【1.10】新しい組織におけるリーダーの役割(Your roles in this new world)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。
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■元のURL
https://thejourney.reinventingorganizations.com/110.html

■翻訳メモ
* CEOやトップリーダーが「新しい組織における自分の役割は?」で悩むことをよく見る

* 今までの上から命令する、とは違う。

* 一歩引いてみると、与えられるものや貢献できることが多くある

* 組織の中にいる人からも、いなくなってしまっては寂しいし、もっとやってほしいことがある、と思われることも多い

* CEOやトップリーダーも、他の組織のメンバーと同じことをしてほしい。役割や肩書を固定された箱として考えるのではなく、粒の細かい(granular)役割の集まりとして捉え直してほしい。

* ビュートゾルフでは、チームにマネージャーがいない。マネージャーがやっていたものは粒の細かい仕事にブレイクダウンされている。採用、フィナンシャル、ローカルとのつながり、など。マネージャーがやってたことを分解している

* トップリーダーもこれと同じことをしてほしい

* トップリーダーの役割は、少なくとも8つに分けられる。私の考えなので、このビデオを見た上で他にもないか考えてみてほしい。

* 2つは昔のピラミッドの組織にあって、今でも存在するもの。

* 1つ目は、組織としての外向きの顔になること。それを色んな人に分けることがはできるが、少なくとも存在している。

* 2つ目は、センシングと、組織にビジョンを提示すること。これは、ピーターカーニックという人のsourceという考え方を参考にしている。

* 彼は、何百人の起業家と話す中で、あらゆる組織にはsourceがある。組織に何が必要で、何が良い意思決定なのかに直接のアクセスがある人がいる。

* ある組織で、家長(patriarch)のような存在の創業者がいたとする。その人に特有の雰囲気や重みがある。ある日、創業者が息子や娘に跡を継いだとして、その特有の重みは存在しないことがある。

* ただ、引退した家長が久しぶりに顔を出すと、みんながその人に集まってくる。sourceから話を聞きたいから。appleのスティーブジョブスは典型的な事例。

* ピーターカーニックは、sourceは自分がいつその特有の情報チャネルとつながって話しているのかを明確にしないといけない、と言っている。いつ自分がsourceから話しているのか、いつ自分のegoから話しているのか、それを明確にしないといけない

* ピーターカーニックは伝統的なピラミッドの組織と取り組んできたが、ビュートゾルフのような新しい組織でも、sourceにアクセスが有る特定の人がいる。ただし、新しい組織ではsub-sourceに色んな人がなっていける可能性がある。それでも、ある一人はその特別なsourceへのつながりを持っている

* 今でも組織にはsourceが必要なのだとすごく強く思う。それが誰なのか?をはっきりさせる。

* もしかすると、これは「一人の人が特別によく知っている」という、古いヒエラルキーと同じじゃないか?と違和感を持つ人がいるかも知れない。

* しかし、このことはもっと詳しく見てみる必要がある。

* これは、一つの役割でしかない。以前の組織でやっていたことと違うのは、あなた自身も、センシングしてビジョンを提示することもできた。

* また、一つの役割であって、他の人よりも意思決定の権限を持つことを意味するのではない

* 興味深いのは、sourceから話しているときは、周りはありがたいと感じるし、エゴから話したり意思決定しているときは、周りはそれを気に入らない。

* こう考えることもできる。あなたは翻訳者でしかない。特別なチャンネルからくる情報を代わりに伝えているだけ。

* ある日、sourceが組織を離れたのならば、公的な儀式を通じて、sourceへつながるひとは引き継がれている必要がある。そうすることで、前の人が次の人に渡すのだ、ということを表明することができる。

* これがリーダーとしての2つ目の役割。

* 一方で、以前であれば90%の時間を使っていたような、2つの役割は完全になくなる。

* 1つ目は、個別の内容(contents)の意思決定。これまでのリーダーはミーティングに次ぐミーティングで、意思決定を重ねていく。それはほぼ完全になくなっていく。

* 色んなCEOから話を聞いてみると、ほとんどしなくなったといっている。

* もちろん、アドバイスプロセスの一環として、色んな機会でアドバイスを求められることはある。

* なくなる2つ目は、システムにプレッシャーを掛けること。

* 古典的な組織では、もっと早く、安く、効率よくできないか?とプレッシャーを掛けることがCEOの役割の一つ。

* 予算、前月比の成長、賞与など、色んな仕組みでこれを促進していた。

* 新しい組織では、組織のシステム自体がその役割を担うようになる。

* そして、4つの新しい役割が生まれる。

* 1つ目は、スペースを保持すること。

* 組織のほとんどの人は、伝統的なヒエラルキーで育ってきて、それに慣れている。たくさんの学び直しが必要になる。

* 多くの場合、よく知っている古いやり方に戻ろうとする。ルールを作ろう、伝統的なやり方をやろう、など。それはいつでも起きる。

* リーダーの役割は、スペースを保持すること。違う違う、それをやりたいわけじゃない、と言って、なぜその古いやり方に戻りたくないかを説明すること。

* 最初は、それはトップリーダーの仕事になる。いずれ、色んな人がその役割をモテるようになるのが望ましい。

* 2つ目は、3つのブレイクスルーのロールモデルになること。

* 少し時間を取って考えてみてほしい。どうやって、日々、ロールモデルとして振る舞えるか?

* もちろん、100%正しく振る舞えるわけではない。あなた自身も学び直しが必要になるから。それでももちろん構わない。

* そのときに、「ごめんなさい、これがやりたいわけじゃない、本当はこうしたかった」といえば、それがロールモデルになる。

* 3つ目は、他の人に機会を提供すること(making invitations)。以前の役割であれば、問題があれば、CEOが引き受けていた。私が決める、私が誰かに処理させる、という振る舞いをした。

* ここに根源的なシフトがある。新しい組織では、全く逆のことをやる。自分がビジョンを伝えた上で、他の人がそこに取り組むように招き入れていく。

* 「予算を組まなければいけないが、誰か新しい予算の立て方に興味がある人はいないか?」「評価の時期だが、これを新しいやり方で考えたい人は?」など。こうやって継続的な招待を出すこと。

* 4つ目は、個別の内容(contents)に関する意思決定はしないが、意思決定のコンテキスト(context)を作り出すこと。

* いずれ、組織の中でもこれは上達していくが、最初はCEOがその役割をする必要がある。

* 意思決定してほしいと頼まれたときに、自分が解決するのではなく、代わりにそれを取り除けるミーティング、場、関係性を作ること。

* 意思決定のために上に挙げていくのではなく、テンションが発生したその場で自ら解決できるようになっていくこと。

* これまで、8つの役割を話していく中で、それぞれが細かい粒に分かれていっていることが感じてもらえたのではないかと思う。

* 新しい世界のロールモデルとなるには、あなた自身がどの役割から話しているのかをはっきりさせるといい。

* 「スペースを保つ役割としては、こう思う」「コンテキストを作る役割としてこう思う」など。こうやって役割をはっきりさせて、それを表明するようにすればいい。そうすることで、周りもその役割であなたを見えるようになる。

* こうやってはっきりさせることで、色んなリーダーが肩の力が抜けた、という話を聞いた。

* 「私がsourceとして感じれることを、そのまま話せばいい」「スペースを保持する役割は自分が持っている」それをそのままやればいい。

* 最後に、これはリーダーにとって、もっとやることを減らしていくことにつながるはずである。

* 特に意思決定を担うことはたくさんの時間とミーティングを使っていたと思う。これがなくなって自由になる時間がたくさんできる。

* あるNASDAQのリーダーに1週間の予定を聞いたら、4つのミーティングしかなくて、そのうち2つは私との予定だった。そうやってリーダー自身も休みを取れるようにもなった

* たくさんのミーティングがあるが、こんなに必要なのか?もっと手放せるものがないか?と考えてみてほしい

* 見直しができれば、新しい役割、あなたがやるべき役割にもっと時間を使えるようになる

* 一歩引いて組織と関わることで、他の人にとって色んな機会を提供することができるようになる。

■お願い
動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。
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https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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