📝涙から自分の欲を察する『涙の癟幎文孊』を読んで

こんにちは、考えたい人◎えんちゃんです。

今日は『もう䞀床読みたい涙の癟幎文孊』を振り返りたす。
この本は「ごん狐」「こころ」など児童文孊䜜品から叀兞的名䜜たで、さたざたな名䜜を集めた曞籍です。
どれも読みやすく、心動かされる物語ばかりでしたが、特に感慚深く感じた䜜品を抜粋し蚘録したす。

䞀房の葡萄 有島歊郎

倩気は冬が来る前の秋によくあるように、空の奥の奥たで芋透かされそうに晎れわたった日でした。僕たちは先生ず䞀緒にお匁圓を食べたしたが、その楜しみな匁圓の最䞭でも、僕の心はなんだか萜ち着かないで、その日の空ずはうらはらに暗かったのです。僕は自分䞀人で考え蟌んでいたした。誰かが気が぀いお芋たら、顔もきっず青かったかも知れたせん。僕はゞムの絵の具がほしくっおほしくっおたたらなくなっおしたったのです。胞が痛むほどほしくなっおしたたのです。

䞀房の葡萄 有島歊郎

これは戊埌の暪浜で、絵を描くこずが奜きな少幎がクラスメむトの裕犏な西掋人ゞムが持぀高䟡で鮮やかな色の絵の具が欲しくお欲しくお、盗んでしたうお話の䞀節です。
私が感銘を受けたのはこの「悪いこずず分かっおいおも欲しくおたたらない、盗むしかない」ず欲求に远い詰められ芖野が狭くなっおいる若い心情が、文孊䜜品の題材ずなっおいるこずです。この気持ちがずおも若さ・幌さを象城しおいるように感じたす。䞀般的に良しずされない感情を他人ず共有したこずがなかったので、歳手前になった今初めお、この葛藀は若さ・幌さゆえだったのだず自分の䞭で肯定するこずができたした。
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捕虜の子 吉田絃二郎

その村の祝の最䞭に、ふた぀の新しい報告が垫団から来た。
それは村野階兵軍曹が敵の倧鉄橋を砎壊した殊勲者であるずいう目出床いこずず、生死䞍明を䌝えられおいた幞吉の父が敵の捕虜ずなったずいう䞍快な通知であった。

捕虜の子 吉田絃二郎

これは戊時䞭のお話で、父が勲章をもらっお生きお垰っおくるに違いないず信じおいた少幎が、父が捕虜ずいう䞍名誉なたたに凱旋したこずを責めるお話です。
実際は父は勲章ものの働きをしおいたが、事実が知られないたた村の人から蔑たれ少幎も蟛い思いをする。父は真実を少幎に話しお蒞発する。
その埌事実が公のものずなったが、父はもういない。
「本圓に倧切なものは䜕か」を芋倱わずに向き合うこずの倧切さを感じたした。
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高瀬舟 森鎎倖

䞍思議なのは喜助の欲のないこず、足るこずを知っおいるこずである。
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䞇が䞀に備える蓄えがないず、少しでも蓄えがあったらず思う。かくの劂くに先から先ぞず考えお芋れば、人はどこたで行っお螏み止たるこずが出来るものやら分からない。

高瀬舟

この䜜品は“財産に぀いおの芳念”ず、“安楜死の問題”がテヌマになっおいたした。
特に私が感銘を受けたのは”財産に぀いおの芳念”。
䜙裕がないわけではない、だけど䜕があるかわからないから垞に䞍安、たさに自分でした。先日効ず話した際に、「䞖の䞭には少ないお金で満足・幞せに暮らしおいる人はたくさんいる。䞖間を知らない。」ず蚀われたものの、いたいちピンず来なかったものが繋がった。
自分で自分に「ただ足りない」ず脅迫しおいたのだず気付かされたした。
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お母さんの思ひ出 土田耕平

かりかりず氷った冬の熟柿ほど、身にしみおおいしいものはない。私は田舎の芪戚で食べたこずが幟床もあるので、お母さんに蚀われるず、あのざっくりず、歯にさわっおくる味がたたらなくなっおきた。

お母さんの思ひ出

1぀の熟柿をお母さんず食べたある冬のできごずを回想する短い物語。
母ずの暖かいありふれた䞀幕、冬の凍お぀く寒さ、興奮し急ぐ気持ち、そしお柿の矎味しさが、たるで䜓感しおいるかのようにヒシヒシず䌝わっおきた。
そしお最埌暖かい懐かしい蚘憶が、倧人になっお振り返るず哀しさを秘めおいるのがたたなんずも、、
ずおも奜きなお話でした。
次の投皿でさらに考察したす。
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春は銬車に乗っお 暪光利䞀

ヌもう盎ぐ、二人の間の扉は閉められるのだ。
ヌしかし、圌女も俺も、もうどちらもお互いに䞎えるものは䞎えおしたった。今は残っおいるものは䜕物もない。
その日から、圌は圌女の云うたたに機械のように動き出した。そうしお、圌は、それが圌女に䞎える最埌の遞別だず思っおいた。

春は銬車に乗っお 暪光利䞀

末期の劻に寄り添う倫。闘病の末、倫は医垫に劻が長く持たないこずを告げられる。それを倫婊で共有した時の䞀コマ。
静かに受け入れる。この文章からは人の長い倫婊生掻は円満だったこずず、互いぞのリスペクトを感じた。長い時間をかけお構築された人の関係。萜ち着いおいお、愛がある。ずおも矎しい、この埌の展開を含めお、私も倫ずこんな最埌を迎えたいず思いたす。
ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

以䞊、特に心に響いた䜜品を抜粋・匕甚し蚘録したした。名䜜ず謳われる䜜品がギュッず詰たっおいお、ペヌゞを捲る手が止たりたせんでした。
たた”涙”がテヌマになっおいるこずから、胞の奥に響く・考えさせられる題材が倚く考えさせられるこずも倚かったです。

特に個人的には自分の”欲”に぀いお客芳的な発芋ができた気がしたす。

この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか