可能性

死と出会い 15話 可能性

今日の放課後、僕は部活がある。その時、好意を寄せている麗香先輩と話たいと思っている。愛理には雄二の法要の話をされ、僕の方からも話や相談に乗ってもらおうと思っていることがある。

#死と出会い #可能性 #好意 #法要 #話 #恋愛相談

 今日の放課後、僕は部活がある。憧れの麗香先輩と喋りたい、そんなことを一時限目から考えていた。前に何度か話したことはあったけれど、あの爽やかさと優しい感じがたまらなかった。それ以来、僕は彼女に好意を持つようになった。麗香先輩は僕のことをどう思っているかわからないけれど。

 少しでも麗香先輩が僕のことを気に留めていてくれたならどんなに嬉しいことだろう。

 一時限目の休憩時間になり、愛理がやって来た。
「おはよう! 雄二の法要まであと少しだね」
「そうだな。あと半月だわ」
「早いよねー。でも、雄二のご両親もなんとか立ち直ったみたいで良かった」
愛理は安堵の表情を浮かべている。でも、僕は、
「本当に立ち直ったかはわからないけどな」
と、言った。愛理は黙った。

「愛理、話したいことがある。明日、帰り一緒に帰らないか?」
僕は真面目な顔をして言うからか、
「どうしたの?」
と、彼女も真面目な表情になって言った。
「ここでは話せない」
「そうなんだ、わかった」
愛理は不思議そうな顔をしている。どんな話をされるのか、と思っているのだろう。

 それと、麗香先輩のことも気がかりだ。今日の放課後の部活の時に話せたらいいのだけれど。その時、予鈴が鳴った。
「私、席に戻るね」
笑顔になって愛理はそう言った。
「ああ、わかった」
と、言って僕は手を挙げた。

 愛理には僕が麗香先輩に気がある、ということは話していないからその気持ちは知らないはずだ。
それと、僕に気があるらしい絵里ちゃんのことも放っておけない。

 出来れば、麗香先輩と仲良くなって付き合いたい。でも、付き合える可能性は低い。絵里ちゃんは、僕に気があるらしいから僕の気持ち次第で付き合える可能性は高いと思う。愛理は親友だから、僕の気持ちとしては恋愛感情はない、彼女もきっと同じだろう。うーん……。どうしたらいいんだろう。
僕は彼女が欲しい。でも、誰でも良いって訳じゃない。ちゃんと、好きな人と付き合いたい。こういう時、亡くなった雄二がいてくれたら相談に乗ってもらえただろうに……。非常に残念だ。きっと、愛理にそういう相談をするのはぶしつけかもしれないなあ、でも、他に相談に乗ってもらえる親友もいないし。愛理には、恋愛の相談なんだけど、と前置きしてから相談に乗ってもらおうかな。

 僕は授業中、そんなことを想っていた。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?