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元・人文系研究者(見習い)が広報業界に入ってぼんやり考えたこと

こんにちは。株式会社トドオナダの遠藤と申します。コンサルタントとして、広報効果測定ツール『Qlipper』を運営しています。

前職は企業の広報関係者をおもな顧客とした調査会社で、ウェブニュースのクリッピングを担当していました。その前は、都内の大学院で人文系の博士後期課程に在籍していました。

何も知らずに広報・PRの世界に入った私が、業界の一端で働きながらぼんやり考えたことを書いてみます。

1. 記事数を集計する意味とは?

改めて説明する機会があるかもしれませんが、クリッピング会社のサービスとは、新聞・雑誌やウェブメディアから特定の話題に触れている記事を収集して届けることです。

私はとてもまじめに働く社員でしたが、仕事をすればするほど疑問が募っていきました。

「記事を集めて数えることに何の意味があるの?」
「記事が多いほど価値があるってどういうこと?」

と。

2. 作業の大変さと意味は別の問題

クリッピングは、誰でもできるようでいて苦労する作業です。世の中に出回る膨大な媒体から記事や放送をチェックする。ひとつひとつに目を通して要不要を判別するには集中力が必要。本来は報告対象だった記事を見落とせば損失です。逆に不要な記事を集めてもムダになるだけです。

難しく手間がかかるからこそ、専門サービスに発注するお客様がいて、調査会社などはお金を頂けています。

とはいえ、

「集めたからって何なの?」

という疑問への答えはそこにありません。その作業の大変さと意味は別の問題です。

多くの場合、クリッピングは広報・PR業務の「効果測定」として行われています。でも、

「記事の数=広報・PRの効果」

というのは、なんだか不条理じゃありませんか?

3. 広報・PRにおける「効果測定」とは

「記事を集めて数えることの意味」に疑問が生じたのはなぜでしょうか。

それは、本来の広報業務において、メディアに掲載された記事は「手段」であって「目的」ではないからです。

つまり、手段と目的を混同していませんか、ということです。

本来やるべき効果測定とは、記事によって生じた影響・反応を測ることでは?記事を読んだ人がその会社を認知したり商品を購入したりといった、態度や行動の変容を効果として測らなくてはいけないのでは?


「記事を集める=広報効果の測定完了!」とは限らない。では、広報・PRの「効果測定」はどうやればいいのか?
しばらく考えながら書いていきたいと思います。


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