助けてもらえない人っているよね
どうも山ぱんだくんです。就活三日目にして頭を赤×黒の「おうどこからでもかかってこいよ」な色にしました。もう誰も俺を止められねえ。
さてさて、山ぱんだくんと月曜の理屈
第四十七回は「助けてもらえない人っているよね」
ひとりで生きてきたつもりはないけれど、あれれえ?と思うことが多いです。日頃の行いがわるいのだと思います。
第四十七回 助けてもらえない人っているよね
先日スーパー銭湯的な入浴施設に行った。後輩と二人で入ったのだが、サウナでもう少し入っていく僕と先に出てお風呂に行く後輩とで分かれることになった。
そろそろ出るかと適当なところでサウナを出て水風呂で〆た後、後輩の姿を探して露天の方に行った時、僕は突如意識を失ってその場に倒れた。貧血と貧弱と、のぼせ。サウナで倒れるなんて、そんなナンセンスなことを自分がする日がくるとは。
意識が戻った時、露天の入り口で大の字で倒れているにも関わらず誰も僕のことを心配そうに見てはいなかったし助けてくれそうな気配もなかった。誰も僕を見ていない。
…人間とはかくも冷たきものか。
仕方なくふらつく足取りでよたよたと脱衣所に向かう。努めて平静に、まっすぐ静かな足取りで。脱衣所に向かう途中のウォータークーラーでしっかり水分を摂るのも忘れなかった。強力な理性とプライドがこの時の僕を無理やりに動かしていた。ぼんやりとした意識の中でその高すぎるプライドを客観的に見ている自分がいて、「お前、そういうとこやぞ」なんて思った。
しかし、プライドがどんなに高くとも貧弱な身体が追い付くはずもなく、なんとか脱衣所についてロッカーを開けてバスタオルを取り出した時、再び僕はその場で意識を失って倒れた。今度は頭を強く打ったのだろう。ごちっという鈍い音がした。
しかしまたこれも不思議なのだが意識が戻った時、誰も僕のことに気付いていないようだった。脱衣所で全裸・大の字の人間がいるというのに。なんだ俺は。透明人間か。
マジでやばい、これはヤバい、本当にここで死ぬかもしれない。命の危機を感じながらなんとか最後の力を振り絞って、バスタオルを身体にしっかり巻いて椅子に座ることに成功した。浅い呼吸を繰り返しながら、とにかく意識がはっきりして身体が動くようになるのを待っていた。
すると件の後輩がやってきて隣に座った。ニコニコと元気そうである(こいつはいつもニコニコしている。すごい。)今日ばかりはこいつに頼ろう…なんて考えが頭をよぎった時、
その後輩が急にぶっ倒れた。
意識を失ったのはほんの2、3秒のことだったのだが後輩が倒れた瞬間、脱衣所にいた人(僕の時もいた気がするのだけど...)が「大丈夫?!」と騒ぎ出しその声にすぐさま施設の係員が飛んできて(どこにいたんだよ)タオルやら毛布やらマットやらを持ってきて後輩の介抱を始めた。
その流れるような手際の良さ、手厚い処置に驚きすぎて、手の痙攣が止まった。僕は一体何を見ているのか。さっきまでの出来事は夢?白昼夢か?
「お連れの方ですか?」
係の人が僕に聞く。そこで僕はまた変なプライドで平然と答えてしまう。
「はい、そうです。この後の処置はどうすればいいですか?」
後頭部に出来たタンコブがズキっと痛んだ。
今週も最後まで読んで頂きありがとうございます。なんか、この出来事があった時に、悲しくも寂しくもなくて、ただ、ああ、自分ってそうだよなあ、助けてもらえない人だよなあってなんだか納得してしまいました。
もちろん今までいろんな人に助けられてきたのですが、なんでしょうね。本当に困った時こうなることが多い。崖で落ちかけている二人なら助けてもらえない方の人間だと思います。
なんかこういうのって生まれつき決まってるんでしょうね。
強く生きてえな。