映画『君たちはどう生きるか』妄想考察

この映画は、この世界の仕組みを表している。
この世界がどのように作られていて、またこれからどのように作られていき、それがどう繋がっているのか。

この世界にはその元となっている世界がある。
魂が生まれる前(ワラワラのいる世界)であり、色々なものが「意味」の状態で存在する世界。その上に私たちの世界はある。
その世界が私たちの世界を作っており、同時に私たちの世界がその世界を作っている。
相互的に変化し、対応し合っている。

その世界が眞人が行った「下の世界」。
私たちの世界を創造した世界はおそらく「上の世界」であり、落ちてきた隕石の源となった場所であり、神の世界。
下の世界はそれとは違う。
宮崎駿のイメージの源はおそらく下の世界。

下の世界は過去が未来を作っていると共に未来も過去を作っている。

全ての世界、全ての時間軸に塔が存在するということは、時空の概念を超えた世界だということである。
後日談として現実世界で塔の地下に迷宮のような構造が発見されたという話があったが、その構造は下の世界の塔の庭の部分にあたる。下の世界で塔の庭部分が作られ、それが現実世界に反映された結果、現実世界では地下に迷宮構造が発生したのではないか。

ここから大伯父についての妄想考察。

大伯父は妻を火災で亡くした。しかし大伯父は隕石の力で、「下の世界」において妻を取り戻すことに成功する。しかしその代わり、大伯父の血筋には呪いが掛かってしまう。1つは、その後の子孫(女性)が必ず火災で亡くなってしまうという呪い。もう1つは、大伯父の妻は本来亡くなっているため、その子孫は塔の中でしか出産することができないという呪い。幼いヒミが火の力を扱えるのは、その呪いの力。塔で出産した子をかつて育てていたところがキリコの部屋であり、だからキリコの部屋にはおもちゃがある。
「下の世界」では女中は人形だった。つまり女中らは大伯父の創造物であり、大伯父の子孫らを育て、守る役割を持っている。塔には大伯父の血筋しか入れないとのことだが、大伯父の創造物であるためキリコは「下の世界」に入ることができたのではないか。

アオサギが「お母様は亡くなっていない、人間のよく使う手だ」という思わせぶりな台詞を言う場面がある。
このような発言をした背景には、かつて大伯父が時の回廊を使い、妻が亡くなる前に「下の世界」に移動させ救出したことで、現実世界では遺体が見つからなかったことがあったと考えられる。

さらに妄想。

アオサギやインコの胸の模様、トトロのような3つの点。あれは666を表しているのではないか。
666は悪魔の数字。神の精神と対比する悪魔的な精神の象徴。

アオサギはエジプト神のトートに似ている。トートは知恵の神。知恵はアダムとイブの原罪であり、悪魔とも関連がある。

大伯父のいた場所に繋がる通路はピラミッドの通路を連想する。
ピラミッドはかつてアトランティス文明において、時空ポータルとして利用されていたとも言われている。
トートは元アトランティス人。
アトランティスは最終的に海底に沈んだ。
君たちはどう生きるかのラストの世界が崩れるシーンはノアの大洪水を連想させる。

この映画は、高次元の世界に由来する悪魔的な知恵に侵され、墓石を積み上げた世界の末路を表していると考えられる。



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