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毎日読書メモ(140)さようなら、山本文緒さん

夕方Twitter見たら、タイムラインが慟哭であふれていた。山本文緒さんが亡くなるなんて。つい最近、『ばにらさま』(文藝春秋)が刊行されたばかりで、多くの好意的な書評を目にしていたのに。『自転しながら公転する』(新潮社)が話題になり、NHKの「あさイチ」のプレミアムトークに出演されていたのが昨年の12月18日。その時にはそんなに体調が悪そうなご様子もなかったので、本当に想像もしていなかった訃報だった。

夢中で山本文緒を読んでいたのはいつ頃だっただろう。たまたま1990年~1993年頃の読書ノートが出てきたのでざーっと見てみたが、山本文緒はなかった。この位の時期だと勝手に思っていたが、実際は、少女小説から一般小説に移行したのがこの時期だったようなので、この直後位からまとめて読んだのだろうか。文庫化されたときにその都度買って読んでいたと思うのだが、『パイナップルの彼方』の文庫化(角川文庫)が1995年12月、『ブルーもしくはブルー』(角川文庫)が1996年5月、『あなたには帰る家がある』(集英社文庫、現在は角川文庫)が1998年1月、『恋愛中毒』(角川文庫)はちょっと遅くて2002年6月、テレビドラマ(薬師丸ひろ子主演)になったのが2000年だから、原作読むより先にドラマを見てしまったということか。『プラナリア』(文春文庫)で直木賞を受賞したのが2001年。子育ての忙しい時期だったのか、でも、夢中で読んだよな、と懐かしく思い出す。そして鬱による長い執筆中断期があり、エッセイ『再婚生活』(角川書店)(鬱の闘病記で、読んでいて苦しかった記憶がある)で復活、作品発表のペースは落ちたが、着実に小説を発表していて、よかった、と思っていたのに、まさかこんなに早くいなくなってしまうなんて。

平明で、ちょっと毒のある小説たち。強い特徴はないけれど、どれも魅力的で、次から次へと読みたいと思った。さようなら、ありがとう。


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