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個別最適な学びと協働的な学びにチャレンジする一歩を踏み出しませんか?

 「授業力向上」で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実をテーマに、研究員をしています。
 今回は、
「個別最適な学びと協働的な学び」奈須正裕,東洋館出版
「超具体!自由進度学習はじめの1歩」難波駿,東洋館出版

(両方とも、職員本棚に置いてあるので、ぜひ読んでください。)
を読んで、職員室の先生方に伝える形で、自分なりにまとめていきます。

1.なぜ一斉授業からの転換が必要か

 簡単に言うと、「教える側の効率」を求めて生み出されたのが、一斉授業だからです。「子どもの学びの効率」を求めたものではないからです。「常に教師が主導権を握り、いちいち細かな指示や命令の下、過剰に教えようとしてきた」のが一斉授業です。私自身もいまだに自分の授業をふり返り、「全体の進み具合を気にして、個々をサポートしてきれなかった。」とか
「一人一人の意見を大切にできなかった。」とか
反省しています。私自身も、自分が受けてきた一斉授業の呪縛から抜け出せていないなぁと思っています。枠組み思考から抜け出すために、日々学び、教育観をアップデートしなくてはいけないと痛感する毎日です。

2.一斉授業の問題点① 「時間で縛る」

 まず第一に、課題に向き合い、解決していく時間には個人差があるのに、課題に取り組む時間が決められてしまっていることです。
 こんなセリフ言っていませんか?
「はい。途中の人もいると思うけど、全体で話していきましょう。」
これ、私言っています。(反省)もしかしたら、あとちょっと考えたらもっと自分なりの思考が深まったかもしれないのに、その可能性を排除してしまっています。学びのペースがゆっくりな子は、いつも全体のペースにおいていかれ、「自分ってだめだなぁ。」という負の感情が積み重なっていく。逆に、5分とったところ、3分で終わる作業が早い子は退屈です。作業が早い子=優秀な子となり、授業で目立っていく。この構造が生まれてしまいがちです。

3.一斉授業の問題点② 「課題で縛る」

 やること、やり方をすべて丁寧に決めてしまっている授業。むしろこれを良しとしている先生がまだかなりいるような気がします。全てお膳立てしてあげる。こうすると、多くの子が無理なく取り組めますが、課題や作品の出来上がりがどれも似たような仕上がりになる。それを見て「よしよし、みんなできたぞ。」と満足してしまう教師すら、まだいるような気がします。
 課題の内容、課題をやる順番、やり方、まとめる方法など、自分で選択させていくべきです。なるべく多くの決定を子どもに委ねていくことこそ、本当に意味のある学びであるという考え方をもつべきだと思います。

4.一斉授業の問題点③ 「単元を構想し、進めているのが先生」

 単元を構想し、「次の展開はこれ。」と決めているのは誰ですか?一斉授業だけやっているほとんどの先生が、自分でやっているのではないでしょうか。これの問題点に気づかないといけないと思います。子どもの立場になってみると、
「今日はどんな問題やるんだろ?」と授業に臨み、「次は何をやるんですか?」と待ちます。これでは、学びがつながっていきません。全体の文脈が分からないのに、その一文を読んでも意味が分からないのと同じです。子どもと一緒に単元計画をしたり、単元の流れを子どもにあらかじめ示したり、単元に入るときに、教科書をめくり最後はこんなことができるようになろうと確認しなければいけません。そうしないと、教師が進める学びから脱却できません。

5.何がよい学び方かは、学習者によって異なる

「子どもたち一人ひとりがもつ多様性が、その子らしく学び育つ基盤となる授業」をつくる。
「教師の都合やタイミングではなく、一人ひとりの子どもの都合やタイミングで学べるようにすること」
 そんなのどうやってやるの?と思う先生もいるかもしれませんが、個別最適な学び協働的な学びの一体的な充実の具体的方法の例は、書籍にたくさん載っています。それらの中で、自分や自分のクラスに合ったものをまずは試してみるのが大切なのではないかと考えます。

6.まずは一歩踏み出す

 アクションを起こさずに、今まで通り、集団で、個性を大切にしていない授業をしているのでは、「学習権の侵害」とまで言えます。私は、今までのやり方を捨てて、新しい取り組みにチャレンジしています。

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