バイト先の出来事

僕は今とあるディスカウントストアのレジのアルバイトをしている。そこでの社員さんと話した時のことだ。

僕ももう年度末でそこのアルバイトをやめようと考えている。理由は単純に飽きたからだ。1日5時間、週25時間やっていた。毎日同じことの繰り返し。2年半ほどやったが、やる気が起きないのでここが潮時だろうと思った。

今から約2ヶ月前、社員さんの異動があり、新たな社員さんがやってきた。その人はなんというかまぁ、「いい意味で」その働いていた会社と合わない、そんな人だった。 僕は好きなタイプだった。ここでは以降Sさんと呼ぼう。

初めてSさんと出会った時に僕の好きなタイプだと思った。その理由は、Sさんの方から挨拶をしてくれたからだ。これを読んだ人たちで「そんなの社会人として当たり前じゃね?」と思われた方もいると思う。だが、今まで異動してきた社員さんの中で、社員さんの方からわざわざレジで働いてる学生のアルバイトに挨拶をしてくれたことが初めてだったのだ。俺のことを気にかけてくれた、うれしい!と思った。Sさんの人柄の良さを肌身で感じた。

決して他の社員さんが嫌いなわけではない。むしろ助けてもらったことも多いし、気の合う人たちも多かった。だが、初めて会った時に自己紹介みたいなことを受けた覚えがない。働いていたらいつのまにか仲良くなってるパターンだった。

そんなわけで、アルバイト先でそんな初めて見るタイプのSさんが、最近「出来る仕事チェックリスト」なるものを渡してきた。「何が出来るも何もレジから動いたことないよ」なんて思いながらチェックリストをつけていた。一緒に働いていたおじいちゃんも「レジから動かないし、人が少ないからそんなレジ以外の仕事教えてもらってもする機会がないよ」と言っていた。僕もそうだよなぁと思っていた。

後日、Sさんと話していた時だ。僕もバイト辞めると1ヶ月ぐらい前から他の人たちに話していたので、Sさんも当然ながらそのことを知っている。寂しくなるよね、そんなことを話していた。

僕が働いてるところも人手不足に陥っている。単純に仕事を回すことができない。人手不足なのだから時給をちょっと周辺のお店や街のお店より高くすれば求人読んで応募しに来る人は増えるんじゃないかと言ってきた。が、時給はここ2年半変わらずじまいだ。基本の時給を上げなければ人は来ない。分かってはいても時給を上げようと上の人たちはしなかった。売上はいいはずなのにだ。いろいろ理由があるのはわかるが、正直時給を上げる以外アピールできる可能性のあるものがない。客の態度も悪いから学生は積極的に働きたくはないよなぁと同じ学生だから思う。スタバみたいに学生が働こうと思える魅力を作らないと人は来ない。

そんなことをSさんと話していて、先日の「出来る仕事チェックリスト」の話が出てきた。Sさん曰く、出来る仕事とできない仕事をチェックリストにすることで、できない仕事に関しては教えることができるし、出来る仕事が多ければ店長に働いてる人たちの時給を上げるためのプレゼンができるから作ったと言っていた。それを聞いてすごいこと考えるなと思った。(小並感)

確かに今まで時給が上がる条件が不透明だった。僕も時給が上がったことはあるけども、「支部長が褒めてくれたから」という変な理由だった。本来店長や社員さんとかがバイトの人たちを評価するべきだと僕は思うのだが、そのシステム自体が存在していなかった。そのシステムを作ろうとしているのだから、そりゃすごいのだ。この評価システムがあると、やりがいにつながると思い、結果的にパートやバイトで働く人たちが継続的に意欲的に働くことができるのではと考えたらしい。正直言ってもっと早くこの店舗に来て欲しかったと思った。

Sさんがこれから変えていくものを見ることができないのは残念だが、数年後に会った時にどうなったかを聞いてみたいと思う。願わくば、Sさんが出世する未来があらんことを。


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