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天然記念物「枝垂れ栗」とサブレ開発秘話

20年以上前になるでしょうか。
おいしい焼菓子をシリーズ化して提供しようと思い、サブレの開発をした時の話をします。

恵那峡本社には三本の枝垂れ栗が植わっており、生産者から譲り受けた二本の木と、自社で接ぎ木を繰り返して作られた一本の木が植わっています。

枝垂れ栗だけでも天然記念物なのですが、不思議なことに二回目の葉が出てくる夏ごろ何枚か二つに割れた葉が出てきます。調べると飛騨のほうに一本だけある二葉栗が天然記念物として存在していました。

二万枚に一枚あるかないかといわれているようですが、恵那川上屋の二葉は数枚葉がついています。この天然記念物×2は珍しく、他にはないと思われます。(自然に落ちた葉は差し上げますが、木が痛みますので採ることは禁止です)

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この二葉栗をお菓子にしようと思い二葉サブレを最初は作ったのですが、恵那川上屋のサブレは卵黄やバターが通常より多く贅沢な配合になっており、非常に割れやすく仕上がっています。

粉を増やせば割れないのですが、二つの割れた葉は常に割れ、デザインを一枚の葉に変更しました。そのとき、四葉のクローバーやきれいな葉を本のしおりに使っていたことを思い出し、コピーライターと話しているうちに出てきた名前が「しおり」です。

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最初はプレーンのみでしたが、今では自社黒糖を使ったしおりや、国産の紅茶を使ったしおり、子供が大好きなチョコレート味のしおりを開発、四枚入りから発売しました。それでもよく割れるので、箱の改良をし、発送が可能になりました。

各店で割れたしおりは小さなお子様に提供し、将来記憶の中に留めていただけたらと思っています。

サブレが洋風なら、その相棒である栗ぼうろは栗の形をした昔ながらの製法で和風に仕上げてあります。サブレもボーロも栗の食感を生かすために、裏ごしした栗に加え、小さく切った鬼皮や渋皮も入っています。

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食感、情景、思い出、奇跡、こだわりの配合、和洋の楽しみなど、小さなしおりやボーロには私たちの思いが詰まっています。

日持ちもしますし、職場やお世話になった方々への手土産に最適な商品だと思います。

手土産と共にしおりやボーロの秘話を、相手先様にもお伝えしていただけると幸いです。


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