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#1万円のエール(毎日読書メモ(275))

昨日(2022/3/20)の朝日新聞に、朝日新聞の好書好日と図書カードNEXTの共同広告が出ていて、「進学や就職のプレゼントに、図書カードNEXT」をお勧めしている。節目のお祝いに1万円の図書カードを贈ったら、それはどんな本になるだろう、という期待をこめた広告。

で、広告に出ていた本(9,977円相当)が、自分だったら選ばないな―、というセレクションだったので、なんだか引っかかって、書いてみる。いや、贈る人は額面10,000円の図書カードを贈るだけなので、それで何を買うかは、贈られた人側の問題なんですが。
で、わたしが引っかかった本のリスト。
重松清『卒業』新潮文庫 781円
小池昌代『おめでとう』新潮社 1100円
五木寛之『あなたの人生を、誰かと比べなくていい』PHP研究所 1100円
宮川大助・花子『あわてず、あせらず、あきらめず』主婦の友社 1650円
ターシャ・テューダー『何があっても前を向いて』KADOKAWA  1760円
岩渕真奈『明るく自分らしく』KADOKAWA  1650円
細谷亮太『きっと「大丈夫。」』佼成出版社 1320円
辻仁成『父』集英社文庫 616円

いや、1冊1冊はそれなりにいい本のような気がする。わたし自身は読んだことない本ばかりだけれど、それぞれの本に対してネガティブな気持ちはない。でも、1万円あって、8冊位好きな本が買えるなら、この取り合わせはないのでは、と思うんですが。

ちなみに広告は2バージョンあって、地域によっては別の本で1万円分のセレクションになっているのだが、最初の2冊だけ一緒で
重松清『卒業』新潮文庫 781円
小池昌代『おめでとう』新潮社 1100円
藤田ひろみ『いつも一人で頑張ってしまうあなたへ 女性が自分らしく働くためのヒント』幻冬舎新書
織田友里子『ひとりじゃないから、大丈夫』第三文明社
キム・スヒョン『頑張りすぎずに、気楽に - お互いが幸せに生きるためのバランスを探して』ワニブックス
坂田阿希子『カレーが食べたくなったら』文化出版局
谷順子『帰っておいで』文芸社
青木さやか『母』中央公論新社
の8冊。うーん、更にピンと来ない。もやもや。

自分の趣味だけで語ると、もっと直球で小説を読みたい、というのと、自然科学分野、芸術分野等、もっと幅の広い本に触れたい、という気持ちがある。

キャンペーンとして、あなたが1万円分の本を贈るとしたらどんな本を贈りたいか、という本のリストを応募して、当選者に図書カードNEXTが1万円分当たる、という懸賞があるのだが、いや、図書カードを贈るということは、贈られた人にすべてが委ねられるということだろ、と思うのだ。こういう本を読むように、と押し付けるのであれば、最初からその本を買って送り付ければいい訳で。
1万円分の図書カードを貰った人が何に使ったって自由じゃん。例えば『ONE PIECE』の単行本が1冊484円で、それを21冊買えば10000円をちょっと超える。既に単行本は100冊以上出ているけれど、そのうち5分の1位を買うのに、貰った図書カードを全部使ったっていいじゃん。

勿論こんな本を読んでほしいなー、という希望のリストを贈るのは自由だ。
でもそれだとしても、上記のような偏向した(と敢えて言ってしまう)リストでなくていいじゃん。どう生きるか、ということはそれに真正面から向かった本を読むことだけで学ぶことではないよね。

もっと自由な読書リストを見たいと思う。

既にTwitterの「#1万円のエール」タグで、色々なブックリストが提示されていて、それぞれに興味深いが、贈られた人はもっと自由に、読みたい本を買えばいいと思う。
中学生くらいの頃、両親の田舎に帰省して、親戚のおじさんから500円の図書券1枚とか2枚とか、小遣い代わりに貰ったりするのがすごく嬉しかった、駅前の本屋に行って、その500円で文庫本が2冊位買えるので(当時の文庫本は厚さによって200円~300円位の本が多かった)、どの本を買おうか、一生懸命考えるのが楽しかったし、当時買った本は何回も読み返すことが多く、自分の血肉になったという自覚がある。
決めるのは、自分だ。
買う本がどんなに下らなくても下劣でも一瞬で消え去ってしまう流行の本でもそんなことは構わない。図書カードを贈るということは、贈られた相手がその時に欲しいと思った本を容認するということじゃないか。

ちょっと続けて考えてみました:ここ

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