風力発電など再エネの理解を得る難しさ
三重の風力発電事業計画は松阪の二つ以外にも、津で「平木阿波ウィンドファーム」のが継続中。先日、県が事業者のGPI提出の「環境影響評価準備書についての意見の概要と事業者の見解」を公開。
同資料を読むと、やはり、地域内外からの反対意見が多数を占め、住民説明会に参加した感想や不満を綴ったものから、反対派の「勉強会」やネットなどの伝聞情報をもとに同事業計画並びに事業者を非難や誹謗するものまである。今回に限らず、コピペを含め重複している意見もあるので、同一人物や組織的な活動も伺える。
数ヶ月前、気候活動家との対談記事でGPIの担当者は最後に「風力発電所から発生する低周波や騒音と健康影響の明らかな関連性は、現段階では見当たらないことや、周囲の生態系への影響は何が考えられるかを伝えるなど、再エネへの正しい理解を促すための発信を一緒にしてほしい」と話していたが、その段階までまだ長い道のりがあるような気がしてならない。気候活動家が冒頭の方で口にした「気候変動対策はスピード感を持って進めなければならない一方、実際にどう再エネを拡大していくか、想像できていない部分もあります」という言葉どおりなのかもしれない。
では、どうすれば、再エネ拡大を想像出来て再エネへの正しい理解を促すことに繋がるのかを考えると、例えば、風車が回るたびに発電で電気やお金を生み、系統内の火力発電の燃料制御でCO2が減り、それらの利益が地域に還元される仕組みを、もっと可視化出来ればいい。現状では、一連の過程が不透明で公正かどうかの判断もしづらく、あらゆる疑念や誤解が絶えず、逆効果になっている。
最初の印象が大事であって、後手にならないように日常的な情報発信や地域住民からの質問等の受け答えは必須と言える。津のも松阪のも、メディア対応の遅れが無駄に状況の悪化を招いたように見える。
10/23/2022 加筆修正済
参考:
(仮称)平木阿波ウィンドファーム事業及び(仮称)平木阿波第二ウィンドファーム事業に係る環境影響評価準備書についての意見の概要と事業者の見解
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001041527.pdf
もし地元に風力発電が建ったらどうなる?「再エネ」のリアルをZ世代が専門家に聞いた
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_622ef9d2e4b0d1329e8740be
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