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小布施堂・「栗の点心 朱雀」を食べてきた(注:朱雀はモンブランではありません!)

長野県小布施町は、JR長野駅から長野電鉄で約30分、栗と葛飾北斎で知られた小さな町である。長野土産として知られる多くの栗菓子が小布施で作られている(桜井甘精堂、竹風堂、小布施堂などが有名)。全国的に売られている缶詰の栗きんとんなどは無理に小布施に行って買う必要はないが、栗の収穫期を迎え、この時期の小布施でしか食べられない一品を食べに、はるばる小布施まで行ってきた。

「栗の点心 朱雀」は、収穫されたばかりの栗を蒸して、裏ごしした、細い麺状の栗を、栗餡の上にふんわり載せた、お菓子と呼ぶにはちょっと不思議な食べ物(だから点心、と呼んでいる)で、今年は9月10日(金)~10月17日(日)までの提供。小布施堂のページ

一昨年までは、朝、店頭で、当日の時間指定券(朱雀券)を販売し、券がなくなったらおしまい、という方式(電話予約を受けてくれるお食事+朱雀の朱雀コースは超狭き門で、朱雀だけ食べたければ、電話予約等もなく当日並ぶしかなかった)だったのだが、早朝から指定券の配布まで、平日ですら行列になる状態で、小布施に前泊しないと券の入手が困難だったのだが、コロナ禍となり、行列はいかんということになって、昨年はインターネットでの予約形式になった。

今年も引き続きインターネット予約になった、と長野在住の友人がつぶやいていたので、予約にトライ。チケットペイ、という予約サイトで予約を受けているのだが、朱雀だけでも食べる場所が本宅か広場か本店かで3つに分かれていて、それぞれの日の時刻ごとに細分化されていて、日を指定しないと空き状況がわからない、すごく複雑な構造。なのでピンポイントでこの日に行きたい、という人はいいが、空きスロットのあるところに予約を入れたい、という探し方はすごく難しい(わたしは空いているところがあったら行きたい、と思ったのだが、結局闇雲に、候補日を入れては空きを調べなくてはならなかった)。

予約券自体は無料だが、ファミリーマートで発券する必要があり、システム利用料220円、発券手数料110円の合計330円がかかる。朱雀自体は1500円。当日、門を入ったところにある券売機で購入する。

気づいたのが遅かったので、休日はもう2人以上で申し込める席は見つけられず、1人分の予約を入れる。小布施って初めてだったので、ざっと調べたが、葛飾北斎の美術館見て、あと余力があれば中島千波(日本画家)の美術館とか、あかりの博物館などを見て、合間に栗菓子を食べたり買ったりすればいいらしい(乱暴なまとめ)。

駅前にレンタル自転車や電動キックボードなども置いてあったが、町の中心部まで駅から徒歩5分くらいなので、徒歩だけでほぼ問題なし。遠くに山が見えるので(雁田山)その麓を散策したり、温泉に入ったりするのであれば、自転車があってもいいかも。車で来れば、周辺の農園で果物などを買って帰るのもよさそうだ。

わたしは駅からぶらぶら歩いて町の中心部まで行き、かんてんぱぱの大きなショップでところてんを食べ、それから北斎館に行って、「北斎視覚のマジック」展など見る。北斎が天井絵を描いた山車も展示されている(小布施町のマンホールはこの天井画の波の絵をモチーフにしている)。北斎館の向かいに、小布施堂の「傘風楼」というショップがあり、栗大福など買う(賞味期限本日中)。竹風堂の本店でも買い物し、大荷物になって、小布施堂の本店前に。予約の10分前位に門の中に入れてくれて、検温、手指消毒、食券の購入。

わたしが予約していたのは本宅、という施設で、途中歩いて行った中庭にはパラソルがのっているテーブル席(広場席)が出ていたが、お天気悪かったらあの席はかなりいやだろうな...。本宅は畳敷きで靴を脱いであがるので、テーブル席がよければ本店(日中は朱雀コースをやっているので、朝いちと夕方と2スロットしかない)か、広場になる。本宅は3間くらいの座敷に木の座卓が配置され、アクリルのスタンドで仕切られていて、相席。わたしの隣の席は人が来なかった。予約したのに、諸事情で来られなかったのかな。時刻は14:00-14:45というスロットで、朱雀単品なので、実際は45分はかからない。早い人は食べ始めて10分位で帰って行った。

席についた順に、出来立ての朱雀とほうじ茶と、奉書栗という、栗をつぶしてのしたお菓子を小さく切ったものが運ばれてきた。箸とスプーンがついていて、箸で食べているとぽろぽろしてきて、最後はスプーンですくって食べた。上にのっている裏ごしした栗は、砂糖は入っていないので、モンブランのように甘いものをイメージすると、あれっと思うが、栗の旨味がじわじわくる。そして中に甘い栗餡が入っていて、裏ごしした栗と一緒に口に運ぶとまた違った美味しさ。栗餡はしっとりしているが、外側の栗はぱさぱさしているので、お茶が進む進む(部屋の一角にポットが置いてあり、セルフサービスでお替りをよそいに行ける)。洋菓子ではないので、バターもクリームも入っていない、栗一本勝負。年により栗の出来具合が違うので、味わいが違ったりするらしい。

両手ですくいあげるよりやや小さい、位の量だが、全部栗(炭水化物だよな)なので、そこそこ満腹感はあり。

と言いつつ、朱雀を食べた後は桜井甘精堂の北斎亭というお店に行って、モンブランソフトクリームも食べた...朱雀の後だとかなり甘く感じた。家へのお土産に栗おこわ購入。栗の小径という遊歩道を歩いて、観音通りという道に出て、パティスリー・ロントという洋菓子店でピティヴィエ(要するにガレット・デ・ロワ)を買う。モンブランとか生菓子もすごく美味しそうだったが持ち帰るのが大変そうで断念。隣の塩屋櫻井で栗羊羹の小さいのを買い、向かいのパンと焼き菓子の店ohanaで焼き菓子買って、栗まみれになって帰る。

朱雀に限らず、小布施のさまざまなお店で、栗をありとあらゆる調理方法でお客様にお出ししているので、栗好きの人はこの季節に小布施に行くと、胃袋が幾つあっても足りない気分になることだろう。

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