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戦争をきっかけにフランス語を学びはじめ、悪戦苦闘した2年間の記録

フランス語の勉強を本格的にはじめてから、もうすぐ2年が経つ。

大学で少しだけかじったものの、ほぼすべて忘れていたフランス語をまたやろうと思ったきっかけは、ロシアのウクライナ侵攻だった。

あの戦争が起きた時、今のこの時代にロシアがど正面から侵略戦争をはじめたことが衝撃的すぎて、そしてなぜかめちゃくちゃ焦った。世界がいつまでもこの比較的安定している(とわたしは感じていた)状態にないことだったり、核のことだったりを強く意識して、明日は我が身というか、一気に大戦争になる可能性がゼロではないとか思って恐怖に駆られたことを覚えている。

核や戦争をこれまでよりもずっと身近に突きつけられて感じたことは、自分が死ぬことそのものはどうでもいいけど、ずっと憧れ続けたヨーロッパ、なかでも大好きなフランスで暮らすことがないまま死ぬことだけは死んでもいやだということだった。

日本なんかにいる場合ではない。いつか住みたいなんて思っていてはいけない。はやくフランスに行かなくてはいけない。でも今のまま行ってもだめだ。まずは言葉を勉強しないと。

その衝動に駆られて勉強を再開した。

そこから2年、大学の授業を少しは覚えていたおかげで、レベル0.5―冠詞とか簡単な単語は覚えていた―からスタートしたフランス語は、なんとかB1(日常会話を問題なく行えるレベル)のテキストを間違えながらも解けるくらいになってきた。今年の12月には満を持してフランスワーホリに行くのだけれど、なんとか生きてはいけそう……な気がする。

そこで2年という節目でもあるし、わたしがここまでに何をしたかをまとめたいと思う。

入門書を携えてDuolingoをはじめた

勉強すると決めたのはいいものの、学生時代、基本的にテスト勉強なんてしたことのなかった怠惰な人間のわたしに、参考書と向き合って勉強なんてできるわけがない。そう思ったわたしが手を出したのが語学アプリ「Duolingo」だ。

ずっと前に買っていた、白水社さんから出ている入門書『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある!』を携えて、わからないところや疑問点を調べつつ勉強した。Duolingoで感覚的になんとなくわかった文法を、こういう本で理論として頭に刻みつけてくイメージ。

ちなみに今は少しステップアップして、文法書は『倉方フランス語講座Ⅰ 文法』をメインで使っている。すごく丁寧かつ網羅的に文法事項を説明してくださっている上に、演習問題もたくさんあって最高。ありがたい本。

ちなみにDuolingoは、英語なんて話せないのに、日本語話者向けフランス語コースと、英語話者向けコースの両方ではじめた。ちなみに英語は、中1で取った英検5級しか資格を持ってない。

そんななかでも英語話者向けコースを選んだのは、日本語話者向けコースは初級レベルまでっぽかったのに対して、英語話者向けコースでは中級レベルまでカバーされていたからだ。ただ、英語がそんなにできないくせにいきなり英語話者向けコースオンリーはハードルが高すぎるように感じて、保険として日本語話者向けコースと並行していた。でも、文の作りが似ているからなのか英語話者向けコースの方が、なんとなくやりやすかった気がする。

日本語話者向けコースはもうだいぶ前に終えたのだけれど、英語話者むけコースで今も絶賛学習中なので、わたしのフランス語能力の多くはduolingoでできていると思う。

発音を鍛えにフランス語教室に通った

そんなこんなでDuolingoで基礎の基礎を固められたくらいの2022夏、ふと「ていうかこれだけだと発音上達しないな!?通じなきゃ意味ないじゃん」と急に思い立ち、フランス語教室に通うことを決心した。Duolingoのスピーク問題とか音声入力で全然ちゃんと認識されなくてやばいなと思ったのもある。Rとウがほんと無理だった。

フランス語のRは、舌先上げずにHとKの中間みたいというか、なんか喉使う感じの独特の音なんですけど、これがまあムズくて。何がむずかしかったかって「らりるれろ」って発音してもらえればわかると思うんですが、日本語のRは舌先上げるじゃないですか。だから、おそらく脳が「R=舌先上げる」と覚えているのを、引き剥がさないといけないんですよね。それがむずかしすぎて、レッスンで教えてもらった練習方法でめちゃくちゃ家で練習した。

その甲斐もあってか、さすがにもうその認識はフランス語を話すときには外れたので舌先は上げなくなったけど、数ヶ月前に「それはRじゃなくて猫が怒ってる時の声だよ」って言われたしLと間違えられることはない状態にはなれてきたけど、全然完璧に習得できてる気はしません。ていうか猫の怒る声ってどんなのだろう。猫を飼ってないのでわからない。

そしてウ!フランス語のウは3種類あって、ひとつはわりとすぐにできたけど残りはいまだに自信ないです。母音って音を出す部位は同じだから、唇の形や舌の位置で発音が変わるらしくて、繊細すぎてむずい。最近注意される頻度は減ったけど、できてる!と自信持てる感じはない。泣ける。最近発音を鍛えるためのテキストもやりはじめたので、それでブラッシュアップに励む所存。

フランス人の友達を作った

レッスンに通いはじめて半年ほど経った頃、先生から「レッスンで勉強したこと試してみなよ〜」とフランス人が集うバーを紹介された。せっかく教えてもらったので、めちゃくちゃビビってたくせに一人で行ってみた。しかも開店してすぐの時間帯に。去年の2月だったはずなので、ちょうど1年前くらいだ。

よく考えたら、一人で行くのも人が少なそうな開店間もない時間に行くのもビビってる人間の挙動じゃない。

でもそれがよかった気もしていて、まだ人がいなさすぎて気を遣ったぽいオーナーが、すでに来ていたフランス人と引き合わせてくれた。でも彼は3日くらい前に日本に旅行に来たばかりのフランス人で、日本語がほとんどできなかった。そしてレッスン以外でフランス語の会話をしたことがない、ど初心者のわたし。今思うとなんでコミュニケーション取れたのかわからないレベル。でも、紙とかDeepLとか使いながらなんとか意思疎通できたのがだいぶ楽しかった。出てくる表現はキッズどころかベビーでもなんとかなったので、発音やっといてよかった。

そこから週2で通って、いろいろなフランス人と仲良くなれた。最初に出会った彼とも仲良くなって、彼が帰国する前には、そのバーで知り合ったみんなでいちご狩りに行った。彼とは仲良くなるにつれてお互いの語学力が上がっていってどんどん色々な話ができるようになったけど、この前久しぶりに会ったら圧倒的に抜かされていた。悔しい。彼は今、再び日本にやってきていて、日本で暮らして日本語学校に通っているわけで、わたしのフランス語力より彼の日本語力が上がるのは当然なのだけれど。がんばろ。

バー自体は、わたしが引っ越してしまったので今は行けていないのだけれど、今思うとあの頃が一番フランス語伸びてたなあと思う。当たり前だけど話すの大事。行ける距離に引っ越したらまた通い倒そう。

一般的な勉強っぽくない方法をいろいろ試した

あとはフランス語でインスタをやったり、映画をフランス語字幕で見たり、幸い大好きなミュージカルがフランス発作品なので、歌詞見ながら原曲を聴きたり口ずさんだりしている。勉強が苦手で努力ができない人間なりの勉強方法。

テキスト買って問題を解いたり、小学生向けの語彙力強化のための本をめくったりもしているけど、カラフルでビジュアルあるやつじゃないと何故かしんどくなるので、なんかほんとに努力向いてない。がんばろ(2回目)

こんな感じでやってきたけれど、ほんっとむずかしいですいまだに。むしろ今の方がむずかしいかも。会話ができない!

というか読み書きも別にできないんですけど、読み書きではまだできることが会話だとできなくなるみたいな。日本語でも読み書きの方が得意だけどフランス語でも同じ現象が起きてる。発音もいまだにムズいし。

そしてアンシェヌマンと戦う今

あと「単語で切らない!」って最近よく注意される。フランス語には単語が子音で終わる場合は後続する母音と繋げて発音するという決まり(アンシェヌマン)があります。「Il aime」は、「イルエム」ではなく「イレム」になるみたいな。「Il aime」くらいならもう馴染んでるけどまだまだ慣れないパターンがたくさん。気を抜くとすぐ切っちゃう。でももう身体で覚えるしかないんでしょうね。がんばろ(3回目)

そしてもちろん、そもそものフレーズが出てこない問題もある。言いたいことに対してフランス語まったくがわからないのもあるし、テキストの翻訳問題でなら解けるのに会話だと出てこないやつとか。あと聞き取りもそんなにできてない。字幕ほしくなる。

そんな感じでまだまだですが、12月にフランスに行くまでには語彙と表現を増やして全力でフランスを味わいたいので、日々精進します。フランス語やってる人いたら一緒に勉強しましょう〜〜!

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