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思い出す

どうもよなかくんです。気まぐれにお題箱なんてものを置いてみたら「こんちぶり」って来てたんだけどみんなお題の意味分かってる?こんちぶり~。

さてさて、よなかくんと月曜の理屈
第一一三回は「思い出す」

第一一三回 思い出す

この間「よなかくんは出しっぱなしにしちゃう人?きちんと片づける人?」と聞かれて「出しっぱなしにしちゃう人」と答えたのだけど、正しくは「出したことを忘れ去ってしまう人」

です。

いろんなことをすぐに忘れてしまう。父も母も祖父も祖母も、みんな植物に詳しくて散歩をするたびにいろんな花の名前を教えてくれたのに、僕は一つも覚えられなくて未だにアサガオとアジサイを間違える。だから毎日の日記に執着するのかもしれない。母は僕の忘れ具合を「一種の才能」と呼ぶ。

覚えられることは覚えられるんだけど。みんなそうか。

そんな感じでどんどん忘れてしまうけど、それと同じくらいちょっとした拍子にいろんなことを思い出す。ああ、二年前は六月中に梅雨が明けて心がちょっとザワザワしたな、とか由比ヶ浜にシロナガスクジラが打ち上げられて泣きたいんだか笑いたいんだか分からない気持ちになったな、とか。たくさん忘れてしまうけど、その分ちゃんと、帰ってくる。それは意図せずして、時を経て、偶然、ひょっこりと。記憶は少し波に似ている。

一昨日はコレナガの誕生日で、12年の付き合いで初めて誕生日プレゼントを渡した。今年は奇跡的に、ふと思い出せたのだ。
焼き物と、手作り小冊子。コレナガは飼い犬に初めてお手をされた時のような顔をしていて笑ってしまった。どんな顔。

僕が誕生日を覚えているとはまさか思っていなかったらしく、人としての成長を感じる…と褒められた。そのニヤニヤした顔を見ながら、来年からはもう忘れないかもな、と思った。

#エッセイ #日記