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ショートカットをするな

ドイツ語の語彙が増えなくて、この単語さっきも調べたじゃんっていうのばっかりで、いつまで経っても形容詞変化は言い淀んじゃうし、新聞を日本語に手書きで訳してたら漢字が出てこないし、ああもう才能ないじゃん頭わるいし人生つら…ってなる毎日。

けど、ねえ待って。考えてもみて。
子供は苦労せず言語を獲得するとかいうけどさ、嘘じゃん?そりゃまあね、ある程度自然には獲得してるかもしれないけど、でもさ、私たち小学校でけっこう勉強したよね?漢字とか。

まず入学するとマス目の大きなノートに「あ」っていっぱい書くじゃん。で、「あ」のつく単語を3つ考えましょうとかやるじゃん。そのうち「山」とか書くようになって、それもちゃんと5回ずつ、ちょっとは小さくなったマス目に書いて、3年生とかになったらやっと「乗」を習うんですよ。

「乗」!むずかしいね。

で、その難しい「乗」も5回書いて、単語を3つ考えて、文章つくって、それでもテストで間違える子はいっぱいいるわけですよ。そうやって我々は文字を、言葉を獲得してきたわけです。ね?

だからわたしが今、どんなに便利な物書堂のアプリ辞書をiPadのスプリットビューで駆使したところで、そんな一朝一夕で知らん言語をやすやすと身につけられるわけないんですね。あたり前なのです。

だから大きなマス目に「明」って書いて、下に5回「明明明明明明」ってアイシテルのサインして、隣の行に「明日」「明朝」って書いて、あと3つも思いつかないよって文句言ったら辞書でも引きなさいって大人に言われて、ウンウン辞書を引いて「明星」「松明」とか見つけてたあの頃のように、またウンウン言いながら辞書とテキストとノートを右往左往するべきなのです。

あるいは英単語の小テスト前みたいに、表に「understand」裏に「理解する」って書いた紙を何度も何度もhin und herして行ったり来たりするべきなのです。
しなければならないのです。

人間関係も同じです。
霧吹きで遊んでたら水がかかったとかどうとか文句つけられて、じゃあわたしにもかけていいよって言ったら霧モードじゃなくて棒モードでかけられて、それは流石に悪意ありすぎじゃんって文句言って、は?わざとじゃないしってキレられて、それでもまあなんだかんだで明日も会って話して自転車漕いで、来週吉祥寺でプリクラ撮ろうねとかシェーキーズ行こうよとか、そうやって我々は生きてきたんです。

ロンロンのユザワヤ・ソニプラ・ロフトのクレアーズ。

自分のこと全然話さないでわたしにおしゃべりさせといて「あ〜楽しかったな〜エンデちゃんも楽しそうだったな〜俺のこと好きなのかな〜」とかは本当になんなんですかね。それでいて「対話しようよ」とか何?ていうか君は誰…?って感じです。そういうのやっちゃうわたしバカなのかな…つら……アランの幸福論読も…男とかちょっと一旦やめよ…。

諦めたくないことはいつかわかるようになると信じ時間をかけ、どうでもいいですよなことはどうでもいいですよと割り切り川沿いのベンチで寝て日焼けする。
そんな感じの6月です。
毎日眠いけどできるだけショートカットせずに頑張ろう夏!

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