らテンションを解決する」には良いアプローチではなかったと気付いた* この組織のテンションは2つのチームの間にある。CEOとチームの間にあるわけではない。* この場合、CEOはユニットからそれぞれ人を集めたミーティングを開いて、そこで「どこが人数が多すぎるのか、少ないのか」というのを話し合う。* 人数が多すぎるところが、他のチームに対して「そんなことはない」とは言えない。お互いにそれを知っている。* 興味深いのは、CEOやリーダーの役割はやはり残っていること。そのミーティングの場を持って、適切な問いを立て、システムが自らテンションを解決できるようにすること* 2つ目の事例で、セルフマネジメントに移行する中で、旧来のやり方、計画、マイクロマネジメント、メンバーのモチベーションを下げるようなマネージャーが居た。その人にどう対応しようか、という話になった* ここでも、「どこにテンションがあるのか?」を考える。彼女と、ディモチベートされているメンバーとの間にある。CEOとマネージャーの間にあるのではない。* このテンションが自ら解消に向かう、適切なコンテキストのデザインは何か?を考えること* やはりCEOやリーダーには役割がある。* 最後の事例。同じ病院で、セルフマネジメントうまくできているユニットがあった。ここはチームリーダーが不在で、看護師たちがセルフマネジメントで上手く回っていた。* ただ、CEOは「質を良くするのはうまくいっているが、財務的にはうまくいっていない」ということを教えてくれた。看護師たちはそこを気にしていなかった* この頃には私も分かってきていたので、やはり「どうすればテンションがデザインできるか?」と聞いた* 財務が気になる人もいるが、そうじゃない人もいる。* 1つの考えられるアプローチは、看護師に財務情報をシェアすること。毎月それを見ることになれば、テンションを解決するコンテキストができるかもしれない* 単にその看護師たちに聞いてみてもいい。どうすれば健全になるか?と。本人たちがその痛みを感じられるようになれば* リーダーの役割は、問題を解決するのではなく、コンテキストを作ることに変わる* 一度コンテキストができれば、制度化できるようになる。* さきほどの人数のバランスが崩れている事例で言えば、一度ユニットをまたいだミーティングがあって、6ヶ月ごとにそれをやろう、といえばリーダーは関わる必要がなくなる■お願い動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html #組織論 #ティール組織 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート