見出し画像

根管治療はムズい

「初回の根管治療」のホンマに大事!

まずはこの研究論文をご紹介します。

この論文の結論は、根管の中に細菌が入ることで「根尖性歯周炎」という根の先に膿がたまり、根の周りの骨を溶かす病態になるということです。つまり、「根管治療」ではいかに根管内を「細菌感染」させないということが非常に重要であることが示唆されています。

初回の根管治療」では細菌が根管内にいない状態、いたとしても除去しやすい環境から治療がスタートするので、歯内療法専門医が「無菌的アプローチと治療」をおこなえば、成功率が高いことは想像がつきやすいと思います。

歯内療法専門医は、歯の神経(歯髄)を取らずに残す「生活歯髄療法」を何よりもファーストに考えています。しかし、さまざまな理由で歯髄を除去しないといけなくなったら、できるかぎりこの「初回の根管治療」を無菌的に注意深くおこない、絶対に再治療(再根管治療)にさせないことに頭の中を切り替えます!

「精密根管治療」のススメ

精密根管治療の七種の神器(多すぎ!)
①歯科用CBCT
②マイクロスコープ
③ラバーダム防湿
④ニッケルチタンファイル
⑤超音波機器
⑥バイオセラミックス
⑦CWCT用の器材

この七種の神器を使いこなす「精密根管治療」は保険外診療(自費診療)で、日本の相場は(歯の部位:前歯・小臼歯・大臼歯で治療費が異なることが多いと思いますが、これには異論を呈します)6〜12万ぐらいだと思います。さらに、2時間程度の治療時間が数回かかることから、それだけ治療が難しいということが言えます。

また、歯の部位(前歯・小臼歯・大臼歯)で治療費が変わるのは良く分かるのですが、前歯だから治療が簡単とは必ずしも言えません。

当院ではアメリカ歯内療法学会(AAE)の「根管治療 難易度評価法」に基づいて治療する歯の難易度をスコアで示し、難易度によって治療費を決めています。

皆さんのお口の中で根管治療がされていない方は「根尖性歯周炎」になった時の違和感やひどい痛みの経験がないと思います。もし、「初回の根管治療」が必要になってしまったら、ぜひとも歯内療法専門医がおこなう「精密根管治療」を受けられることをオススメします!

安い・早い・痛くない」治療が、腕の良い歯医者で最高の治療という考えの患者さまが残念なことに日本にはまだまだ多い!これを少しでも変えたいという思いで今後も "note" していきます!

次回は、「初回の根管治療」が残念ながら失敗に終わった、日本では圧倒的に症例数が多い、二回目以降の「再根管治療」について ”note" します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?